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転職25回 〜7回 Vol.1〜

前回までのあらすじ

・新卒でブラック企業に就職したものの、約2ヶ月で退職。
・IT企業に就職するも、借金返済が追い付かずに退職。
・ソープランドに転職。過酷&ハイリスクなので退職。
・ボッタクリヘルス店。天才的詐欺師の才能を発揮するが1日で退職。
・イメクラ勤務。風俗嬢Tちゃんとの同棲を解消しボロアパート暮らし。退職。
・探偵に憧れて、なぜか警備員。飽きて退職。
・高給に釣られてケーブルテレビの飛び込み営業。心が折れて退職。

さて、一流の探偵になるために一流の人間になろうとしたものの、早くも挫折をしてしまった所から話はスタートです。

前回も書きましたが、借金返済ができなくなり3年間勤務したIT企業の正社員を辞めました。
ところが何の因果か、派遣社員としてIT業界に逆戻り。
パソコンの画面とニラメッコの日々が再びやってきたのです。

ここでの仕事の話は、正直なところ別に何もありません。
ごくごく普通の、IT系派遣社員がやりそうな簡単なIT系お仕事です。

あまり具体的には書けないのですが、ここは某企業の顧客情報管理センターでした。そこがお引っ越しをすることになったので、データの移行を行うために雇われたのです。
作業としては非常に簡単で、顧客データをDATと呼ばれるデジタル式カセットテープにひたすらバックアップします。あとは、UNIXでコマンドをカチャカチャやってた記憶がありますが、もう全然覚えていません。
ここの仕事は、「引っ越しが終わるまでの短期間」という事もあり、最初から同僚たちと距離を置いていました。ちょっと失礼な話ですが、IT系ということもあり、独特な性格の方々が多かったので絡みづらかったのも事実です。なので、誰かと飲みに行く事もなく、休日に遊びに行くこともなく、ひたすらビジネスライクにしていました。
それに、前職の飛び込み営業で蓄積された精神的ダメージがあったのでしょう。相変わらずの借金生活だったので、気晴らしのバカンスなんか行けませんでしたからね。

ここまで書いていて改めて思ったのですが、やっぱり刺激的な事は何もありません(笑)。

まぁ、当時もそんな気持ちになったのでしょう。
半年ほど経ち、このデータ管理センターを辞めました。引っ越しは完了しておらず、まだ働く事は可能だったのですが、派遣契約を完了させたのです。
辞めた理由は、つまらなかったから。←もちろん、酷い社会人ですが20年前の事なので勘弁してやってください。

それから、飛び込み営業で被った精神ダメージもパソコンをカチャカチャやっている内に癒えてきたのでしょう。一度は諦めそうになった「探偵になる」という夢がムクムクと復活してきたのです。
探偵になりたいのでしたらサッサと探偵社の扉をノックすれば良いのですが、当時の自分は「探偵になるには、どんな事も知っていて、どんな事もできるスーパーな人間にならなければいけない」と勘違いをしていました。前にも書きましたが、後年、念願かなって探偵になったときに「ずいぶんと遠回りをしたな…」と感じたので間違いありません。
とにかく、当時は探偵になるためには、まず豊富な知識と経験とスキルが必要だと思っていたのです。

そんなとき、このデータ管理センターを出入りしている業者さんに気が付きました。
それはバイク便。
私の中で、何かがビビっと来ました。
実は専門学校を卒業する前に、普通自動二輪免許(当時は中型自動二輪免許と呼ばれてました)を取得していたので、400CCまでのバイクに乗れたのです。なので、バイク便として働くための条件は揃っていました。
よし、あれをやろう。バイク便のスキルと経験が、探偵になるために必要だ。そう直感しました。
こうしてUNIXをカチャカチャしているだけの屋内での快適なお仕事から、東京砂漠をバイクでブンブン走り回るバイク便への転職となったのです。
その話は、また次回。

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