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日本一の花火師にインタビューしてきた!


【#109】20211015

人生は物語。
どうも横山黎です。

作家を目指す大学生が思ったこと、考えたことを物語っていきます。是非、最後まで読んでいってください。


今回は、「日本一の花火師にインタビューしてきた!」というテーマで話していこうと思います。

最近は、ショートショートをメインで投稿していますが、日曜日は僕の近況報告や、ぼんやり考えていることを話していこうと思います。


実は最近、とても充実した体験をしたので、それを共有していこうと思います。
学んだことがたっっくさんあって長くなってしまうので、あらかじめご了承ください。
時間のゆとりのあるときに、ちょっとずつ読んでいってください。


☆日本一の花火師にインタビューしてきた

最近の僕は、僕の大学が開催する国際会議の企画班としてせっせと動いています。企画班の主な仕事は、そこで開かれる交流会の企画を考え、準備することです。国際会議ということで、いろんな国籍の留学生が参加することもあり、日本文化を紹介したいと考えました。しかし、オンライン開催ということもあり、リアルに体験活動を行うことは叶いません。

そこで、「現職の花火師さんにインタビューしてそれを紹介しよう」という企画に思い至りました。今の段階で、プレゼンと自作動画をもって紹介する予定ですが、つい先日、さっそくインタビューに行ってきました。


応じて下さったのは、日本一の花火師の称号を持つ野村陽一さん。野村花火工業を取り締まる花火師です。


内閣総理大臣賞を19回受賞、黄綬褒章受章、土浦花火競技大会をはじめ数々の競技大会で優勝を収めているなど、さまざまな実績のある花火師さんです。


そんな偉大な人にいっぱしの大学生が訪ねてもいいものか、ドキドキしながら伺いましたが、快く出迎えてくださって、僕らのインタビューに丁寧に答えてくださいました。

野村さんから学んだことを、ここに残しておこうと思います。


☆19年信じ続けた夢


さきほど、数々の功績を紹介しましたが、実は競技大会で優勝するという成功を収めるまでに、19年かかったそうです。

19年ですよ。19年。
僕は今20歳ですから、僕のこれまでの人生の全ての時間を、野村さんは花火に費やしたというわけです。なかなか日の目が出なかった下積み時代、同業者からは「闇夜のカラス」と揶揄されることもあり、野村さん自身、花火のことが分からなくなってしまったと聞きます。

それでも、研究を続けました。その試行錯誤の末、夜空に大輪の夢を咲かすことができたわけです。20年近く夢を信じられたのは、どういった思いがあったのか、僕は野村さんに訊きました。

答えはシンプルでした。

良い花火をつくって、人を喜ばせたい。
その気持ちが人一倍強かったから。


美しき物づくりの精神が、野村さんを突き動かす原動力だったのです。良いものをつくって、誰かの幸せをつくるという純粋な欲求が、花火づくりを続ける動機だったのです。

それは今も変わっていないことでしょう。野村さんは今も、日々花火の可能性を模索しています。次なる花火の時代を追求しています。

水戸歌舞伎花火の開催が、その証といえると思います。

なんと!かの有名な市川海老蔵さんとのコラボレーションが実現したのです。歌舞伎と花火の融合という、新しい試みが予定されていました。新型コロナウイルスの影響で、二度も延期になってしまい、未だ開催の目途は立っておりませんが、いつかきっと、新しい花火の表現を目撃することができると思います。

時代によって求められる「良い作品」は変わりますが、野村さんは常に未来を見据えて、「良い花火」を追求しているのです。


夢を追いかけていた下積み時代から変わらず、野村さんは常に「良い花火」をつくっているのです。



☆良い作品にはお金を払うべき


野村さんは経営者としての顔もあるので、「お金」のことも話してくださいました。花火一発を打ち上げるのにも、何十万、何百万というお金がかかる世界。現在では、会場のメンテナンスにかかるお金も必要なので、花火だけにお金を費やすことができません。


野村さんがおっしゃっていたのは、「良い作品にはお金を払った方が良い」ってこと。


元来、花火というのは、タダで鑑賞できることに魅力がありました。それが花火文化が根付いた一つの要因でもあることでしょう。しかし、観る側はタダで楽しめるから得しかありませんが、作り手は「お金」の問題と向き合わなければいけません。

