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#159:地震酔い

未曾有の東日本大震災の後、当時多くの人が、「目を閉じると何だか揺れている気がする。」とか、「書き物をしてずっと下を向いていると、気持ち悪くなってくる・・」という症状を訴えるようになりました。

このような症状は、『地震酔い』とか、『後揺れ症候群』などとよばれていて、乗り物酔いと同じようなもので、先の症状の他にもめまいや吐き気、冷や汗や手足が冷たくなるなどの症状も起きる場合があります。
この地震酔いの簡単な仕組みは、人間の脳には自分が過去に体験した加速度や回転(もちろん『揺れ』も)などの情報を蓄えておく機能を持っています。

東日本の大地震などのように、心に何の準備もない時に強烈な刺激を体験したりすると、自律神経が緊張する状態が長く続きます。
その緊張と、さらにまた余震が続くなどの不安な立場におかれて身体が過敏になっている状態で、目を閉じたり、下を向いたりする(または余震があった直後など)と、先のようないろいろな症状を引き起こしてしまうという訳なのです。

しかしながら、これら地震酔いによる症状は病気的なものではなく、体の生理的な反応なので、今後余震が沈静化すれば、たいていの人は自然に治っていくと思われるので、あまり重大に考えないで、現時点起こってしまったなら深呼吸などをして、なるべくリラックスした日々を過ごすようにしましょう。

古賀 直樹
▼中野坂上治療院のウェブサイト
http://www.nakanosakaueseitai.com

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