見出し画像

日本製鉄のUSスチールの買収

 アメリカ大統領選があと二か月に迫ってきた。一国の大統領選挙がこれほどまでに注目されるのはアメリカ合衆国ならではのこと、それだけ経済や産業、安全保障において強い影響力をもっているということだ。
 先日バイデン大統領が日本製鉄のUSスチールの買収に反対の意思を示した。USスチールは米国の第二位の鉄鋼会社だが、世界ではトップ20位前後。それどころか規模縮小を検討しているような厳しい状況だ。現在世界の鉄鋼業は中国企業がトップテンにずらりと名を連ねている。日本製鉄とUSスチールが一緒になるとトップスリーに食い込めるかもしれない。お互いにメリットのある、むしろUSスチールにとっては助けになる選択だと思うのだが、そんなに簡単ではないようだ。アメリカはUSスチールが日本製鉄の子会社になることを懸念している。アメリカ人のプライドを傷つけるということになるため大統領選を控えているアメリカには神経質なアイテムになっている。バイデン大統領の買収反対でUSスチールの株価は下落したのだけれど・・・。

 バブル期に日本の企業がロックフェラーセンターや米国大手の映画会社、メジャーリーグの球団を買収した時のことを思い出す。あの時も日本は経済的に相当いじめられた。でもあの時のような経済的な勢いは今の日本にはない。このところ少しずつではあるが、日本の法の順守を尊重する外交姿勢が評価されてきているだのだが、アメリカは同盟国の日本にも厳しい。

 中国が圧倒的な経済的進歩を遂げて、インドも発展し経済状況は20世紀後半とはかなり変化している。日本は小さな島国であり、資源も少なく、頼みの技術力も昔の様に突出したものは限られてきた。

 次に日本のかじ取りを行う新政権には目先のことだけでなく、長期的なことも考えて戦略的に国の姿勢を組み立ててほしいと願うばかりである。

 しかし、日本製鉄のUSスチールの買収は民間企業同士の話なのだけど、国の介入や大統領選への配慮もあり、国家の存在は世界的に今後も増々増大してきそうだ。
【REG's Diary       たぶれ落窪草紙   9月6日(金)】

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?