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LCCとFSCって何が違うの?? 後編

こんにちは、Ree Stoneです。
前編に引き続き、LCCとFSCの違いを解説していきます!
よろしくお願いします。

前編はこちら


3.LCCって大丈夫なの? 

前回、LCCのコストカット策を紹介しましたが、
「これで本当にあの安さが実現できるの?」
「本当は整備ケチったりとか、安全基準が少し緩いんじゃないの??」
とお思いの方もいるかと思います。
確かに、セール時の激安価格を見ると、古くて安い飛行機を使っているんじゃないかとか、燃料に安いものを使っているんじゃないか、と思われる方もいるのかな、と思います。
ですが、LCCもFSCも安全基準は一緒で、整備や機材をケチっている、ということはありません。

そもそも民間航空の安全基準は、国際的な取り決めや、それを基に各国が定めたものがあり、それらはかなり厳格に定められています。
会社の方針は違えど、どの航空会社も守らねばならないこと、それが安全です。

その点で言えばLCCはむしろ余計な整備をしなくて済むように、中古機をあまり使わず、新造されたものを積極的に使っています。
例えばピーチが2012年の就航時に導入した飛行機は新たに作られたものでしたし、その飛行機はすでにピーチを離れています。

勿論、法令で定められた定期的な点検はしっかり行っています。
それらを行った際に不具合や部品の劣化が見つかりにくいのは、勿論造られて時間の経っていないものですよね。

実はLCCはFSCの子会社として設立されることが多く、整備や荷積み・プッシュバック(飛行機が出発する際に特殊な車両を用いて駐機場所から押し出す作業)といったグランドハンドリングと呼ばれる作業を、親会社であるFSCの関連会社が行っていることが多くあります。
ピーチはANAの子会社ですし、ジェットスター・ジャパンもJALと豪カンタス航空等が出資しています。
ジェットスター・ジャパンに関しては、JALが出資比率を50%に引き上げるという報道がありましたね。
しかも元々ジェットスターもカンタス航空出資のLCCとして始まっています。

今年6月に、ジェットスター・ジャパンが運航乗務員の確保が困難であることを理由に、減便を行いましたよね。
これも、LCCが安全である証左となる出来事だと私は思っています。
というのも、これは8月の繁忙期に備え、乗務員のシフトや有給を考慮した結果起きてしまったと考えられます。
どこかで減便してしまってでも、繁忙期に滞りなく、安全に運行できるよう、従業員に無理強いをしない。
確かに利用客は影響を被りますが、それを厭わず実行したジェットスター・ジャパンに、私は好感を抱いたほどでした。

ただ、世の中すべてのLCCがそうというわけではなく、格安の古い機材を短期間で使い果たし、さらに格安の古い機材を入れてコストを下げるという方針の会社も存在するようですし、過去にはそういった方針で人命が失われる事故を起こしてしまった航空会社も少なからず存在します。
日系のLCCは基本的に問題ないと思われますが、外資系のLCCを使用する際、不安なら一度調べてみたほうがいいかもしれないですね。(LCCに限らず、聞いたことのないキャリアを利用する際は常にオススメしますが...)

ではこの章のまとめです。

・LCCもFSCも関係なく安全基準は同じで、国際的にも各国毎でも厳格に定められている・むしろLCCの方が新しい飛行機が飛んでいることが多い、という点では安全的に優位
・LCCはFSCの資金で設立されることが多く、整備や出発業務を共通化することで安全性とコスト削減を両立していることも


4.LCCとFSCを使い分けるポイント

ここまでLCCの解説をメインにFSCとの対比を交え解説してきましたが、今一度LCCの特徴についてまとめましょう。

・運賃が劇的に安い
・都市部から離れた簡素な作りのターミナルを使用
・同じだったり、似たような飛行機の、比較的新しいものを使っている
・預け手荷物や機内ドリンク等のサービスすら有料
・座席間隔が狭い


一方のFSCの特徴もまとめてみましょう。

・運賃が高い
・都市部に近い空港にも数多く就航している
・様々なサイズの飛行機を持っており、路線網も充実している
・手荷物を預けられるのは当たり前、座席のクラスや利用頻度によっては出発前にラウンジの利用も出来、サービスが充実している


