リフォレスター1号器での「ややマッド」な微生物分解実験の話。その2
リフォレスターで腐葉土の謎に迫る
リフォレスターの微生物は、
日常生活で出る乾燥した植物繊維、食物繊維、
つまり、ナッツの殻や期限の切れた植物系の乾物、
お米や麦、コーヒーガラ(深煎り)は難なく分解することがわかりました。
そうなると、次に気になるのが「乾燥した植物の範囲」が
どこまでなのかです。
子育てをしていると、
特に子供が幼い頃は
木の枝やどんぐり、松ぼっくりを拾ってくることがあり、
それは良いのですが、
拾ってきたものを「捨てる」ことが案外難しかったりします。
長い目で見れば処分を気にすることもないのでしょうが、
子供の執着がなくなるまでは案外扱いに困ったりもします。
その頃のことを思い出して、
あちこちの公園を回って松ぼっくりや何種類かのどんぐり、
硬い紅葉樹として欅の枝、イタヤカエデの葉などを集めて
これらをリフォレスターに入れてみました。
処分に捨てるのではなく、土に再生する材料として
使うという選択肢が加われば
幼い頃からSDGsを学ぶ一つの方法に変換することもできますから。
リフォレスト的には
乾燥した植物なので2ヶ月のうちに分解しましたが、
ふと、思ったのです。
「松ぼっくりやどんぐりや紅葉樹の枝葉」を入れると
少なからず土が汚れるような印象を持ってしまいますが、
これって、特別おなしなことだろうかって。
どんぐりなんかは栄養価も高く、
生ハムで有名なイベリコ豚は肉質を良くするために
どんぐりを餌として食べさせたりしますし、
先祖を遡って縄文時代の人間がどんぐりを食べていた事は
小学校でも教わります。
現代の食生活に上らなかったり、
家の外で外気に触れるものに抵抗感を感じてしまっているのか、
固有名詞がついている「物」と意識するから
違和感を持ってしまうのか。
都会に染まってしまっているだけなのか、
親として暮らした時間が長かったからか、
こんな違和感を持つ自分を自覚してちょっと青ざめてしまいます。
よく考えたら、こういった植物を発酵させたものが
「腐葉土」なのだとしたら、
汚れるどころか、土にとっては理想的な植物素材なはずなのに.....。
ちょっと待って。
そういえば、秋になると家庭菜園をされている方々が
落ち葉を畑に蒔いたり土に漉き込んだりするのをよく見かけますが
あれも同じ腐葉土素材ですよね。
違和感を持つ自分をまず反省しないといけませんでした。
ところで、腐葉土とはそもそも何なのでしょう。
改めて考えると、よくわからないものだなと思います。
冬になって道のあちこちで落ち葉の吹き溜まりを見ると
土の上の落ち葉も乾燥して細かくなってはゆくものの
落ち葉は全て地面に落ちれば
自動的に腐葉土に変換するわけではありません。
乾燥して水分が抜けきっているからこの状態なだけで
雨が降れば発酵し始めると考える事もできますが、
では、枯葉に水分を与え続けたら腐葉土になるのかといえば
そんなこともなく、
ただ水分を含ませただけの木の葉は腐って溶けるだけ。
「落ち葉」ってだけではただの材料にしか過ぎないように見えます。
落ち葉を発酵させているものが腐葉土だとして、
「発酵」するために必要なものって何でしょう。
身近なところでは森や林で見ることができますが
森や林の腐葉土は、より複雑で多様な匂いがします。
近づいて観察すると匂いの元となるものは
きのこ系の菌類や
湿気、水分と共に発生する地衣類、
働き者のダニ類、トビムシ類などの分解者によって発生するものです。
これらの分解者が多く含まれている事で農産物に良い効果がある
とされているようですが、
私は腐葉土の効果には懐疑的で
悪いとか意味がないとは思いませんが
ベランダでの植物栽培には向いている感じはしないと思っていました。
一番の要因が「キノコが生えること」で、
プランターや鉢に植えた植物が枯れてしまう前には
いつもキノコが生えていた事にあります。
とはいえ、落ち葉や小枝、どんぐり、松ぼっくりは分解する前に
必ず「腐葉土化する」と思い込んでいたので
実際に腐葉土化して、キノコも生えてくるのかを
検証したいとも思ったのでした。
リフォレスターでは「腐葉土」はできなかった
腐葉土の再現の一つとして育てて枯れた猫草も土ごと
リフォレスターに投入してみましたが、
結果として、全て分解できたのですが、
腐葉土にはならなかったし、腐葉土もできませんでした。
これまで、何度も書いて来たように、
リフォレスターでは発酵後はいきなり土化するため
きのこ系の菌は全く発生せず、微細昆虫も発生ほぼ見つかりません。
植物の大きな繊維もなくなるのに、土はふかふかという、
みたこともない黒っぽい土に仕上がるのです。
ふかふかな土の謎は深まる
私の中で「腐葉土=ふかふかな土の素」
という神話が崩れ、
「分解=腐葉土」という式もマストではないことがわかった時点で
出来上がった「ふかふかな土」の謎は深まります。
以前、満州開拓団の方達が絶賛した黒竜江省の肥沃な土と
似ているリフォレストした土。
3年目に入った今でもリフォレスター1号器、2号器の土は
おどろくほどふかふかしています。
このふかふかの土の状態、土の世界を深く考察するのですが
その答えの一端は、2年目の夏野菜の栽培中に知ることとなりました。
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