バランス感覚を鍛える上で知っておくべき3つの感覚について
こんにちは、理学療法士のりはかぶらっこです。
今回はバランス感覚を鍛える上で知っておくべき3つの感覚についてお話しします。
バランスに関わる要素はいくつかあり、たくさんあるバランストレーニングの中で、どの要素を今鍛えているのかを知ることは重要です。
是非、最後までお読みいただき、適切なバランストレーニングを見つけてください。
バランス感覚を鍛えるその前に・・・
バランス感覚を鍛える前に、バランス能力を構成している要素について確認します。
バランス能力を構成する要素として代表的なものを以下に挙げます。
・筋力
・関節可動域
・感覚
・認知機能
etc...
きっと他の要素もたくさんあるでしょうが、今回はこの中でも感覚、つまりバランス感覚について深掘りしていきます。
バランス感覚を鍛える上で知っておくべき3つの感覚とは?
バランス感覚を鍛える上で、おさえておきたい感覚があります。
・視 覚
・前庭覚
・体性感覚
それぞれ確認していきます。
【視 覚】
人は多くの情報を目から取り入れています。
周囲の環境を把握することにより、自分の位置関係を空間的に把握することができると言われています。
【前庭覚】
平衡感覚や頭部の移動、回転速度を感知することができます。
【体性感覚】
足の裏から自分の環境が伝わるような皮膚からの触覚や、関節の位置が目をつぶっていてもわかる深部感覚などがあります。
バランス感覚を鍛える上で注意すること
感覚に対するアプローチとして、どの感覚がバランス障害を引き起こしているのかを評価しておくことは重要です。
なぜなら、間違ったバランストレーニングは逆にバランス能力を低下させる可能性があるからです。
3つの感覚にはそれぞれ信頼度があります。
どういうことかというと、例えば、バランスボードのような不安定な場所に乗ってバランストレーニングをしているとします。
このトレーニングはどの感覚にアプローチしているのでしょうか。
感覚の信頼度から説明するとこれは視覚や前庭覚のトレーニングになります。
不安定な場所でのバランスは体性感覚を鍛えていると思いがちですが、実は身体は、体性感覚から来る情報は信用できないと判断し、視覚と前庭覚のような残りの感覚に信頼を寄せるようになります。
バランス感覚のトレーニング例
【視覚に対するバランストレーニング】
・目を開けた状態で片足立ち
・目を開けた状態でバランスディスクに乗る
”目を開けたまま”というのがポイント
【前庭覚に対するバランストレーニング】
・平均台のような一本の線の上を歩く練習
・片足立ちなどをしながら目線を上下左右に移動させる
”平衡感覚”を鍛えるような運動
【体性感覚に対するバランストレーニング】
・目を閉じた状態で片足立ち
・目を閉じた状態でその場足踏み(最初の位置からずれないように)
”目を閉じたまま”というのがポイント
まとめ
バランストレーニングは高齢者の転倒予防効果もあれば、スポーツ選手にも用いられる位多様性があります。
体性感覚のトレーニングであれば視覚を遮断するようなトレーニングを漸進的に進めていきますし、視覚のトレーニングであればバランスボードのような不安定な場所にて漸進的に進めていきます。
感覚の目的別にトレーニングメニューを決められれば、より精度の高いトレーニングとなるでしょう。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
参考文献
板谷 厚 感覚と姿勢制御のフィードバックシステム バイオメカニクス学会誌 vol.39,No.4,2015 197-203
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