まとめて比べてみると、違いがよくわかりますね。
この違いから、私がLCCとFSCを使い分けるポイントとしてあげるのは、

・搭乗時間
・利用シーン
・気分

の3点です。
それぞれ解説していきましょう。


・搭乗時間

これに関しては国内線と韓国・台湾といった近距離国際線、東南アジア以遠や欧米路線といった長距離国際線で大まかに分けられると思われます。
正直私は、2時間を超えてくると、LCCの少し窮屈な座席だときつくなってきます。
これはあくまでも個人差があるので一概に言えないですが、私はLCCの利用は韓国・台湾までをオススメしています。
それ以上の路線だと、やはり体勢を気軽に変えたいですし、通路側でないと御手洗いに行く際もなかなか大変です。
ましてや、通路側の人が寝ていたら尚更ですよね。
どうしてもそういった可能性を考えるとストレスになってしまうので、高くてもFSCをオススメします。

私は以前、ベトナムに行く際に中国南方航空という中国のFSCを利用しました。
行きも帰りも経由便で、移動に一日を要してしまいますが、往復いくらだったと思いますか?


なんと、諸税込みで¥42,000ほどでした!
個人モニターはなく、座席間隔もANAやJALの国内線並でしたが、機内食も出て、ドリンクにアルコールもあり、とても満足できました。
中国経由で欧州便もあるので、そこまで神経質でない方には中華系の航空会社は安くてオススメです。


・利用シーン

プライベートとビジネスでLCCとFSCを使い分ける、というのは定石になりつつある、と思います。

旅行では移動費を安く抑え、旅先でのグルメや宿泊先、アクティビティに抑えられた移動費の分を充てる。
ビジネスだと会社が移動費を持ってくれることが多いので、効率的に時間が使え、移動の疲れも少ない、都心に近い空港から出るFSCを利用する。

他にも、仕事終わりに飛行機に乗って宿泊地に行き、翌日から効率よく旅行を楽しみたい場合も、都心に近い空港を利用することになり、自ずとFSCを利用することが多くなるなると思われます。

また、飛行機に定期的に乗る機会がある方は、マイルを貯めていることが多いので、FSCを利用することが多いのではないでしょうか。
LCCでも有料会員になることで、会員特別価格でチケットを購入できたり、有料サービスも無料で受けられたりしますが、やはりFSCのマイルを貯めて特典航空券で旅行をしたり、ランクを上げてラウンジや優先搭乗の権利を得ることは魅力的ですよね。

LCCだと目的地が就航先としてないということもありますし、「どちらかでないと出来ない」ということは多々あるので、状況に合わせて可能性を広げて使い分けられるといいですね。


・気分

以上2点述べましたが、個人的にはやはりこれがどちらを使うか悩んだ際、動機として一番大きいと思います。笑

「ほんの2時間弱とかだし、少し早起きして成田まで行ってLCCでもいいや」と思うときもあります。
一方で、「結構割引利くチケットあったし、少しでも楽に行ける空港から行きたいな」ということで、FSCを利用することもあります。

他にも、「たまにはLCC/FSCを利用してみよう」とか、「頑張った自分へのご褒美に、少しリッチな座席で旅行しよう」ということもある、はず、です...!

諸条件などを考慮して、どちらとも決めかねるときは、やはりこの「気分」が最後の決め手になるのではないでしょうか。


では、この章のまとめです。

・飛行時間に合わせて、機内での状況を想像し使い分ける
・長距離便は御手洗いや体勢を変えたいことを考えると座席間隔に余裕のあるFSCがオススメ
・旅先で食事やアクティビティを楽しみたいならLCC利用で移動費を抑えるのが◎
・マイルを貯めたいというときはFSCかな
・最後は気分!どちらも良いところがある



第4章は当たり前のことや感情論になってしまい申し訳ありません...
ですが、どちらも良さがあり、色々な航空会社に乗って頂きたい、というのが私の想いです!

最後に、前編と合わせてのまとめです。

総まとめ

・LCCはサービスを有料化したり無駄を削って運賃を安くしているが、安全には手を抜いていない
・FSCはサービス料込みで高めの値段になっている
・LCCはサービスの選択が出来、FSCはより快適かつ効率的に移動することができる
・LCCは安いだけが魅力ではない、FSCも総合的に高い料金を払うだけの価値がある


それぞれに長所があり、魅力的なので、読んでくださっている方には是非とも食わず嫌いをせず、どちらも使ってほしいと思います!
これからも飛行機の魅力を発信していけたらと思うので、どうぞよろしくお願いします。

ここまで読んでくださってありがとうございました!

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