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【新人理学療法士向け】リハビリで使う歩行器の選び方〜各種類の特徴を解説〜

こんにちは、理学療法士のりはかぶらっこです。

 

今回は、患者が入院して、術後など痛みの症状がまだ強いときに、どんな歩行器を選べばよいかを解説します。

 

基本的には歩行器の特徴から患者に適してそうなものを選んでいきます。

 

リハビリで使う歩行器の種類①:車椅子

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手術後などで体力的にも筋力的にも低下し、かつ痛みが強い場合など、座っているので脚や体幹への負荷そこまで多くはありません。

 

移動方法は、介助されながら移動するか、動ける上肢で車椅子を自己駆動するかです。

リハビリで使う歩行器の種類②:ピックアップ歩行器

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車椅子から立ち上がり、平行棒内での歩行練習を行います。

 

その後、ピックアップ歩行器へと移行していきます。

 

ピックアップ歩行器の特徴は以下の通りです。

・4点で支えているので安定しやすい
・腕の力が伝えやすく、脚に力が入りにくくても移動しやすい
・片足が荷重をかけられなくても歩行が可能

人工関節の術後や足の怪我など、下肢に体重がかけられない状態での病院内での移動では、車椅子の次に一番安定している歩行器です。

リハビリで使う歩行器の種類③:サークル歩行器

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よく腰の術後の人が使うことが多いです。

 

サークル歩行器の特徴は以下の通りです。

・もたれかかるようにして歩行できる
・両足に強い痛みがない人が使いやすい
・腰の術後など、体幹が弱い人が使いやすい

車輪が4つ付いているので、脚が弱い人だと体が前に倒れそうになることがあります。十分注意して使用しましょう。


リハビリで使う歩行器の種類④:ロフストランド杖

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主に四肢麻痺など、筋緊張のコントロールが効きにくい人が使うことが多いです。

 

ロフストランド杖の特徴は以下の通りです。

・ワイドベースで杖を突くとバランスがとりやすい
・握力が少なくても肘や肩周りの筋肉が強ければ使用できる

この杖が生活での移動形態となる人もいます。

リハビリで使う歩行器の種類⑤:シルバーカー

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高齢者が使用している印象が強い歩行器です。

 

シルバーカーの特徴は以下の通りです。

・円背姿勢でも使いやすい
・腕の力があれば使いやすい
・日常使いの勝手が良い

屋内だけでなく、段差の多い屋外でも使用しやすいのが一番の特徴です。

リハビリで使う歩行器の種類⑥:4点杖

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比較的伝い歩きや独歩もできるが、ふらつきが強く不安という人向けです。


4点の支えなので、安定感はあります。


しかし、安定しているということは、歩くことを制限していることを意味します。


歩行とは、バランスを崩しながら前に進むものです。


安定してしまうと歩行の妨げになってしまうので、通常のT字杖が適している場合の人もいます。


ちなみに4点杖は、杖の軸からより遠くに跳ねてる2点が外側として使用しますので、右手や左手で杖を調整して使ってください。


リハビリで使う歩行器の種類⑦:松葉杖

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比較的若年から中年あたりの人が使っている印象があります。


松葉杖の特徴は以下の通りです。

・片足を浮かせていても移動が可能
・練習すれば階段も登れる
・脚が完治する前に自宅へ帰れる手段となる

リハビリで使う歩行器の種類⑧:T字杖

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歩行器や杖と呼ばれる中では最も一般的に認知されている道具かと思います。

 

歩くときになんとなくふらついたり転んだりするのが不安な人が使いやすい杖です。

 

また、旅行先など、長い距離を歩くときなど、普段は杖を使わない人でも疲労軽減のために杖を使うという人も多いです。

 

リハビリでは独歩の練習をする手前の段階で使っていきます。

まとめ


独歩がゴールというわけではなく、患者が日常生活へ戻るために適切な歩行器の選択が重要です。


もう杖レベルの状態なのに恐怖心からピックアップ歩行器やサークル歩行器を手放したくない患者も多くいます。


患者が足の筋力をつけているのは、リハビリの時間ではなくほとんどが日常生活の中にあります。


リハビリの時間で自信をつけてもらい、理学療法士も歩行の安定性、耐久性、再現性をしっかり確認しながらリハビリを進めていきましょう。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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