目を閉じることは許されない「梟-フクロウ-」映画感想
人は目の前で起こったことに対してどう振る舞うか。市政の弱き一市民である以上「見て見ぬ振り」をするのかそれとも「立ち向かう」のか、それを考えさせられる映画だった。
盲目の針師ギョンスは針の宮廷の医局として仕えることになり、そこで針の腕を買われて清国から帰国した世子様(王様の長子)と心を通わすことになるが、朝鮮王朝の国の方針を巡る争いが起こり、世子殺しの陰謀に巻き込まれていくことに…。
ギョンスは宮廷に仕えるにあたり何を見ても見ぬふりをして「はい」と答えればいいと教えられていた。
世子様の病に対しても「よく物事を見過ぎる」「時には目を閉じていた方が良い」と進言するが、逆に諭されて暗闇では実は目が少し見えるというギョンスの為に拡大鏡や病気の弟に対しての薬などの大恩を受ける。
その世子様暗殺をまさに「目撃」してしまったギョンスはそれまでの「見てみぬ、聞いて聞かぬ」をかなぐり捨てて立ち向かう。
弱き民草でしかなかったギョンスが世子様の優しさ、解明的な姿勢に触れて巨悪に立ち向かう姿が、何か幕末の志士の様に思われたのでありました。もしくはやむにやまれぬ思いといいますか。
ラストはファンタジー色が強いなぁと思いつつ、必殺仕事人の様なラストまで見事。