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部屋着

実家で寝起きしていた頃、職場から戻ってきて、「寝る」と2階の自室へ。母はいつも「ちゃんと着替えて寝な!」と口煩く言う。寝ても起きても部屋着は、母にとっては信じられないほどだらしないこと。「夜はパジャマを着て、起きたら日中着るべき服に着替えるのが当然!」とよく叱られた。「実家で着替えたら洗濯物が増えて申し訳ない」と言ったら、「そんなことはどうでもいい!ちゃんとしないのを見ているほうがイライラ。」とまた怒られる。一々着替えるのは面倒。なんだかんだ言うことを聞かなかった記憶。

不思議なもので、そう叱る人が近くにいなくなって初めて、叱られたことが気になり始める。相変わらず、寝ても部屋着、起きても部屋着(無論、風呂上がりに着替えてはいる)の私。母の小言を思い出したのに無視するのも気が引けて、先日、パジャマを買う。ワンピースタイプのTシャツ。試しに無印とユニクロで1着ずつ買う。研究者気質が抜けず、似た形のものがあるとつい比較検討してみたくなる。無印の方は、冷感のコットン素材。布地がしっかりしていて、重みもそれなりにある。丈は膝下のほど。総じて、いい素材を着ているという気持ちなる。肝心なのは洗濯後の状態。
近年、私の服選びの大きなポイントは、洗濯機で乾燥まで一気にかけたときに、極力シワにならず、そのまま着られる服かどうか。どんなに素敵でも、毎度アイロンが必要になるような服を日常使いするわけにはいかない。コットンはどうかと少し不安。シワは許容範囲程度、出してそのまま着ても全く問題なし。

一方、ユニクロは、ずいぶん薄手で軽い。肌触りはさらっとしている。エアリズムコットンという素材。いささか丈が長い。オンラインでは、丈短めのものが購入可能。私は身長が152cmで裾がつく。階段を上るときは少し気をつけたほうがいい。着ていることを忘れそうなくらいの軽やかな着心地は、寝間着としても優秀。洗濯機で乾燥をかけても、問題なくスルッとした感じで乾く。

どちらもよい。布地の厚みを考えれば初夏までは無印、真夏はユニクロ。朝起きて、家の内外の猫たちの世話をして、さて、と部屋着に着替えるとき、1日を始める意識が生まれる。夜、風呂上がりに袖を通すと「今日もお疲れさま」という気持ちになる。夜については「お疲れさま」はだいぶ前払い感がある。母の教えには、それなりに意味があるのだなあ……などと、今さら感心。


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