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雅子 『大空のラブソング』

ユーカラ企画第5弾 ご依頼者 雅子さま


生まれた時から抱いていた 違和感 は
もしかしたら
この世界という小さな箱に収まりきれない
わたしの大きな魂の送った
モールス信号だったのかもしれない

違和感 という小さな痛みの正体が知りたくて
わたしの毎日は
切実な
本当の家族さがしごっこで始まった

わたしはいつも探し回った
真っ暗になるまで
本の中や
心の中
スーパーのお菓子売り場や
公園の草むらを

そしていつでも
知らずに狼煙を上げていた
言葉が通じる家族や仲間
わたしのように大きな魂を持った同士に

わたしは此処よ!
早く見つけて! 
と。


わたしの魂は大きいだけではなくて
いいことも悪いことも
なんでも身体で試してみる好奇心とエネルギーの塊だった

「なんでそんなことをするの?」
なんて聞かれてもそんなことは知らない
それはわたしがこの世界にやってきたことと同じくらい
当たり前のことだった
そうしたかったから!

皆がどこかに置き忘れてきてしまう
裸のままのわたしだった


わたしの魂はとても敏感で
大きくなると余計に
いいものも悪いものも嗅ぎ分けた

という今世の役割を
自分の目と他人の目から守るために
無自覚に
強固な見えない鎧を纏って生きていた
きちんと正しい動きを学ぶまで

そして強かったわたしの魂は

男だ女だ と
浅はかな言葉を口にして
神聖な性の宮殿を
汚れた手と足で踏みにじろうとする愚かな輩が現れると
容赦なく鉄槌を下したくなった

勿論、大きな魂の者は
そんな風には動かない

尊い怒りは
力任せにぶつけてはならないと知っていたから


わたしたちが
この世界に誕生するための扉は
種を撒く男という鍵と
身体という大地にそれを含み
生み出していく女という鍵穴とが要る
と神は決めた

神さまはきっと
その二つの性に
あらゆる聖と精を込めたのだ

そしてSEXは
自分が
相手が
生きている歓びを感じ合い
与え合う愛の交流で
その証としての命を生み出す
決して蔑まれるものであってはならない

なのに
この世界は幼すぎて
あまりにもその宝を理解出来ない輩で溢れている

わたしの気高く強い魂は
とても痛くて苦しかった

沸き起こる高潔な怒りという嵐は
もっと高みから
効率よく振り下ろされなければならない

どこかで知っていたから
それが神聖であればあるほど

神が
この大きな魂を持てるわたしを
この世界に送ったのは
それを見つけさせるためだったのではないか?

いつも絶妙なタイミングで
わたしに道を示し
逢うべく者に出会わせた神の

驚くほどドラマチックな策略

でも神さま

こんなわたしでも
小さなこの世界に馴染めない日々に心痛めて
涙の海に身を沈めることがあったのは
ご存知だろうか?

苦しかったのだ
消えてしまいたいほどに


いえ、神よ!
あなたは知っていた

わたしがいつか
このストーリーの中で
涙の海の底に隠されている真実を見つけ出すことを

その力がわたしにはちゃんと有る、ということも。

そしてあなたは知っていた
大事なことをもう一つ

わたしが
このあまりにも小さくて
あまりにも幼いこの世界を
そしてその中でも
それはそれは小さなあの家族を
心から愛してしまう
ということを

だからわたしは痛みを持った
違和感
という名前の

大きな物語はいつも
小さな一粒の愛から始まると
教えるように

壮絶な苦しみの夜を超えて

わたしは今
この涙の海に抱かれながら
それがもう
悲しみの涙ではなく
嬉し涙の海であったことを知っている

わたしは
生まれるべきところに
居るべきところにいたのだ?!
ずっと。


聴こえてくるのは大空のラブソング
神からの伝言。

わたしがこの壮大な物語の
一部である歓びを

今 
かみしめている


#あなたの詩
#ご依頼者の人生を詩に

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