参議院選挙選挙区予想東京編(5/29)

山本太郎氏や乙武洋匡氏の出馬でカオスになってきた東京選挙区。今回は東京選挙区を過去の結果から予想していこうと思う。

1.これまでの参院選東京選挙区

現在の政権与党と野党第一党立憲民主党の源流の民主党の構図になった2001年参議院選挙までを遡ってみようと思う。

2019年参院選

2019年参院選の結果を見てみよう。

2019年参院選東京選挙区

自公共立維自の順になっている。事前の情勢調査では朝日新聞以外が山岸氏が当選圏にいると報道していたが実際は、音喜多氏が当選し、山岸氏は落選した。この時の結果を自民-立共れ-維国で分けるとこうなる。

これに社民党は1.5%の得票率であることから、自民が約30%、第2極立共れ社で約38%、第3極で約12%である。公明党は約14%共産党は約12%の得票率である。

2016年参院選

2016年の結果を見てみよう。

2016年東京選挙区

今回改選組の前回の東京選挙区、民自公共自民である。おおさか維新の会は田中康夫を擁立するも落選となった。この時は自民党が乙武氏の擁立を決めていたが、乙武氏の不倫騒動で擁立が取り消され、朝日氏の擁立となった。

蓮舫氏が改選する回であるが自民党が得票率24%台と票を取れていない印象がある。一方、左派は民進+共産+三宅+社民で40%以上の得票を得ている。維新+横粂は2019年と変わらず約12%の得票を得ている。共産党は蓮舫回なのか得票率は10%、公明も山口代表が改選ではないので12%の得票になっている。

2013年参院選

2013年の結果を見てみよう。

2013年参院東京

2007~2013年までは定数5で自公共無自で民主党は東京で議席を獲得できなかった。2012年で躍進した維新もみんなの党と共倒れという結果になった。この年は共産党が躍進し、東京で議席を獲得した。

自民党が30%、一方左派は民主+共産+山本+大河原+みどりで、約40%の得票である。第3極は維新みんなで13%の得票率がある。公明党は山口代表だからか14%の得票率、共産党は吉良氏の時は12%の得票率だった。

2013年~2019年の結果まとめ

おおよそ左派40%の得票、第三極は12%~13%の得票で落ち着いている。一方自民党は必ずしも30%の得票をしているとは言い難い。また、維新は2012年から40万票以上の票、得票率7%以上であり固定票と見ていいだろう。また、公明党は竹谷氏は12%山口代表は14%の得票率があり、この値が崩れることは投票率の極端な増減が無い限りあり得ないだろう。しかし、共産党の固定票が10%であることを決めつけるべきではないと思う。これは2010年以前を見ればわかる。

2010年参院選

2010年参院選を見てみよう。

2010参院東京

2010年は民主党が与党だったが、蓮舫氏が170万票という圧倒的な得票を得て当選している。また、民主党だけで40%近くの得票率を記録している。自民党は2人目の東海氏の擁立が出遅れ、無党派層の広がりを欠いたか110万票程度、得票率は16.5%程度、山田宏氏やたち日の右派全体でも得票率は20%前後しかない。公明党は安定して13%の得票。しかし、共産党は55万票であり、共産党が必ずしも10%の固定票を持っているかと言えばそうではない。

2007年参院選

2007年参院選を見てみよう。

2007参院選東京

この年は保坂三蔵氏が落選した年。民主党だけで30%近くの得票率がある。一方自民党は22%の得票率。公明党は安定して得票率13%の得票率である。共産党はここでも得票率は9%どまりであり、2013年以降で得票率10%以上なのは新たな支持層を獲得していると言えるだろう。民社川田で40%以上の得票がある。

2004年参院選

2004年参院選を見てみよう。

2004年参院選東京

この年までは定数4なので候補者数はこれまでより少なめ。自民党は候補者1人に絞っている。一方、民主党は2人擁立して2人当選、自民党の2倍近い票数を獲得している。また、得票率は33%を超えている。青島氏も合わせると得票率は40%を超えている。自民党は1人擁立のせいか20%を切る得票率、増元氏に流れたのだろう。公明党は安定して14%の得票率。共産党が最低で45万票しか獲得していない。得票率も8%台、ここが固定票と言っていいと思う。

2001年参院選

2001年参院選を見てみよう。

2001年参院選東京

この年は、自民党が圧勝した年で自民党は候補者1人にもかかわらず得票率27%を獲得している。公明党も17%もの得票率があり、一方左派は民共自由社でも30%前半と低調だった。

2001年~2019年全体のまとめ

共産党の固定票、組織票は45万票程度と見積もってもいいと思う。逆に公明党は最低でも70万票は必ず取ってくる。2004年や2010年の結果を見れば自民党の固定票も100万票程度と言える。逆に民主党、立憲民主党は2013年に55万票(得票率9.8%)が固定票だが、それ以外では2019年の得票率20%が最低でそれ以上の得票を受けている。2004~2010年は共産党を除く左派で40%以上の得票を得ていた。

2.衆院選比例東京ブロックの得票推移

2021年衆院選のデータも見てみよう。


2021衆院選比例東京

自民党は200万票を獲得しているがこれは郵政解散以来、衆院選東京ブロックではない数字だ。立憲民主党は120万票と結党最初の衆院選より20万票減らしている。

衆院選東京ブロック推移

3.参院選全国比例東京都の得票率推移

2013年~2019年の全国比例の主要政党の得票率を見てみる。

2019年
自民32.59%  立憲17.70% 国民4.74% 公明11.54%
維新8.33% 共産11.30% 社民1.80% れいわ7.95%
N国2.32%

https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/data/sangiin25/index.html

