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マイバンドストーリー。

徒然に綴るブログ、今回は「バンド」について。

自称「シンガーソングライターノーカー」として、農業の傍ら一人で弾き語りをするというスタイルの活動を長いこと続けているが、ごくたまに、イベント出演限定の“特別編成バンド”を知り合いのミュージシャンの皆さんと組むこともある。バンドでの練習やライブ出演は、一人でのそれに比べて、スケジュールの調整など大変な部分はあるけど、自分のアコギ以外の演奏に乗せて歌ったり弾いたりすることはそれ以上に楽しいし、新しい発見や刺激があって面白い。ただし、だからといって自らバンドを組んで本格的に活動!ということは、結局できないままでいる。僕がバンドを組んでいない理由は様々あれど、それはひとまず置いておいて、バンドを組んで、きちんと活動し、しかもそれを長い期間継続している人を見ると、それだけで尊敬してしまう。やや安直かとは思うけど、自分がやれていないことをやっているバンドマンたちは、プロアマ問わず、すごいなと常々思っている。自分が好きな音楽をやっているバンドとなればなおさらだ。

かくいう自分も、学生時代にはバンドを組んでいた。大学のサークル絡みのメンバーで結成したバンド。当時から一人で弾き語りをしていた僕は、当初はバンドサークルには入っていなかったのだけど、飲み会や学内のライブイベントなどに参加しているうちに、なんとなくメンバーが集まった。初めは、僕のアコギボーカルに、ドラムとベースを入れてやってみたらという、先輩の提案から、一学年後輩のベース(男)とドラム(女)の3人で結成し、学内ライブに出演した。その後、ベース(男)が後輩のキーボード(女)の加入を提案してきた。その時、実は僕も同級生のギター(男)を加入させようと、ひそかに企んでいたものの、結果、キーボード(女)が加わって(ギター(男)加入の話は何となくお蔵入りに…)、「男2女2」の4人編成になり、バンド名を「るるるるず」として本格的な活動が始まった。

まずは、当時の僕がよく歌っていた「ゆず」のコピーバンドから始まり、メンバーがそれぞれやりたい曲を持ち寄り、「ゆず」の曲以外にも「SAMURAI DRIVE/CUNE」(懐かしい!)とか「バンザイ~好きでよかった~/ウルフルズ」(見ての通り、バンド名の元ネタはこちら)とか、「NOT FOUND/Mr.Children」、「ホタル/スピッツ」などあれこれやってみたりしていたが、僕が作詞作曲をやり始めていたこともあって、徐々にオリジナル曲をバンドで演奏するようになっていった。さらに活動の場を学外にも広げ、隣町や県外のライブハウスにも出演し始めた。この「オリジナル曲」「学内以外のライブに出演」という活動は、当時の大学のバンドサークルとしては革新的な活動で、後輩たちへ学外への新たな道を開拓した伝説のバンドとして語り継がれているとか、いないとか…。そんな話を聞いたような気もするし、僕が自分で言っていたような気もする…。

それはさておき、僕が大学4年生の初夏に結成されたこの「るるるるず」というバンドは、僕が卒業・就職してからも活動は続いた。宮城在住社会人1名と、山形在住大学生3名という、“遠距離バンド”となってしまったものの、僕が定期的に山形に出向くことで、むしろ卒業前より積極的に練習やライブ出演を重ねていった。それでも、後に後輩メンバーの大学卒業と、それに伴う地元へのUターンをきっかけに(それ以外にも多少問題を抱えていたこともあったけど)解散となり、2年弱の活動で終止符を打つこととなった。

その後の僕は、自分のバンドを組むことはなく、昼はサラリーマン、夜はギターを一人爪弾き、ごくたまに仕事終わりに弾き語りをするという活動を続けていたが、結婚して、子供が生まれ、仕事も段々と忙しくなってくると、ライブ出演はおろか、曲作りやギターに触る時間も目に見えて減っていった。そういうタイミングで出会ったバンドと曲がある。「D.W.ニコルズ」というバンドの、「マイライフストーリー」という曲。当時、何かで耳にしたこの曲の歌詞がとても響いたことを覚えている。何となくいろんなものに行き詰まりを感じていた僕の背中を押してもらえた気がした。その後、「男2女2」というメンバー構成だということを知り、そこに勝手に強い親近感!担当楽器の組み合わせは違えど、「るるるるず」と同じじゃないか!と。バンド名も、似てるといえば何となく似てるし!(…「ルズ」だけ)。それがどうしたと言われればそれまでだし、そういうバンドが他にもいたかもしれないけども、うちらも続けていたらこんな風に…みたいな、もはや妄想に近い、ある種の憧れと、あのタイミング出会ったことに何かしらの縁を感じ、当時出ていた「ONELBUM」というアルバムを聞きまくっていた。

