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2020年マイ年間ベストアルバム40!

というわけで、2020年のマイ年間ベストアルバムです!

ライブもフェスも軒並み中止となりなかなかしんどい1年ではありましたが、作品という観点で言えば普段の年と同じくたくさんの傑作が生まれたのではないかと思います。

個人的にはメンタルの浮き沈みもあり新譜をあんま聴けていない時期とかもあるのですが、いざ選ぼうとするとこれも入れたいあれも入れたいなってしまって、なんだかんだでいろいろ聴いたなあと。

40枚並べた後に、全体を通した雑感を載せてます。Spotifyのリンク貼ってますので、気になったやつはぜひ聴いてみてください!


40枚の発表です


40 LUCKY TAPES 『Blend』

39 Soccer Mommy 『color theory』

38 Video Age 『Pleasure Line』

37 Nubya Garcia 『SOURSE』

36 和田唱 『ALBUM.』

35 Teyana Taylor 『The Album』

34 中田裕二 『PORTAS』

33 ずっと真夜中でいいのに。 『朗らかな皮膚とて不服』

32 Rodrigo Carazo 『Octogono』

31 Natsu Summer 『HAYAMA LIGHTS』

30 Frances Quinlan 『Likewise』

29 Yves Tumor 『Heaven To A Tortured Mind』

28 Eve 『Smile』

27 Yumi Zouma 『Truth or Consequences』

26 asmi 『bond』

25 SHISHAMO 『SHISHAMO6』

24 SANTROFI 『ALEWA』

23 ユカリサ 『WATER』

22 オレンジスパイニクラブ 『非日常』

21 Peter CottonTale 『CATCH』

20 Seba Kaapstad 『Konke』

19 米津玄師 『STRAY SHEEP』

18 Moses Boyd 『Dark Matter』

17 ROTH BART BARON 『極彩色の祝祭』

16 Czecho No Republic 『DOOR』

15 Fiona Apple 『Fetch The Bolt Cutters』

14 PJ Morton 『Gospel According To PJ』

13 Gotch 『Lives By The Sea』

12 パスピエ 『synonym』

11 Phoebe bridger 『Punisher』

10 中村一義 『十』

9 Shabaka and the Ancestors 『We Are Sent Here By History』

8 赤い公園 『THE PARK』

7 Oscar Jerome 『Breathe Deep』

6 さとうもか 『GLINTS』

5 UNISON SQUARE GARDEN 『Patric Vegee』

4 さかいゆう 『Touch The World』

3 SAULT 『Untitled (Black Is)』

 2 藤井風 『HELP EVER HURT NEVER』

1 竹内アンナ 『MATOUSIC』


ランキング寸評

・1位は竹内アンナのフルアルバム1作目です!「1曲目イントロ始まった時点で名盤の予感が漂う」タイプの作品ですが、このアルバムを筆頭に既存のジャンルをうまく融合させながら新しいポップスのあり方を提示してくれる作品が2020年の日本のシーンに複数登場した印象。セールス的にその象徴となったのはやはり米津玄師でしょう。藤井風がメジャーフィールドでどこまていくか?というのは来年の楽しみの1つ。さとうもかのアルバムも、これまでの音源の雰囲気からよりカラフルに、より切なくなっててよかったですね。Rin音との「earth meal」が最高だったasmiのアルバムもさらにこの先に期待させてくれるものでした。


・若手だけじゃなくて中堅~ベテランのソロ作も充実。中村一義がここでもろに『金字塔』的な作品を出してくるとは!初めて聴いた時泣きました。さかいゆうもR&Bからジャズ、ゴスペル、あとはもともとあったAORっぽい要素もミックスした素晴らしいアルバムを出してくれました。中田裕二、和田唱もさすがの出来映えです。この辺はどうも「シーンの風の後押し」みたいなものがないので、未聴の若い方はぜひ聴いてみてほしいです。


・日本のバンド関連ではやはりUNISON SQUARE GARDENでしょう。ポップに振り切った前作があったうえでのロックアルバムは、3人ですべてをなぎ倒すという構成ながらも優しさと包容力のある傑作になりました。パスピエが引き続き進化しまくっているのもすごいし、SHISHAMOはその情景描写とそれを色づける歌や演奏がどんどん深みを増していってて最高。オレンジスパイニクラブのback numberからandymoriまで視界に入ってる感じも楽しいです。あとCzecho No Republicに関しては個人的にはノーマークだったので、元々のセンスの良さは残しつつより風通しがよくなってて新鮮な驚きでした。形態としてバンドではないですがEveのアルバムもBUMP OF CHICKEN以降のバンド文脈の正当進化って感じで、「歌い手発」みたいな文脈抜きにしてよかったです。赤い公園はまたここから新しいストーリーが始まる!!っていう内容のアルバムで音的にもすさまじかったので、そこに違う意味づけがされちゃうのが残念。


・今年は世の中の流れに引っ張られてメンタルが不安定だったこともあってか、アルバムを聴いた時に「怖い」という感じでざわざわしちゃう作品が結構ありました。ROTH BART BARONは最初聴いた時「どこかに連れていかれるのでは…?」という感情になりましたが、今の時代のネガもポジも飲み込んだスケールの大きさは他の人たちには出せないなと…SAULTも何だこれ?と思いながら何度も聴いた作品。Fiona Appleも怖いけどついつい聴いちゃう、みたいな中毒性がありましたね。それとは逆に、ささくれ立った心にスーッとしみこんでいくタイプの作品にも助けられました。Gotchのアルバムからは「加齢していくことに対する勇気」みたいなものを感じた。ユカリサがはまったのもそういう今年のモードと関係してる気がする。


・ここ数年の自分内女性シンガーソングライターブームはちょっと落ち着いてきたかも?でもPhoebe bridgerは事前の期待を超えていってくれる内容でした。あと2020年はふとしたきっかけで聴き始めたUKのジャズの勢いを楽しみました。Oscar Jerome、Shabaka and the Ancestors、Moses Boyd、Nubya Garciaなどなど。ミュージックマガジンのUKジャズ特集と『ブルーノート・リイマジンド』の相関図はとても参考になりました。


・さかいゆうのところでもちらっと触れたゴスペル的なトーンは最近の自分の好み。PJ Mortonのゴスペル作はグラミーのノミネーションで知りましたが、今の自分のモードにあっていました。わりとオーセンティックなゴスペルを志向しているPJ Mortonに対して、GotchがすすめていたPeter CottonTaleはゴスペルがネオソウル的な解釈になってて超良い。この辺はもうちょっと体系的に聴きたい…


・「体系的に聴きたい…」で言うと、毎年そう言ってるのがいわゆる「ワールド」文脈。ガーナのSANTROFI、南アフリカとドイツの混成バンドのSeba Kaapstad、アルゼンチンのRodrigo Carazoなど、断片的にいけてる作品に出会ったのでこのベストに入れています。


というわけで、知っている作品は「そうそう、これいいよね!」、知らなかった作品は「今年こんなのもあったのか」、そんな感じで年末年始楽しんでいただけますと幸いです。毎年言ってますが、この時期は皆さんの年間ベストを見て知らないアルバムを聴きながら大掃除など年末の諸事を済ませるのが楽しみの1つ。

ではでは皆さま良いお年を。


もし面白いと思っていただけたらよろしくお願いします。アウトプットの質向上のための書籍購入などに充てます。