mariko『白いうさぎ』
ユーカラ企画「あなたの詩」第6弾 Mariko 『白いうさぎ』
幼い頃の枕もとには
いつも白いうさぎのあの子がいた
あの子はぬいぐるみ
と呼ばれていたけど
わたしの中ではちゃんと生きてて
今日も世界が閉じる瞬間
間違いなく明日も来るのだと
教えてくれるわたしの大事な分身だった
わたしはいつも
透明でキラキラした綺麗なものや
柔らかい真っ白いうさぎのような優しいものが好きだった
御伽噺も
ピアノも
そして人も
幸せに繋がる気がするから。
そしてわたしにはちゃんと
そんな人たちが集まった
だから神さまは
わたしに
あのあどけない可愛い息子を
届けてくれたのだ
柔らかい真っ白いうさぎのような子
大事なものを壊さないための
距離を取るのが上手なわたしは
そうやって
大切な友や人や仲間も
そっとそこに置きながら
互いに傷つけることなく
繋がり続けている
わたしはわたしのままで
その人はその人のままで
そう居れることが
生かし合うことだとわかっているから
時には
その白い線を飛び越えて
この両手で引っ張ってやりたい!
と
激しく熱い心が疼くけど
それはやらない
その道は
彼や彼女が進むべき道で
誰のものでもないからだ
わたしがどんな辛い時も
わたしであることを止めずに
わたしの道を歩き通したように
みんな自分の足で歩いて行ける
誰もが願う
幸せな場所へと
わたしはそれを知っている
わたしはそれを祈っている
そしてきっとそれが
最良のプレゼント
今
こぼれ出る愛を謳うショパンの調べにのせて
わたしは静かな微笑みと共に愛を贈るわ
愛する息子よ
あなたに
あなたはあなたのままで進みなさい
それは
神さまがくれた
祝福の道なのよ
語り終えた後で
わたしは知る
その言葉が
そのままわたしへと
贈られた言葉だと
柔らかい真っ白いうさぎは
不安気に見える赤い瞳の奥に
決して消えない芯の強さを灯して
今日も 生きている
安心と幸せを抱いて
わたしの中に
🍋『あなたの詩』第7弾
🍋『あなたの詩』第5弾
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