#93:食べてすぐに寝ると
昔はよく、「食べてからすぐに寝ると牛になるよ!」と注意されたものですが、この行為が最近では体にあまりよくない症状を引き起こすことがあるということがわかってきました。
胃食道逆流症といい、胃酸が逆流して食道の粘膜などに炎症などの影響を起こしてしまう症状で、胸焼けや呑酸などが自覚され、最近特に増えている疾患のひとつです。
原因としては、食生活が欧米化したことによる脂肪摂取の増加や、運動不足や高齢化による食道の括約筋の機能低下、そして食べてからすぐに寝る行為など、いくつかが挙げられます。
食道の括約筋圧や運動機能低下は、本来は逆流しないはずの胃酸が逆流するため、食道粘膜が胃酸にさらされて食道炎になってしまいますし、脂肪摂取の増加は胃酸自体の分泌過多になる傾向があります。さらにこれらの状況で食べてからすぐに寝てしまうと、食道は逆流してくる胃酸を完璧にシャットアウトすることはできません。結果、食道粘膜を傷つけ炎症を起こしてしまうのです。
この疾患を防ぐには、生活習慣の見直ししかなく、脂肪の摂取や大食いを減らし、食べてからすぐに寝たり、横になったりしないようにこころがけていきましょう。
古賀 直樹
▼中野坂上治療院のウェブサイト
http://www.nakanosakaueseitai.com
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