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助産師が産後うつになったお話。〜妊娠してから〜


あつい!
これを書きはじめた日、東京は29度。
まだ5月半ばだというのに...
先が思いやられます...

殿(息子のことです)を公園に連れていってあげたいけど、私が暑いの苦手なので足が遠のいてしまいます。
子育て中の皆様、真夏の外遊びはどうしていますか?



さて、今回は、妊娠初期のお話。

産後うつって、「産後」に何らかの原因があると思われがちだけど、

いや、それだけじゃない。

私の産後うつを語る上で、妊娠期のエピソードは欠かせません。
この回からは、産後うつの元凶となった、妊娠初期のお話をしていこうと思います。




妊娠初期のお話

妊娠してから有頂天だった私。
でも、そんな時間は長く続かなかった。

妊娠5週に入ってから、食欲が一切なくなり、頻繁にえずくようになった。
妊娠6週に入ったら、嘔吐がはじまり、固形物をほとんど口にできなくなった。
妊娠7週頃には、少量のゼリーすら吐くようになった。グリーンダカラだけ飲んでやり過ごした。

みるみる体重が減り
顔色も悪くフラフラ(だったらしい)。

でも、意地で出勤した。
「まだいける、なんとかなる!」
と自分にいいきかせ、体も心も弱っている自分にムチを打って、なんとか動いていた。

しかし、
そんなことが続けられるわけもなく。
毎日吐き気と闘いながら20分バスにゆられて、
なんとか職場にたどりつく。
やっと退勤時間になっても、休憩室で30分ほど横にならないと帰れない。
夜勤なんて、長すぎて耐えられず、ほとんど寝させてもらっていた。

あきらかに、機能していなかった。
給料泥棒だなって感じていた。

今までハツラツと仕事していた自分と、
今の「使い物になっていない」自分を比べて、
死ぬほど悔しかった。

でも、体は動かない。
つらい。しんどい。くるしい。

そして、とても孤独。

自宅に帰っても、
家事なんて一切できなかった。
テレビも見る気力なし。
家のあらゆる臭いが気持ち悪くて、
湯気で吐きそうになりながらシャワーをあび
逃げるように寝室で布団をかぶった。
でも吐き気で寝付けず、
疲れ果てて寝落ちした。
でも、朝目が覚めた1秒後から吐き気が始まる。

そんな日が続いて、
ー6kgになったのを最後に、
ついには体重計に上がる気力もなくなった。

さすがにもうヤバい。

夫が仕事中だったので、
一人でタクシーに乗って、分娩予約をとった病院へ救急受診した。
尿ケトン3+、重症妊娠悪阻で即入院になった。



翌日、入院になった旨を上司に連絡した。
心配してくれて、とりあえず長期休みをあげると言われ、安心した。

安心したからなのか、
悔しさからなのか、
電話を切ったあと涙がでた。

夫も仕事で疲れているのに、心配をかけた。
コロナで面会できないのに、荷物を届けるためだけに30分かけてきてくれる。

みんなにこんなに迷惑をかけるくらいなら、
「妊娠やめたい」なんて何度も考えてしまう。
そんな考えが浮かんでくることにも泣けた。

1週間の入院期間には、
24時間の点滴と、夫が差し入れてくれるフルーツジュースと、少しのそうめんを食べて過ごし、尿ケトンはマイナスになった。

正直、だるさと吐き気は全然良くなってなかった。でも、「仕事に行かなきゃ」「みんなにこれ以上迷惑かけられない」という焦る気持ちが強すぎて、担当医師に退院希望を伝え、退院になった。

でも、それからがさらに地獄だった。

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