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【平安NHK大河放映開始】平安絵巻は雅より権力闘争に満ちている

本格的に雪が降って来た。暖かな正月だと思っていたが、明日の朝は今季初の雪かきになるかもしれない。さて、今日から今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」の放映が始まる。最近視力の衰えが著しく、テレビはあまり見なくなったが、大河だけは欠かさずに見ている。このところ大河を通して改めてその時代をおさらいするようになった。多くの youtuber や podcaster 達がいろいろ調べて解説してくれるので、最近の歴史研究の動向も知ることができる。いい時代になったものだ。

 「真田丸」「麒麟が来る」「どうする家康」あたりは人気の戦国時代をテーマにしたが、新しい歴史的視点もあり脚本家のカラーも含めて興味深く楽しめた。「鎌倉殿の13人」は久々の鎌倉時代で、主演の小栗旬が黒くなっていく様は見ごたえがあった。武士が台頭し承久の乱で地位を確立するに至るまでの重要な時代を描いていた。そして今年は平安時代、紫式部が取り上げられる。日本は文字の確立が遅かったのか、文字で残る飛鳥時代以前の歴史的文献はほとんどない。平安時代には和歌や国風文化と共に平安文学が花開くことになる。この時期の物語や日記などで、当時の貴族社会の様子をうかがい知ることができる。平安時代は雅な貴族社会のイメージもあるが、中央では激しい権力争いが繰り広げられており、まだまだ社会基盤が未熟なため疫病や飢饉により亡くなる人も多かった。末法思想による厭世観、もののあはれなどマイナス思考も拡散し、決して明るい時代ではなかったと思われる。この貴族社会の乱れが武士の台頭を徐々に社会に浸透させていったのだ。

 今回のNHK大河ドラマは平安時代を取り上げた貴重な絵巻になりそうだ。ちょうど千年前の社会を今と比べてみるのも一興である。

【REG's Diary      たぶれ落窪草紙      1月7日(日)】


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