庵野拓将

理学療法士・トレーナー、『科学的に正しい筋トレ』『科学的に正しいダイエット』著者。 筋トレ、ダイエットについての最新の研究報告を「わかりやすく」ご紹介しています。Twitterでも参考になる研究報告を紹介してますでの覗いてみてください。

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最近の記事

筋トレで食欲を減らす最適なトレーニング強度とは?

 ダイエットや減量で我慢しなければならないのが「食欲」です。  食欲に抗いながら、エネルギー摂取量を制限することによって理想の体型に近づくことができます。でも、食欲に抗うのは、辛いことですよね。  そこで近年、注目されているのが筋トレによる食欲抑制効果です。  食欲抑制効果を高めるトレーニング様式を検証したのがUNESPの研究報告です。  筋トレによる食欲抑制効果は、レッグプレスのような単関節トレーニングよりもスクワットのような多関節トレーニングが有効であることが示唆

    • 筋トレ前の静的ストレッチは筋力増強の効果を低下させる最新エビデンス

       「筋トレ前に静的ストレッチングをすると、筋肥大の効果が損なわれる」  2005年、ルイジアナ州立大学の研究により、筋トレ前の静的ストレッチは、運動回数(レップ数)を減らし、筋肥大の効果の指標となる総負荷量(強度×回数×セット数)を減少させることで筋肥大の効果が低下する可能性が示されました(Nelson AG, 2005)。  この研究を皮切りに、筋トレ前の静的ストレッチング(静的ストレッチ)が筋肥大の効果を損ねる研究結果がつぎつぎと報告されています。  サンパウロ大学

      • ダイエットで運動するなら「朝と夜」のどちらが効果的か?

         ダイエットをするなら、運動よりも食事の管理をすることがもっとも効果的です。それでも運動は内臓脂肪を減らし、過度な食欲を抑え、減った体重が戻ること(リバウンド)を防いでくれる効果が報告されており、食事の管理とともに運動を行うことがダイエットの成功に近づく方法とされています。  そこで問題になるのが「運動をする時間帯」です。  仕事をしていると、運動ができる時間は、仕事の前である「朝」か、仕事を終えた「夜」に限られます。  では、運動によるダイエット効果は、朝と夜のどちら

        • 筋トレは「誘惑に負けない自分にしてくれる」という最新の系統的レビュー

           目の前にケーキがあっても、減量をしているときは我慢することができます。  このとき、私たちの脳では、認知機能の実行機能が働き、減量するためにケーキを我慢するという行動を選択することができます。  このように、仕事の目的(この場合は減量)を達成するために、計画を立て、選択や修正をしながら行動する認知機能のことを実行機能(Executive Function)といいます。  実行機能には主に抑制的制御、ワーキングメモリ、認知的柔軟性の3つの機能があります(Reimann

          筋トレの効果を最大にする「タンパク質の摂取タイミング」のエビデンスまとめ

           筋トレによる筋肥大の効果を最大にするには、タンパク質を最適なタイミングで摂取することが重要になります。  そこで議論されていたのが「タンパク質を筋トレの前後どちらで摂取したほうが筋肥大の効果が高まるのか?」という疑問です。  1990年代の後半になり、アミノ酸を標的とした安定同位体トレーサー法が確立され、筋肉のもととなる筋タンパク質の代謝が評価できるようになると、この疑問を解決すべく数多くの研究が行われてきました。  そして2020年には、これまでの研究結果をまとめて

          筋トレ後に摂るべき「タンパク質の摂取量」のエビデンスまとめ

           筋トレをするなら知っておきたいのが、筋肥大や筋力増強の効果を最大化させるための最適な「タンパク質の摂取量」です。  では、筋トレの効果を最大化させるための最適なタンパク質の摂取量は、どのくらいなのでしょうか?  この問に対して、スポーツ栄養学の最新のメタアナリシスでは、筋トレ後の24時間で「体重×1.6g以上」を目安にタンパク質を摂取することが推奨されています。  筋トレをすると、筋肉のもととなる筋タンパク質の合成感度が高まります。この合成感度の高まりは、筋トレ後、少

          ヨーグルトとチーズは牛乳よりも食欲を減らす効果がある?

           2021年8月に雑誌「The Journal of Nutrition」に掲載された研究では、食事の前に乳製品を摂取すると食欲を減らすことができますが、さらに「ヨーグルトやチーズは牛乳よりも効果的である」ことが報告されました。  私たちの空腹感や食事の量は、前の食事の内容や量など、さまざまな要因によって決まります。最近のメタアナリシスの報告では、乳製品の摂取が食欲を減少させ、もっと食べたいという意欲を低下させることが示唆されています(Onvani S, 2017)。 『タ

          ご飯(白米)1日1食を〇〇に置き換えると体重の増加が抑えられる?

           近年の栄養学では、食事を制限してダイエットするのではなく品質の高い「やせる食事」を摂取して健康的にスリムになることを推奨しています。  やせる食事は「やせる炭水化物」や「太りにくい肉」、「やせる野菜や果物」などで構成されています。 『ダイエットするなら「白米よりも玄米」を食べよう!』 『ダイエットするなら「赤い肉」よりも「白い肉」を食べよう!』 『ダイエットするなら「やせる野菜と果物」を食べよう!』  しかし、このような研究報告は、おもに欧米人を対象に行われており、アジ

          加齢にともなうウエストサイズの増加を抑える食品とは?