2016年
自民34.37% 民進19.76% 公明11.44% 共産14.21% 
維新7.34% 社民2.82% 生活3.19% こころ1.65% 改革1.74%

https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/data/sangiin24/index.html

2013年
自民31.92% 民主10.40% 維新11.28% 公明12.22%
みんな12.62% 生活の党2.15% 共産13.71% 社民2.07%

https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/data/sangiin23/index.html

選挙区の得票率と比例の得票率を比較すると、選挙区>比例だったのは2013年公明、(社民)、2016年民進、公明2019年立憲、公明、維新、共産である。(2013年は社民は山本太郎氏を推薦)
また、選挙区と比例の得票率が連動していない政党は自民、維新、共産、(社民)である。(社民は推薦を含めば)

4.2022年参院選東京選挙区予想本編

今回も選挙ウオッチさんの議席予想機能を使って議席を予想する。

固定票を予想。
自民党100万
立憲民主党55万
公明党70万
日本維新の会40万
共産党45万
ファーストの会(国民)20万
れいわ新選組25万

自民党は選挙区<比例で、比例票に連動しない政党。立憲民主党は選挙区>比例で比例票と連動する政党。参院選比例投票先の世論調査を見ると、衆院選前と比較すると自民、維新、国民は増加。立憲、共産は下落、れいわ、公明は横ばいである。

2022東京

1位予想 立憲民主党 蓮舫 90万票
110万票とった2016年は2重国籍問題が明らかになる前。立候補を表明している主要候補では一番年齢が高く、山本氏や、乙武氏から票がいくらか票が奪われると予想。しかし、元の票数は高いので1位は死守すると思う。

2位予想 自由民主党 朝日健太郎 76万票
前回64万票とった朝日氏には今回は組織票ががっちりついての選挙戦当選は確実視されるだろう。しかし、乙武氏の立候補表明は彼の票を一定奪うことになると思うので、80万票に届くかどうかだと思う。

3位予想 公明党 竹谷とし子 75万票
何も語ることがないのが公明党。政権の支持率、公明党自体の支持率も安定。投票率が極端に上がることもなさそうなので安定して75万程度の票を獲得するだろう。

4位予想 日本共産党 山添拓 61万票
山本太郎氏に票を削られるが、情勢調査を見ても、早め早めの態度決定がなされていると思われているので、大きく削られることはないと思う。山本太郎氏も固定ファンはいるが山添氏にも一定いる。

5位予想 自由民主党 生稲晃子 60万票
安倍派全面支援での選挙戦になるが、保守票や知名度を生かして当選は確実だろう。しかし、知名度と言っても年代が限られるので、30代40代の票をどれだけ獲得できるかが問題。

6位予想 れいわ新選組 山本太郎 52万票
20代ともなると芸人というより政治家の印象が強くなっている山本太郎氏を6位当選を予想。固定票は2016年の三宅氏の25万票と見込んでいる。そこから、蓮舫氏や山添氏に入れていた無党派層のボリュームが大きいことから当選すると考えた。彼の演説はかなり無党派層の取り込みには成功するであろうと思う。その点現時点からの伸びしろが非常に高いと思う。

7位予想 日本維新の会 海老沢由紀 48万票
やたら週刊誌から叩かれている海老沢氏だが、日本維新の会という党を全面に出した選挙戦になるのでそれらの影響は限定的だと思う。しかし、維新は、比例票と選挙区票が必ずしも連動しない政党である。また、海老沢氏は特段個人票を持つ候補ではないので比例>選挙区になるのは明らか。なお、2021年は13.3%の比例得票率だが、2019年全国比例東京は8.33%の得票率。当然比例はこれ以上伸びるが比例との連動しない政党なので、50万票が限界ではないかと思う。

8位予想 ファーストの会(国民民主党推薦) 荒木千陽 48万票
固定票は国民民主の20万票、そしてもはや小池百合子の力にかかっている候補だ。中野区議補選では、東久留米市長選同様、自民支持層の切り崩しに成功しており、主な票田は自民支持層だろう。しかし、ファーストの会の国政進出は東京選挙区のみと限定的で、都議選ほどの盛り上がりは期待できないと思われる。また、都議選以降維新を支持する層を一定とってくるだろうが中野区議補選を見る限り、大きく削っている印象はない。また、昨今の情勢で自民党に安定を求める層が多いと思われるので自民党層への切り崩しが上手くいかず混戦8位と予想している。

9位 立憲民主党 松尾 明弘 45万票
連合の組織票を中心に戦う松尾氏は安定して45万票はとると思われる。だが、その後のプラスαができるかが当選の鍵。立憲民主党の支持率は芳しくないため、党全面に押し出して勝てるような選挙戦ではないと思う。海老沢氏や荒木氏山本氏に比べて、プラス要素が薄いように思える。よって9位と予想。

10位予想 無所属 乙武洋匡 30万票
実は保守系無所属で当選した候補はここ20年以上ない。政党の支援なしに勝った候補自体は2007年の川田龍平氏がいるが保守系にはいない。横粂氏が2016年に記録している30万程度が無所属の限界だと思う。多人数が立候補すると、政党の候補者紹介でメディアが打ち切ってしまう恐れもある。それはかなり不利だと思う。自民党の出馬予定が昔あったことから自民支持層を削るだろうが、第三極層も少しは削ると思う。スキャンダルがあるせいか立憲層からの支持獲得は難しいと思う。よって10位予想。

5.まとめ

上位5人はほぼ確実に当選はすると思う。しかし、6位~9位は大混戦で誰が勝ってもおかしくない。今後も、随時予想したい。

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