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運転支援にかける想い 〜移動がもたらす豊かな暮らしと人との繋がり〜

リハラボ訪問看護リハビリステーション町田で活躍するスタッフへのインタビュー企画。今回は、運転支援事業を担当する作業療法士の永島 匡さん山下桃花さんにお話を伺いました。

運転支援に興味を持ったきっかけや、実際に支援する際の苦悩ややりがい、また、運転支援を考えている方へのメッセージ等から “豊かな暮らし” のヒントを探ります。

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永島 匡(ながしま・たすく)さん

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山下桃花(やました・ももか)さん


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ーー お二人が運転支援に興味を持たれたきっかけは何ですか?

永島さん もともと働いていた回復期病院で、運転に困っている方を担当したことがきっかけです。病院には詳しい人がいなかったので、運転再開について勉強を始めました。その時、ちょうど病院にドライビングシュミレーターが導入されることになり、院内の運転支援チームを立ち上げ、リーダーとしてマニュアルやプロトコルを作成しました。その後、訪問領域で働く中で、在宅でも根拠のある運転の支援が出来る仕組みを作りたいと考え、様々な専門家の方のお力を借りながら、現在の「リハラボ自動車運転支援」というサービスを形作りました。

山下さん 新人の頃に出会った一人の患者様がきっかけです。私がもともと活動していた和歌山県は、電車やバスが少なく「近くのコンビニに行くのも車!」「一家に一台ではなく、一人に一台車!」といった、車が生活と共にある地域でした。その患者様は、人里離れた山奥で暮らしていたため生活するには車が欠かせない状況でしたが、ご高齢ということもあり、家族の思いのもと自動車運転を断念することになります。車を自分で運転して人と繋がる場に出向いていた患者様が、退院されたあとも同じような暮らしを送るにはどのようなサポートをしたら良いのか、私はとても悩みました。当時の職場の先輩と話す中で、移動手段の重要性に気づきます。以降、さらに興味を持ち、学びを深めていくようになりました。


ーー 運転支援はどのようにして学ばれてきましたか?

永島さん はじめは、運転支援を精力的に行っている病院にいくつか見学へ行き、使用している評価や取り組みについて教えて頂きました。その後、知見のある方の研修会や学会に参加し学びと実践を繰り返す中で、自身の取り組みを学会発表や論文でアウトプットするようになり、全国の運転支援を行う方との繋がりが増えていきました。現在、定期的に他県の作業療法士の方々とオンラインで自己研鑽のための勉強会を開催しています。

山下さん はじめは、運転支援に興味のあるメンバーで定期的に勉強会を開催し、法律や評価などの基本的なことから学び始めました。実際の患者様へのアプローチは、運転支援を行うセラピストとディスカッションをしたり、文献を読んだりして知見を深めていきます。また、他施設のセラピストや他職種との勉強会の企画、学会・研究会への参加も積極的に行い、徐々に運転支援のネットワークを広げていきました。

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ーー 運転支援をする中で、大変だな・難しいなと感じることはありますか?

永島さん やはり評価の結果、運転を断念せざるを得ない場合の支援だと思います。外出手段が無くなることで、心身や生きがいに支障をきたす可能性がある方がいらっしゃいます。病院勤務時代からそのことについて悩み続け、現在、当事業所では「移動支援」というテーマで、運転に代わる代替移動手段の支援や、行政や地域の自治会と連携した、地域巡回バスの広報運営、また地域でドライバーの役割を担える方を養成する研修に関わるなど、地域の自助や互助を通して移動が活性化していく支援を行っています。

山下さん 当たり前のことかもしれませんが、お一人お一人が違うということで す。身体の状態や認知機能が違うだけでなく、住んでいる所や行きたい場所、またその道中の環境、その場所でしたいことへの想いや考え方など、誰一人として同じということはありません。だからこそ、お一人お一人としっかりとコミュニケーションを取ることを心がけています。


ーー 運転支援をする中で、喜びややりがいを感じるのはどんな瞬間ですか?

永島さん 「行きたいところに行く」ということは、人が豊かな暮らしを送る上では絶対に欠かせない事だと思います。私は、外出や移動手段に悩んでいる全ての人に向けて、支援ができたらいいなと思っています。移動や外出に困っている人に選択肢が届き、その中の一人でも救われたというのを実感した時に、とてもやりがいを感じます。

山下さん 病気が原因で、思い描いていた人生とは異なる人生を歩み始める方は多くいらっしゃいます。自分の思い通りにならない身体になったと落胆していた患者様が 、 運転支援を進める中で「運転が再開できたら『家族の食事の準備をするんだ!』『家族を送迎するんだ!』」と今後について意気込んで話される瞬間に、とてもやりがいを感じます。以前、私が運転支援をした方が「運転を再開できたことが仕事への復帰に繋がった!」と言ってくださり、とても嬉しく思いました。


ーー 運転支援を受けることに興味を持たれた方へ向けてメッセージがあればお願いします。

永島さん 車を運転するということは、生活の様々な選択肢を広げてくれます。目的地の景色や、会いたい人に会えた時の笑顔などが見れるよう、それぞれの大切な目標に向けてサポート致します。残念ながら運転再開が叶わなかった場合も「行きたいところに行く」が実現できるよう、チームで全力で支援させて頂きます。

山下さん "行きたい時に好きな場所へ自分で行く"ために運転の再開に向けて一緒にチャレンジしてみませんか。病気を経験された後も、再び自分らしいことをしたい気持ち、今まで通りに運転できるんだろうかという不安、様々な葛藤があると思います。私も同じ経験をしたら、とっても悩むだろうなぁと思います。お身体のことだけでなく、色々なお話をしながら、行きたい場所に行くために運転再開支援を通してお力になりたいと考えています。ご相談、お待ちしております。


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以上、今回は運転支援を担当する作業療法士の永島さんと山下さんにお話をお伺いしました!リハラボ町田での自動車運転支援について興味を持たれた方は、以下のお問い合わせフォームからご連絡いただけると幸いです。

また、運転再開が難しいと判断された方も、地域での移動手段や外出手段に関わる支援について情報提供させていただくなど、丁寧なフォローアップをさせていただきます。まずは、お気軽にお問い合わせください。


■ リハラボ町田の運転支援 〜利用の流れ〜
① 面接
② 評価(身体機能検査・高次機能検査など 計4回実施)
③ 医師への情報提供書を作成
④ 診断書作成
⑤ 免許センターでの臨時適性検査
⑥ 結果通知
⑦ 実車評価(医師への情報提供前に実施することもあり)

リハラボ町田は、東京都町田市・神奈川県相模原市周辺にお住まいで、脳卒中後に運転再開に不安のある方に対して、①・②・③・⑦のサポートを行います。

■ お問い合わせ
TEL:042-860-7978
FAX:042-860-7955
メール:machida@rehalabo.com 
応募フォーム:http://rehalabomachida.com/自動車運転支援お問い合わせフォーム/

※ 運転支援の目的や特長・料金設定等の詳細は、以前の記事「脳卒中になったら、運転ってどうしたらいいんですか? 運転再開までの3つの選択」をご覧ください。


■ リハラボ町田について
リハラボ訪問看護リハビリステーション町田は、『地域に寄り添う訪問看護ステーション』を目指し、ご利用者様、町田・相模原地域、会社スタッフの “想い” に寄り添いながら活動をしています。詳しくは、こちらの記事をご参照ください。

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