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小鳥 『This is Me! 』

ユーカラ企画「あなたの詩」 第7弾ご依頼者 小鳥凛檎様 


むかし

わたしの湖は
真理の見えない者たちの手に依って
冷たく
分厚い氷の蓋で覆われていた

それは
世間という名の
彼らの小さな空から見れば
統合性が取れた
完璧で美しい世界であったに違いない

蓋の下で
聖なる嵐が巻き起こり
その抑圧の蓋を打ち破ろうとしているのを知る由もなく
彼らは満足し
わたしを いい子 と呼んだ


氾濫は静かにやって来た

わたしの中に
無自覚に。

わたしの心の耳は
彼らに依って塞がれ
何かがおかしい・・・?!
と疑うことすらできないでいたから
大きなうねりが生まれ
わたしの重石に亀裂が入った時
みな 大きく動揺したのだ
この わたし自身でさえも

それが
魂の旅の始まりを告げる合図
本物の
心臓の鼓動が放った一撃だとも気づかずに

変化は
大きな痛みと共に訪れた
近づいては遠退き
遠退いては襲っで来た

激しく 激しく 激しく!

命が生まれる時にやってくる
あの壮絶な痛みのように

繰り返し 繰り返し 繰り返し!

わたしは
もう一度
生まれる必要があったのだ!

激しい痛みと不安の中で
わたしは知った

彼らがわたしの中に見ているものを

いや
そもそも
彼らはわたしを見ていなかったのだ ということを

彼らには
目が無い

真実と愛というものを見つけることが出来る目が

彼らは知らない
自分たちの知らない喜びや幸せがあることを

彼らは慌て
眉を顰めた
手を差し出すことすら出来ずに

わたしは彼らから引き剥がされ
痛みと不安と孤独の中で
初めて自分に 怒りと欲求を感じることを 許した

そして知った

自分が誰で
何を欲し
どこに向かいたいのかを

あれほどどこかで恐れていた怒りや欲望が
実は命の望む方向を指し示す羅針盤だと
誰が気づくだろう?
特に
目や耳や
口をもぎ取られていた者にとって

でも
わたしの魂は知っていた

本当のわたしはこれじゃない!

もっと大きく 独創的で
もっと自由で 彼らの予想を遥かに超えて日々変化する 
素晴らしい生きもの

それがわたしだ!

本来
わたしたちに与えられた 命そのものであり
彼らの
小さな器に閉じ込められるような存在ではないと

わたしの魂は
ずっと
口を開かれるのを待っていたのだ!

大きな力を与えられる者は
いつも大きな試練を与えられる

そこを潜り抜けねば
大切なものを見つけることも
それを掴み 伝え授ける力も得られないから

それと気づかずに
痛みと恐れと怒りに潰されそうになりながら
わたしは友や師の声を
遠くに微かに
しかし確実に聴き
この身に刻み付けていた

それが
わたしをもう一度生かし

この世界に 立たせた

生き抜いた
わたしを
わたしは心から褒めてやりたい

そしてわたしは今 気づき始めている

わたしのこの苦しみと痛みの嵐が
魂の声と繋がる手を
授かるためのものだったと

わたしの手は
魔法の手だ

夢を形にして
色を与え
生き生きと動き出させることで
皆の目を覚まさせる手

わたしの差し出す色は
パレットの上にあるのではなくて
小鳥のさえずりや
吹いている風
バラの甘い香りの中にさえ見つかる

わたしの手は
歌うように描き
遊ぶように型取り
踊るように組み立てる

それは
子どもや
むかし子どもだった人たちの心を魅了し 揺さぶってしまう!

だから皆は
わたしの側に居たがるのだ

自分も
こんな風になりたい!
と。

わたしの手は
神の手なのだ

そう
あなたと同じように!!

わたしはそれを伝えたい!

あなたの持つその手は
神によって与えられた
神さまの手なのだ

潰すためじゃなく
生み出し
育み
命を吹き込むために与えられた

遠くで唸る雑音を笑い飛ばして
わたしの元へおいで

わたしの掌の上で
あなたの その手を 感じてみて!

あなたの手は
あなたの心と
天に繋がっている

だから思いもよらぬ素晴らしいものを
生み出していけるのだ

あなたの中に
まだ 見たこともない
心踊る世界が眠っているのを 知ってほしい!

わたしは伝える

言葉ではなく 
生きる姿で 
その作品で
それらが放つ 歓びの光で

わたしは生きる

転んでは立ち上がり
何かを掴むためにまた転ぶ
その中で大切なものを見つけるのだと教えながら

時に激しく あなたたちを驚かせ 
幸せに裏切ろう

時に静かに あなたたちを安心させ
柔らかく包もう

わたしと共に その手で生み出すことで
あなたはあなたを知り
きっとわたしを知るだろう


わたしのこの手で
あなたの手を翼に変えてあげよう
あなたの世界を自由に飛び回れるように!

小さな そして 大きな子どもたちよ

あなたの手が輝くのを
わたしは ちゃんと

知っている


#あなたの詩
#ご依頼者の人生を詩に
#人生は物語

🍋『あなたの詩』第8弾


🍋『あなたの詩』第6弾


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