大家さんとわたし#舞台裏
先日、出演していた舞台が無事千秋楽を迎えました。
自分の「足りない」をたくさん感じた稽古から本番までの期間。
こっちの舞台裏、大家さんと女将さんは最強のサポーターでした。
実力不足を突き付けられて、メタメタの心を引きずって帰ってきた日。
玄関先で千日紅のお世話をしている女将さんが迎えてくれる。この期間は千日紅祭りに向けて女将さんも大忙しの時期でした。(実は女将さんは千日紅で商店街を盛り上げようと活動するスーパーウーマンです。)
「女将さん~、、、手伝うことないですか」
「あら、あなた時間あるの?お稽古は。」
この日は朝からの稽古で昼過ぎにはおわり。メタメタの心を部屋の中に持ち込んだら、登ってこれないくらい落ち込みそうな気配。誰かと話してたいな、なんか手を動かしてたいな、っていう本音。本音をぽろぽろこぼしてみる。
「それなら手伝ってちょうだい~!やることはいくらでもあるわよ!」
2時間ほど作業して、なんでもない話をして、ご褒美にと出してくれた水ようかんを食べて、部屋に入るときには自然と「よし!」と前を向けていて。
本番前日、現場にお団子でも差し入れしようかな~と、思い付きで外にいた大家さんにベランダから声をかける。
「みたらし団子、今日20本買いたいんだけど、、、ある?(笑)」
「20本!?そりゃ前日に言ってくれないとないんじゃないかな~」
と言いつつ、お店の方へ消えていき、
「あったあった~、包んでやるよ~」と戻ってくる大家さん。
取りに行くね~と言ってたのに、私の部屋まで届けてくれて、しかもちょっとお安くしてくれたりなんかして。
後で女将さんに「あなた、そんなに甘やかしちゃダメ!もう、甘いんだから!」って怒られる大家さん。(笑)
本番を迎えてからも「悔しい」「もどかしい」はまだ積もる。
帰宅後、玄関先の小さい電気で千日紅の花が顔を出しているのを見つけて、初めて見たまだ小さい花のそれだけで、ちょっと元気になる。
翌朝、本番へ向かう前、水やりをする女将さんに、
「咲いたね!これ!」と声をかけたら
「もうこの子たちはこれ以上大きくならないのよ」と女将さん。
早く咲いてしまうと、成長が止まってしまうらしい。
いい花だな、千日紅。
わたしも咲かせられる日まで、しっかり伸びていかないとなあ。
「いつも笑っていなさいよ~」と送り出されて、なんかここんところ、一人で考え込んで、下向きがちだったなと反省して、笑顔で「行ってきます」を言える。
「千秋楽にお母さんが来てくれるの」
女将さんと大家さんに事前に伝える。
「おお、嬉しいなあ、よかったな、」と大家さん。
「甘い!!!主演になってから呼びなさい!」と女将さん(笑)
まだまだまだまだな自分の「足らなさ」に、「悔しい」「もどかしい」をたくさん積もらせた期間でした。
それでも前を向いて、「よし!」と進ませてくれたのは女将さんと大家さん。
最強です。
そして、劇場まで足を運んでくださった方、「行けないけど」とエールを送ってくださった方、その全部に、背中を押してもらいました。
本当に本当にありがとうございました。
経験するほど、できない自分を発見します。
それと同時に、たくさんの「できるようになりたい」も発見できる。
いろんなことに、負けたくない。
わたしが咲かせられるのは、もっと先だと思うけど、必ず咲かせたい。
それまでは、しっかり上へ上へ、伸びていこうと思います。
綺麗な花を咲かせるには、言葉をかけるのが大切らしい。
なのでみなさん、今後とも応援よろしくお願いします!!!(笑)
いざ、次のステージへ!!!!