見出し画像

念願のパラオダイビングを終えて思う。「私はもう若くない」

今、コロール空港でグアム行きのフライトを待っている。
6日間のパラオダイビング旅行が終わろうとしている。

私の慢心

今回、私をガイドしてくれたのは20代半ばの女性だった。ガイドになって数ヶ月くらい、パラオに来て半年くらいのキャリアだという。

正直に言うと、私に驕りがあったと思う。私の方がはるかに多い経験本数で、ダイビング歴も長いのだ。だから、彼女たちが話す注意事項をきちんと聞いていなかった。

「マンタを見るポイントでは砂地に着底するように」との注意を受けていたが、そのことをすっかり忘れていたのだ。
砂地を離れ、珊瑚に思い切り寄りかかってしまっていた…

おそらくガイドさんは私へ向けて呼び鈴を鳴らしているかも?と思い、振り返ったが私の視界に彼女は見えなかった。で、スルーした。「私じゃなかったかな?」と思ったのだ。

ガイドさんは何度呼び鈴を鳴らしても、私が無反応だったので、しばらくすると私のタンクを掴み強制的に砂地へ連れて行かれることとなった。

砂地へ強制連行されるとは、この12年間で初めてのことだ。
というか、基本的にガイドさんの注意事項を無視したり忘れることがないし、そこまで生物への執着もない(と思っている)ので、私が前のめりになることはまずない…はずだった。

まさか、自分がダイビング中にガイドさんの注意に気づかず、しかもブリーフィング時の注意事項を忘れるとは思わなかったのだ。

慢心だと思う。あぁ、私も無駄に経験本数を増やしてしまったな…と。
周りが見えていない中級〜上級ダイバーをみるたび私は心底ドン引きしていたのに、まさに私はその姿であっただろう。

反省と改心

振り返ればここ数年、ガイドさんに褒められることも、注意を受けることもなかった。

オープンウォーターライセンスをとった頃を思えば、毎回毎回激烈に怒られたものだ。
水中でスレートに『砂巻き上げんな』と書かれたこともある。
その度に、死ぬほど恥ずかしく、悔しいと思いをした。それが悔しくて、二度同じ注意を受けないようにと心に誓ってダイビングをしていた頃もあったのだ。

いつのまにか経験年数、経験本数、ライセンスのランクだけはちゃっかり積んでしまった。ガイドさんとしても「わざわざ注意するほどではないな…」と思われていたこともあったのではないかと省みる。

これまでブリーフィングの注意事項を大きく逸脱することはなかった。
ロストもしない、砂を巻き上げない、ひとりでダッシュしない、セッティングが遅れることもない、中性浮力が取れないなんてこともないのだ。

注意受けないということは、自分の力量を本気で振り返る機会がないということだ。明確に注意を受けてこそ、心から反省するのだとも言える。
↑私だけかもしれないが。

12年め、まだまだ未熟

初心忘れるべからず。
今までの経験に驕ることなく、日々精進していきたい所存である。

仕事だとこうはならないが、ダイビングに対してはホント悔しいし情けなくなるのが不思議だ。
この情熱をちょっとは仕事に向けたらどうだ?と思うが、それは実現しない。笑

さぁ、今シーズンも始まったばかり。今期はまた初心に立ち帰り謙虚な気持ちで潜らせていただきたいと改めて思いながら、パラオの夜は更けていくのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?