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『月の立つ林で』を読み終えて

昼間に小さな本屋さんへ出向いて、本屋大賞ノミネート作品である青山美智子著「月の立つ林」を拝読しました。

一気に読み終えた

青山さんの作品は「神様当番」と「お探し物は図書館まで」を読ませていただいております。

どちらの作品も心温まる...違うな、こころが解けるような感覚になります。

そんな感覚を最初から最後まで感じていたら、3時間で一気に読み終えてしまいました。ほっとした気持ちになった反面、読み終えてしまった寂しさも少しあります。

もっともっと、青山さんが紡ぐ世界に浸っていたいなぁというような名残惜しい感覚が残るのです。

わたしが青山さんの作品を読むのは3作めですので、読み始める前から、この名残惜しさを感じるのだろうな〜とは気づいていました。

だからいっそのこと、躊躇わず、もったいぶらずに一気に読んでしまおう!と決意して読み始めました。

少しだけ泣いた章

もちろん、どのエピソードもすばらしく優しい言葉で紡がれていますが、特に私の心を揺り動かしたのは「お天道様」のエピソードです。

父と娘の話。ほんのりと涙しました。

私がほんのり涙した理由は、私が娘だから。父とのコミュニケーションにむず痒さとすれ違いを感じながらすごしているから。

なんでお父さんて何も言わないの?なんか言ってよ、と思うことはしばしば。言ってしまえば、ほぼ毎日そう思っています。

そんな父の心のうちをのぞいたような感覚になりました。私の父もこんなことを思ってるのかしら?だとしたら泣けるわ...と。

こころが解けるよ

私たちは無意識に『〜であるべき』と思ってること、自分にとって目を背けたいこと、実際に目を逸らしてしまっていることがありながら、なんとなく生活していると思うのです。

そういうふうに自分の心を勝手にガチガチに固めてしまっているとき、誰かの繊細で自然な優しい気持ちと言葉のおかげで、こころが解けていくこともあるのです。

青山さんの作品はそう言う経験をさせてくださるのです。

ちょっとほっとしたいなとか、誰かに心を解いてほしいと思った時は青山さんの言葉に触れることをオススメします。

きっと読みたえた後に心の余裕が生まれて、月を見たくなるし、ポッドキャストに興味が湧くでしょう。

どうかあなたにも青山さんの優しい言葉が届きますように。

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