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心象風景

いつの間にか、ただ当たり前のようにそこにあった風景がもうこころの中にしかないということに気づいたとき、はじめて失われたその景色に深い愛惜しさを感じました。

思い出というには生々しく、けれど寄り添うには遠くなってしまった時間たち。思いを馳せるたび、すこしこころが軋みます。

晴れた空。曇り空。いろんな空がゆっくり静かに通り過ぎてゆきますが、おもいは乾いた秋の高い空に沁みるように消えてゆくばかり。

枯れ葉がまた一枚、舗道を歩く私の前を横切っていきました。

10月の風景。



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