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CYBERロマンスポルノ'20〜REUNION〜感想


※一部セットリストやライブの内容のネタバレを含みます。




皆さんこんにちは。たじーです。
今回は、表題の通り、12月4日に開催されたポルノグラフィティのライブを視聴した感想を、興奮冷めやらぬうちに書き留めておきたいと思います。


コロナ禍で例年の形でのライブ開催が危ぶまれる中、実地で集客する人数を制限し、会場に来れない人はオンライン配信で楽しめる「ハイブリッド型」が決行されました。その名も『CYBERロマンスポルノ’20〜REUNION〜』。


“REUNION”は、日本語で「再会」を意味します。これが今回のライブのテーマでした。「会えない」「話せない」「触れられない」がニューノーマルになりつつある現在において、ポルノグラフィティとサポートミュージシャン、スタッフや制作に携わられた方々が、ただその中でも出来ること、そして現在“だからこそ”出来ることを考え抜いて、2時間という限られた時間で本当に沢山の「再会」をギフトにしてくれました。



その沢山の「再会」を演出してくれた、神々しいセットリストをご紹介します。


1.アポロ
2.オー!リバル
3.星球
〜MC〜
4.ワンモアタイム
5.2012Spark
6.リビドー
7.ヴォイス
〜MC〜
8.シスター
9.ルーズ
10.カメレオン・レンズ
11.海月
〜MC〜
12.アゲハ蝶
13.Hard Days,Holy Night
14.VS
〜MC〜
15.ハネウマライダー
16.一雫
〜アンコール〜
EN1.REUNION(新曲)
EN2.ジレンマ

総演奏曲数…18曲(うちシングル10曲、アルバム3曲、カップリング4曲、未発表曲)が非常にバランスよく配置され、ライブ未経験者もファンも分け隔てなく誰もが楽しめる構成になっていました。


……と、ここまで淡々と書いてきましたが、実際のところまだ心に響く余震が収まっておりません。


いやもう、本当に最っっっっっ高だったんです。


こんな時代だからとか、それだけを言うのではなく、もっともっと普遍的で不変的な“想い”を、とんでもない熱量でもって示してくれました。

声にならなくて  失速する僕を
切り裂く興奮で  呼び戻す君よ
今ここにいる  全部がここにある

『LIVE ON LIVE』で歌われた、興奮と感動と希望に「再会」させてくれた、そんなライブだったと思います。


【セットリスト感想】

ここからは、ライブで演奏された曲ごとの感想を、セットリストの流れに沿って書いていきます。その曲自体の魅力はもちろんのこと、ライブの中でどのような位置付けで演奏されたのか、どんなテーマ性があったのかなど、出来るだけ立体的な考察をしたいと思っていますが、恐らく本記事内では書き切れないので、あらためて機会を作ってゆっくりと語っていけたら良いなと考えています。


(ここからは書き言葉にします。)


——


prologue
ステージの明かりが消え、暗転。唐突に警告音のように鳴り響いたのは、ヴォーカル岡野昭仁の声。よく耳を凝らすと“REUNION”と告げている。始めて聴くメロディに、思わず叫び出したくなる興奮と衝動に襲われる。と同時に、モニター越しにでも確実に伝わってくる、圧倒的な存在感。1年3ヶ月という、短いようで途方もなく長かった時間を経て、彼らと無事「再会」出来たことを実感する。


1.アポロ
ライブの開幕を告げるとても重要な1曲目を担ったのは、華々しく鮮烈なデビューを飾った曲『アポロ』。

私は今回の1曲目を『LIVE ON LIVE』と予想していたが、良い意味で予想を裏切られる形となった。よくよく考えれば、これほどポルノを象徴していて、おまけにCYBERで、彼らとの「再会」を多くの人達と分かち合える曲はなかったかもしれない。しかも、冒頭のサビの歌詞はアレンジが加えられ、ライブのための贅沢仕様に。

僕らが生まれてきて  半世紀後の世界
サイバー空間で  あなたとつながりたい

アポロ11号が月に到達した時代から、目まぐるしく世界は変わってきた。それでも、人と人とが同じ空間で繋がって、同じ感動を共有することの価値は何も変わっていない。彼らの始まりと「再会」したことで、あらためて確認できた。

《“始まり”とREUNION》

2.オー!リバル
ライブでは終盤に演奏されることが多いこの曲。まさか2曲目に持って来られるとは。『オー!リバル』は、名探偵コナンの映画の主題歌に起用され、曲自身の完成度とパワーも相まって、名実ともに間違いなく新たな代表曲の位置を確立させている曲だ。

そんな『オー!リバル』が、2曲目に、アポロの次に、演奏されたことには大きな意味があると感じた。言わずもがな、『アポロ』と『オー!リバル』で、全世代のファンを取り込めてしまえるからだ。