ただ、そこから少し時が流れる。職場で異動があって新たな業務に一から取り掛かることになったり、3.11の大震災が起きたりで、いろんなものがごちゃごちゃになり、体力的にも精神的にも僕自身の余裕がなくなってしまっていた。その後、退職・就農し、あれこれ落ち着いてきた頃、再燃する。震災後、なかなやれずにいた自分の音楽活動をぼちぼち再開しようとしていたら、仙台のライブハウスのスケジュールの中に「D.W.ニコルズ」の名前を見つけた。「そうか、仙台でライブを見れるのか!」と気付き、すっかり疎遠になっていたニコルズを改めて聞くようになった。そして、ようやく初めてライブに参加することができたのだけど、それはまさかのメンバー脱退前のラストツアーだった。

2016年5月のツアーでの仙台公演は、すでにDrのりっちゃん脱退が発表された後で、仙台では最後の4人体制でのライブだった。ようやく見に行けたライブが最後だなんてと、少し切なさもあったけど、それを補って余りある、楽しいライブだったし、ライブハウスの店長が以前から絶賛していたそのパフォーマンスは圧巻だった。
その後、3人でのツアーや、新Drのあいちゃん加入後(男2女2の構成、再び!)のライブや被災地の小学校でのイベントなど、毎回欠かさずとはいかないものの、時間が合えばライブに参加している。先日の最新リリースのツアーも意気揚々と参加してきたわけだけど、今回は、またもやまさかの展開で、Baまなんちゃん休養のため、3人編成でのライブだった。4人のライブが見れないのは残念だったけど、それを正面から受け止めて立ち向かう3人のライブは、もしかしたら今まで一番歌って笑って楽しかったかもしれない。そして、今回のライブで手にした最新の「ボクのうた」や最近のリリースは、僕が最初に聞いていた1stの「ONELBUM」とは雰囲気が少し違っているように感じたけど、例えば「SMOKE」や「波待ちサーファー」のようなおしゃれな感じも、「青い空」のシンプルでストレートな歌詞も、どちらも好きだし、どちらもニコルズなのだと思う。始まりの1枚があって、続けてきたからこその1枚。そこにはもはや男2女2の構成比は関係なく、尊敬と感謝が募るばかりだ。来年で結成15周年というニコルズは、その活動をもっとずっと続けていってくれるのだろうと、今回のライブを見てますますそう思えたし、また何度でもライブを見に行きたい。今度は是非4人での、さらに新しくて、だけど変わらないニコルズを楽しみにしていたい。

「るるるるず」以降、自分でバンドを組むことはなかったが、不定期で結成する“特別バンド”は楽しかった。その楽しさを知っているから、好きなバンドを見るのも楽しい。そんな“バンドへの憧れ”から、また自分のバンドを組むことが、この先あるような気もするけど、ないような気もする。ギタリストだけじゃなく、やっぱりキーボードもいてほしいかなー自分がアコギ以外をやるってのも面白そう。そうなればもう男女構成比は二の次で。でもまず、メンバー集めが大変そうだし、スケジュールや練習場所の確保だって苦労しそう。改まって自分の曲を聴いてもらうというのも、それはそれでまた…っつうか始まってもいないバンドの心配してる場合じゃないか…やれることからやっていこう。バンドはもちろん、ソロだろうと、活動を続けているすべてのアーティストに敬意を持って、自分も頑張っていきたいと思う。まずは、ここしばらく放置気味だったギターの弦を張り替えることから始めようかな…。

とりあえず今回はこの辺に。それではまたそのうちに。

余談だけど、「ルルルルズ」というバンドが実際にいることを、「るるるるず」解散後しばらくしてから知った。あちらはカタカナ表記で僕らはひらがな表記だったし、名前を並べるもおこがましいくらいの話だけど、当然のごとく親近感を感じ、SNSを即フォローしてしまった。いまだにライブに参加することはできていないけど、いつか行ってみたいと思っている。

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