           歳をとるにつれて気になるのが「腹部の肥満(ぽっこりお腹)」です。  腹部肥満はメタボリックシンドロームや2型糖尿病、心血管疾患の高いリスクと関連していることが報告されています。  これに対して、食物繊維を含む炭水化物の摂取がウエストサイズの変化に影響していることが報告されています。  では、どのような炭水化物の食品が中高年のウエストサイズの変化と関連しているのでしょうか?  2021年5月、この問いの答えとなる研究結果を報告したのがタフツ大学のSawickiらです。

          今の食事に「少しのタンパク質をプラスする」だけでも筋肉が増える最新エビデンス

           「筋肉を増やすためには、タンパク質を多く摂ろう!」  タンパク質は筋肉を作る材料になる重要な栄養素です。そのため、よく雑誌やネットメディアでは、筋肉を増やすために多くのタンパク質を摂取しようと謳われています。  では、どれぐらいのタンパク質を摂れば、どのくらい筋肉が増えるのでしょうか。  この問に現代の栄養学はこう答えています。  「今の食事に牛乳1杯や卵1個といった少量のタンパク質をプラスするだけでも筋肉は増える」  2020年、タンパク質の摂取量と筋肉量の増加

          筋トレするなら摂るべき「脂質」の最新エビデンス

           筋トレで重要な栄養素といえばタンパク質で、どちらかというと敬遠されやすい栄養素が脂質です。  しかし、近年、脂質が筋トレによる筋肥大や筋トレ後の筋肉の回復を促進する効果が報告されるようになりました。  その脂質が「n-3系多価飽和脂肪酸(オメガ3)」です。  オメガ3による健康への効果については以前から報告されていますが、最近になって筋トレへの効果についてのシステマティックレビューが報告され、新たな科学的根拠(エビデンス)が示されているのです。  今回は、オメガ3が

          筋肉を増やすための「タンパク質摂取のメカニズム」を理解しよう!

          「科学により裏付けされたタンパク質の摂取方法(量や質、タイミング)を実践することで、日頃のトレーニングの効果を最大限に引き出すことが可能になる」    現代のスポーツ栄養学では、効率的に筋肉を増やす方法についてこのように述べています。近年、アミノ酸の安定同位体を用いる研究手法が確立され、筋肉のもととなる筋タンパク質の測定ができるようになり、スポーツ栄養学の分野からアスリートのパフォーマンス向上に関する知見が次々と報告されているのです。    このような知見をもとに、今回は

          筋トレするとモテる理由〜女性が好きな筋肉ランキングを知っておこう!

           「筋トレをするとモテるようになりますか?」  この問に現代の進化心理学はこう答えています。  「モテるようになる」  「なぜなら、ヒトのこころは石器時代のままだから」  女優やモデル、アイドルが男性に人気があるように、多くの男性は若くて美人な女性を好む傾向にあります。  なぜ、男性が若い女性を好むのかというと、若さが出産可能性の高さを示す指標になるからです。  200万年以上の長い石器時代の過程で、若い女性に惹かれた男性は子孫を多く残すことができ、出産適齢期を終

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          筋トレの前にストレッチングをしてはいけない理由とその対応策【2019最新版】

           「運動する前の静的ストレッチングは、運動のパフォーマンスを低下させる」  2006年、欧州スポーツ医学会が発表した公式声明(ステートメント)がスポーツ業界を震撼させました。  ストレッチングには怪我を予防する科学的根拠(エビデンス)が示されています(McHugh MP, 2010)。そのため、運動する前には「しっかりとストレッチングをしよう」というのがこれまでの常識でした。  しかし、怪我を予防するためのストレッチングが、じつは運動のパフォーマンスを低下させるというこ

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          筋トレするなら知っておきたい「タンパク質の摂取と糖尿病のリスク」〜最新エビデンスと予防戦略

           「筋トレのあとはタンパク質を摂取しよう」  なぜ、筋トレのあとにタンパク質の摂取が必要なのかというと、筋トレしただけでは筋肉は肥大しないからです。  筋肉を大きく肥大させるには、筋肉のもととなる筋タンパク質の合成量を増やさなければなりません。筋トレをすると筋タンパク質の合成感度が高まります。そこでタンパク質を摂取することによって、はじめて筋タンパク質の合成量が大きく増加し、筋肥大が生じるのです。  これが「筋トレとタンパク質の摂取はセットである」といわれる理由です。

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          筋トレとジョギングをすると「筋トレの効果が減少する」〜そのエビデンスと予防法を知っておこう!

           「筋トレとジョギングをすると筋トレの効果が減ってしまうのは本当ですか?」  良く聞かれる質問ですが、現代のスポーツ科学はこう答えています。  「確かに筋トレとジョギングをすると筋トレの効果は減少する」  「しかし、それを予防する方法もある」  今回は、筋トレとジョギングをすると筋トレの効果が減少する科学的根拠(エビデンス)とその予防法の最新エビデンスをご紹介しましょう。  トレーナーやスポーツ選手、ボディメイクで筋肉量を増やしながらダイエットしたい方は知っておくと

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