私の身の回りにも、「アポロは知っているけどオー!リバルは知らない」という人もいれば「ポルノ?あー!オー!リバルの人ね!」という人もいる。でも、当然そのどちらも正しい、ポルノとの出会いなのだ。

特に古参の私にとっては、この曲のような新世代を象徴する曲を通じて、ポルノと出会った初期の衝動を思い出すことが出来るため、非常に大きな意味を持つ曲である。また、ここからはARによるバーチャルな演出も加わり、より一層ライブに厚みが増し始めた。

《“新世代”とREUNION》


3.星球
ラスボス級の超シングルが続いた後の3曲目は、隠れた名曲『星球』。ライブではPANORAMAツアー以来8年ぶりの演奏となった。

この曲に関しては全く予想出来ていなかったが、たしかに季節感もピッタリでデジタル感もあり、今回のライブに違和感なくハマっていた。

画像1

(ARの演出もすごい!)


ちなみに星球は、クリスマスツリーに飾られている、反射して光る丸い玉のこと。曲中にはこんな歌詞があるのだが、

クリスマスツリーを飾る 星球みたいな時間が
サバイバルな人生には必要

「一見平凡な生活でも、普通な人間でも、たまにはキラキラ輝いても良いんだよ」ってことなんだろう。そんな時を期待できるからこそ、逆に日常も今よりもっと楽しめるようになるんだ、そんなポジティヴなメッセージを感じた。

《“日常”とREUNION》


〜MC〜


4.ワンモアタイム
1年3ヶ月振りの再会を喜び合った後の4曲目は、これまたとんでもない熱量を纏った『ワンモアタイム』。この曲は、2011年3月11日の東日本大震災の被害からの復興・奮起を願い、ヴォーカル岡野昭仁が書き下ろしたシングル曲。

そこにはただ真っ直ぐに、未来のため、共に立ち上がろうと鼓舞する力強いメッセージが込められている。今でこそ状況は違えど、先の見えない不安や疲弊感を少しでも拭い、あの頃の忘れない記憶を呼び覚ましながら、希望を形に前へと進みたいと、そう思わせるパフォーマンスだった。

《“忘れない記憶”とREUNION》

5.2012Spark
肺がパンクしそうな曲目が続く。5曲目は映画「逆転裁判」の主題歌に起用された『2012(にーぜろいちにー)Spark』。というか、今書いていてあらためて、極めて破壊的なセットリストだということに気づく。まだ5曲目なのに、アポロとオー!リバルとワンモアタイムと2012Sparkとは…。致死量なんてとうに超えている気もする。星球を挟んでいなければ心肺停止していただろう。

さて、もう述べてしまったように、この曲もポルノのシングル曲の中で随一のエネルギーを纏った曲。また、リリースされた2012年といえば、ICTやビッグデータ等が徐々に注目を集め始め、スマホが隆盛、新たなコミュニケーションツールとしてLINEが浸透するなど、デジタル新時代の到来とも言える時代だった。そんな時勢を反映したかの如く、画面越しから観る演出の“映え”と映像美の心地良い噛み合わせに、ついつい酔いしれた。

また、肝心の歌詞には、「変わりつつある時代の狭間で葛藤する人々と、それでも闘い続け、新しい時代にも食らいついてやろうとする決意」が表れており、2020年の今にも通ずる大事な伝言と受け取った。

《“闘う決意”とREUNION》


6.リビドー
6曲目は、1stアルバム「ロマンチスト・エゴイスト」に収録されている『リビドー』。ここでもまた、強めのロックチューンが続く。

リビドーはラテン語で「性的衝動(それも強めの)」の意。まさしく初期ポルノを象徴するアダルトなナンバーだ。ファンの間でも人気が高い曲で、2009年のライブ「ロイヤルストレートフラッシュ」でも披露された(それでももう10年以上前なのか…)。

かなり意表を突かれた選曲だったが、こういう“裏ポルノ”を惜しげも無く演奏してくれるポルノには、リビドーに近いものを感じざるを得ない。

《“欲求”とREUNION》


7.ヴォイス
序盤戦ラストの7曲目は、珠玉のミドルバラード『ヴォイス』。開幕から飛ばしっ放しだった興奮と躍動をまとめて消化し、次のステージへと繋ぐ橋渡しとして、なによりも相応しい曲だと感じた。

核心はつかないのに、主人公は何かを“確信”している。それは、たしかに自分を呼ぶ声に導かれて来たからだ。行く先を見失いそうになっても、左胸の声を聴けば、間違いなく、自分は強く生きようとしていることがわかる。そしてまた、自分を信じ、どこかで待っている誰かを探し求めていく。

ここまでのライブで得られた熱量は、このヴォイスで見事に成形され、確かに自分の糧になった気がした。

《“誰か”とREUNION》



……予想に反して長くなったので、次に続きます。


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