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リフォレスターが理想的に土育できる理由は特別じゃない土にあった。「土はインフラ編」

微生物にとって「土」はインフラだった

リフォレスターを試作する際に最も疑問だったのが
世の中に土ごと再生する方法があまり取り上がられていなかったことで、
土地があるのならともかく
ベランダでは一度植物が枯れてしまうと
残った土は捨てることもできないし、
残った土でまた植物を栽培しようとしてもうまくいかない。
とにかく、どうすればいいのか何もわからないというのが
当時の私の立ち位置でした。

リフォレスターのプロトタイプに行き着いたのは、
そんな中で、捨てる野菜くずを使って土ごとどうにかできないか
という視点に立ったからで、上手くいくかいかないかはわからなくても、
誰もやっていないなら、思いついたコトッをやってみればいいと
覚悟を決めたからでした。

あれから4年。
リフォレスターのおかげで我家のベランダデスバレーは
緑豊かな秘境(は言い過ぎか)に変わり、
夢の菜園ライフをエンジョイしているわけですが、
やってみたからこそわかったのは、
微生物にとって「土」というものが
人間の生活で言えば、
衣食住に関わるハードウェアとしてのインフラだったということです。

コウサイタイの下で冬越させたみょうがが芽を出す

オキテ破りは案外そこいらの土


リフォレスターでは、様々な園芸残土を
植物が育つ土に育てるわけですが、
これは常識的には考えられないことかもしれません。
なにせ、我が家の園芸残土ときたら、
培養土の土、鹿沼土、赤玉土、
多肉植物の土、砂、炭、ヤシ繊維の土、軽石、鉢底石
これらを全部ひとまとめにしているわけですからね。
「オキテ破り」も甚だしい。

でも、正攻法から外れた土の集まりは、
よく考えたらそこらへんの土と大して変わらない。

例えば、公園の土は全部内容度かといえば、そんな訳はなく、
では何とかいうカテゴライズされた土かといえばそんなこともなく
強いて言うなら「はじめからここにあった土」ですよね。

例えば、新興住宅の庭の土は何土かといえば、
これはほとんどが何処かから持ってきた何土かわからない盛土なわけで
その土の出所なんて、盛り土をした業者にしかわからない。

家庭菜園をされているみなさんは、
「土」であれば何でも育つものだと考えてなにか植えるけど、
案外野菜の育ちが悪くてその理由がわからずに、
「プロじゃないからこんなもの」とか、
肥料や農薬をまいて改善を図っていないでしょうか。

ベランダで山積みされる使用済の土も、
これら公園や住宅地、路肩の土と大して変わらない。
だからこそ、この土で何とかできたら
それはすごいことだと考えたわけです。

建売住宅の庭で植物が思うように育たない理由の多くは
土が痩せているのは微生物が少ないから、
土が硬いのは隙間がなくて、新しく空間が出来もしないから
家庭菜園については、もしリクエストがあれば
書かせていただこうと思いますが、
微生物に関しては
リフォレスターでも参考になるところがあると思いますので
引き続き呼んでいただいたり、いいねしていただけると
とても嬉しいですし、励みになりますので
よろしくお願いいたします。

行灯仕立てにするため横向きに倒して定植したのに
一晩でまっすぐに戻ってしまった。どうしよう。

「土」は微生物にとってのインフラとはどういうことか

リフォレスターはとにかく野菜くずの分解が劇的に早いのですが、
その理由について何がどう作用しているのかについて
これまで観察と実験を続けてきました。

結論として細かな鉱物としての土は基本的に増えてはいないけれど、
見た目の「土」容量は増減があること。
育てた土はもとの鉱物の土の約2.5倍位まで増やすことはできるけど、
せいぜい2倍くらいまでが土の状態として安定していること。
がわかってきました。

それと、野菜くずの投入方法や、土をかき混ぜる回数でも
土化するまでの時間や状態に無視できない差が出ることもわかっています。
その理由の一つがyoutubeの動画で「カルスののろい?」として
解説している微生物の特性による遅延です。

もう一つは動画にしていないのですが、
カルスののろいのおかげでわかった
微生物の住所というか家、なんです。

先ほど書いたように、リフォレスターにいれる野菜くずが、
一番効率的に分解するのが野菜くず全体に土をまぶした上、
表面もツッチで覆うようにした場合なんです。
さらに、2〜3日に1回程度土を掘り返したり、かき混ぜることによって
分解スピードはさらに上がります。

野菜くずの表面に微生物をまとわせるだけでは
同じパフィーマンスが発揮できないことから、
微生物が分解活動をするためには微細な鉱物である「土」が
重要な役割を持っているという証明でもあります。

では「微細な鉱物」は実際何の役に立っているのか、それは
・野菜の表面にかすり傷をつけ、微生物のための表面積を増やしている
・微生物は鉱物のランダムなくぼみに張り付き、
 定住はしないがすみかとしている
・鉱物は重さがあるので、箱の中でコンマ何ミリやそれ以下であっても
 崩れを起こす。この崩れを利用して微生物は移動している。
・同じように、微生物の分解の過程で土の温度や湿度の変化から
 鉱物は崩れを起こすので、それに合わせて微生物が移動することで
 さらに野菜の分解が進む。
・土の撹拌は微生物と鉱物の異動範囲を助け、
 野菜に新たな傷をつけるのでさらに野菜の分解が進む。

逆に、微生物にとって食べかすである植物繊維の破片は移動の足がかりとしては心もとなく、微生物が入り込む傷も作られないことから、
微生物で土育するなら「微細な鉱物である土」が必要だと言えるのです。

実験結果はそうだった。

さらに鉱物の利点は「冷たすぎずに冷たいこと」です。
そもそも石は凍らないのである程度温度が下がったとしても
下がり続けることはなく、逆に温度を上げるほうが難しいため
微生物にとっては限りなく
セントラルヒーティング&クーリングな住処であるわけです。

まだあります。
ごちゃまぜの土だからこその利点として、
いろんなタイプの鉱物が混じっていれば、
鉱物の違いによって微生物の棲み分けができることにあります。
寒さに弱い微生物はハイドロボールに。
暑さに弱い微生物は多肉植物の土に含まれる晶石(クリスタル)に。
水分多めが好きな微生物は鹿沼土に。
という感じで、様々な微生物に対して住まいを提供できます。

これらのことから
「土」は微生物にとってのインフラであり
微生物を使った土育には多様な土のほうが適している
と実験結果は物語っているというお話でした。

実はこの特性が、野菜栽培でも重要な役割を果たすのですが
長くなってしまったので、続きは次回にお話しましょう。

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