ただいまと、さよならの故郷
生まれ育った場所から飛び立って行くのは、何度経験しても、慣れない。
歳を重ねて、住む場所が変わって、自分の生活に忙しくなって。家族や友達が待つ街へはなかなか帰らなくなった。
そうやって生きていくことを選択をしているのはまぎれもなく私なのだけど、たまの帰省に久しく触れていなかった温かさに触れると、旅立ちの日がいつまでも来ないで欲しいと、つい願う。
もちろんその願いは叶うことはなく、帰りのチケットを使うその日はやってくる。
見送られるまでの時間は、なるべく自然に、いつもの