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そういえばauのCMでは桃太郎と鬼が友達だった

あのCMの内容を振り返ってみると、興味深いことに気付きます。桃太郎と鬼が友達なのです。


【#172】20211219


人生は物語。
どうも横山黎です。


作家を目指す大学生が思ったこと、考えたことを物語っていきます。是非、最後まで読んでいってください。


今回は、「今の時代の『桃太郎』ってどんなもの?」というテーマで話していこうと思います。



☆これまで桃太郎の歴史を追ってきた


僕は今、新しい『桃太郎』をnoteで共同制作しようという企画を進めています。「勧善懲悪」よりも、もっと別のテーマが今の時代にふさわしいのではないか、その疑問から始まった企画です。


さて、日本一の民話といっていい『桃太郎』を再創作するわけですから、生半可な気持ちで手を出してはいけません。痛い目に遭う気がしたので、僕はちゃんと歴史と向き合うことに決めました。ここ最近は、『桃太郎』に関する本やら論文やらを漁る毎日で、今やマイブームが『桃太郎』というヤバい男になっています。


世の大学生がポケモンのダイパリメイクで盛り上がるなか、僕はにやにやしながら『桃太郎』を調べていました(笑)



おかげさまで、興味深い発見ができたり、それなりに『桃太郎』に詳しくなることができました。しかし、これでめでたしめでたしとはいきません。むしろこれからです。新しい『桃太郎』の物語を紡いでいかなければなりません。



歴史を調べながら、ちょっとずつ考えていたんですが、現代の『桃太郎』ではどんな物語があるだろうと考えたときに、ふと思いついたのが「auのCM」でした。

そうです。「三太郎」です。

松田翔太さん演じる「桃ちゃん」をはじめ、昔話を越えて、さまざまなキャラクターの関係をコミカルに描いたCMです。



これまでにも思想や主義を伝えるために、いいように使われていた『桃太郎』ですが、現代では広告利用されているのです(笑)明治時代の桃太郎が『皇国の子』ならば、今の時代の桃太郎は『広告の子』とでもいえるでしょうか?……すみません、ネタに走りました(笑)


さて、それはともかく、「今の時代の『桃太郎』」と言われ、真っ先にイメージするのが「三太郎」の『桃太郎』でしたから、やはり無視することはできません。


あのCMの内容を振り返ってみると、興味深いことに気付きます。


桃太郎と鬼が友達なのです。




☆桃ちゃんと鬼ちゃん


物語の途中で、菅田将暉さん演じる「鬼ちゃん」が登場しました。桃ちゃんと親しげに話していました。互いに敵意を向けている様子はなく、純粋に「友達」でした。今一度しらべてみると、鬼退治された後で仲良くなったとか。


つまりですね。


従来の桃太郎は、「鬼ヶ島へ鬼退治にいき、鬼を倒して宝物を奪って、村に幸せを連れてくる」ことに一番の盛り上がりがありました。よく知られている桃太郎はそういった物語ですよね。


しかし、「三太郎」の『桃太郎』は違うのです。他の童話も混在しているので、ちゃんと比較することは叶いませんが、鬼退治後の物語に重きが置かれていることは間違いないと思います。


鬼退治も鬼退治以前の物語も触れずに、桃太郎と鬼が仲良しという設定を最初に示しているあたり、現代の『桃太郎』を考える上でのヒントになると思いました。



すなわち、テーマは「共生」です。
共に生きることです。



だからこそ、桃太郎と鬼はあれだけ仲良く描かれているし、そもそも「au(英雄)のCM」のなかに誰一人として悪者が登場しないです。みんな仲良しなんです。


そして、共に生きていこうとする者たちこそ、今の時代に求められている「英雄像」なのです。



☆桃姫も出てきた


最近僕はまるっきりテレビを観なくなったので調べるまで知らなかったのですが、最近のauのCMでは「桃姫」が登場しているようです。以前、女の子を主人公にするなら名前は「桃姫」がいいですね~というコメントをいただいたことがあります。


まさか、先取りされていたとは(笑)


つまりですね、これからは「桃姫」の物語が続いていくということであり、必然的に桃太郎はもはや脇役のポジションにつくわけですね。『桃太郎』の権威そのものが失われていくことを良いように捉えるか悪いように捉えるか、それはその人次第のような気がします。


一応いっておくと、僕は前者で、これからの物語にわくわくしています。



女性版『桃太郎』というのは、これまでにないわけではありませんでした。

主人公という意味ならば、大正時代前後の児童文学の時代の作品で、桃太郎の妹が主人公の物語がありますし(相馬泰三「桃太郎の妹」)、1999年には松井理の『あたしが桃太郎になった日』という作品もあります。


ただ、天下の携帯会社auのCMで広く知られる「三太郎」の「桃姫」の方が圧倒的に認知されている(されていく)ことになるでしょう。



☆現代版『桃太郎』を追求しよう。


最後に注目してほしいのが、「2021年、auのCMが好感度ナンバー1である」ということ。もっといえば、「7年間ナンバー1である」ということ。


三太郎のCMが放送され始めたのが、2015年らしいので(そんな前だっけ!?)、少なからず三太郎はこの結果に貢献しているといえるでしょう。ってか7年前ですから、三太郎の放送開始の年からナンバー1をとっていますよね。明らかに三太郎のおかげです(笑)


何度もいうように、桃太郎の力だけではありませんので、一概にいえることではありませんが、現在ではこういうのが好まれている、求められていることが分かると思います。


こういったことをふまえて、創作していこうと思います。


「共生」をテーマに、『桃太郎』を一緒に作り直してみませんか?



興味を持たれた方は、是非、下のマガジンを覗いみてください。


最後まで読んで下さりありがとうございました。
横山黎でした。




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