技術が進歩してきて、機材の費用、人件費など、花火以外にもお金がかかるわけです。予算の中で良いものを作ることも大事な能力ですが、お客さんのことを考えれば、最高の花火を打ち上げることが大切なわけですから、可能ならば予算は多いに越したことはありません。

僕がビジネスの話をしても仕方がないので踏み込んだ話はできませんが、野村さんと同様に「やっぱりお金は払うべきだよね」と思います。見る側も、せっかく見るなら最高のショーを観たいじゃないですか。だったら、ちゃんとお金を払って、制作費に回してもらった方がいいですよね。

お互いに良いことがあります。

現在では、「花火はお金を払ってみるもの」という文化が浸透してきたので、有料席を設ける花火大会が増えてきたそうです。

「お金」の問題を解決して、これからも最高の花火を追求していってほしいなあと思いました。



☆一瞬の芸術が、永遠の印象をつくる


今回のインタビューで印象的だったのは、花火が打ち上がったときにどんな思いを抱くのか、その質問に対する野村さんの答えでした。


花火を打ち上げるまでに、決して短くない時間を準備に費やします。一発一発、人の手でつくっていくので、そりゃあ時間がかかります。しかし、良い花火を打ち上げようと思ったら、丹精込めて、時間をかけて作らなければいけないのです。


僕はかねてから、疑問に思っていたことがあります。

それほどまでに長い時間をかけて作ってきた花火は、打ち上げたらものの数秒で消えてしまいます。一瞬で散ってしまうんです。

打ち上げて消えていったあと、花火師さんたちはどんなことを思っているのだろう。


僕はそう思っていたんです。

せっかくの機会だから、野村さんに訊ねてみました。そのご返答に、僕はとても心を動かされたんです。


「一瞬で消えると、嬉しい」

そうおっしゃったんです。

花火というのは一瞬の芸術だから、一瞬で消えた方がむしろ成功と思えるそうです。いつまでも空に残っていて余韻のある花火よりも、パッと咲いて、パッと散る一瞬の花火の方が嬉しいってことです。

一瞬で咲いて散るからこそ、見る者は一生懸命に見ようとするし、いつまでも印象に残り続けるわけです。

この話に、「なるほどなあ!」と思って、花火に対する考え方も変わりましたし、「一瞬」っていいなあって思いました。

空の歴史に比べれば、人間の命なんて花火のようなものです。
一瞬です。

その刹那に、
どうして生まれたのか、
どうして生きていくのか、
不安や悩みに苛まれることがあると思います。

誰しも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。


でも、僕らの命がこの世界に咲いたのは、それまでに長い時間をかけて準備をしてくれた人たちのおかげなんです。身近な存在でいえば、両親。長い目で見れば、歴史をつくった生きとし生けるすべての者の力があったから、あの日僕らは生まれたんです。

咲いて散るまで、一瞬かもしれないけど、絆の花、夢の花、愛の花を美しく咲かせて、パッと散ることが人生といえるのではないでしょうか。


そんな人生こそ、いつまでも印象を残すことができるのではないでしょうか。


僕はかねてから、「永遠に生き続けたい」と思っていて、それが僕の人生の大きなテーマだったりするので、日々あれこれその術を考えています。
#やばいヤツ

やっぱり作品はいつまでも残り続けるので、「物語を綴る」ことが一つのその術なのかなと思っています。

そんななか、この度のインタビューの中で、「永遠に生きる」ためのヒントをもらったような気がします。

一瞬で終わってしまう人生だから、今を美しく生きていこうと思います。
そんな風に生きていくことで、その人生が永年の印象をつくっていく、つまり永遠に生き続けることができるのかなあとぼんやり考えています。


ということで、今回は「日本一の花火師にインタビューしてきた!」というテーマで話していきました。


☆お知らせ


最後にお知らせします。

僕が書いた小説『メッセージ』についてです。一言でいえばダイイングメッセージの話なんですが、以前から僕は、

「なんで死の間際に犯人の名前を書くんだろう?」
「もっと伝えるべきメッセージがあるよね?」

という疑問を持っていました。この作品はそんな疑問と真正面から向き合ったものです。僕がどんな答えを出したのか、興味を持たれた方は、下の記事からチャックしてみてください。



最後まで読んで下さりありがとうございました。
横山黎でした。



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