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六人の嘘つきな大学生

#六人の嘘つきな大学生
#浅倉秋成
#角川書店
成長著しいIT企業「スピラリンクス」の最終選考。最終に残った六人が内定に相応しい者を議論する中、六通の封筒が発見される。そこには六人それぞれの「罪」が告発されていた。犯人は誰か、究極の心理戦スタート。

ーーmemoーーーーーーーーーーー

誰もが胸に『封筒』を隠している。それを悟られないように、うまく振る舞っているだけ。

会ってみて、仲よくお喋りして、何日も一緒に過ごして、それでもまったくその人のことがわかっていなかったー世の中そんなことだらけなんだよ。あなたはその人についてどれだけのことを知っているの?人のことを完全に見極められるの?私は自分のことだってわからないよ。

日本国民全員で作り上げた、全員が被害者で、全員が加害者になる馬鹿げた儀式です。完璧なんて目指せるわけがないです。どうです?あなたにだって心当りがあるでしょ?駄目な先輩、駄目な後輩。どうしてこんなやつがこの会社にいるんだろう。そう思ってしまう人の、一人や二人。そういう人も、見事に入社試験をくぐり抜けてしまってるんです。理由は悲しいほどに簡単です。
確実にいい人を選ぶということが、まったくもって不可能であるから。

当たり前だが、彼らは全員、完全な善人ではなかったかもしれない。でも完全な悪人であるはずがなかったのだ。おそらく完全にいい人も、完全に悪い人もこの世にはいない。
一面だけを見て人を判断することほど、愚かなことはきっとないのだ。

ーー感想ーーーーーーーーーーーー

最近読書がなかなか進まず、久しぶりの一冊。
数日に分けて読んでしまって後悔した!一気読みしたいお話しでした。

就活って、難しいよね。(私ほぼ就活してないけど。笑)
就活生にとっては人生の大きな岐路でも会社側からしたら大多数の候補者のうちの一人。
就活する学生からの視点と就職する企業側の視点と
さらに数年後に就職してから就活を振り返る視点はおもしろかった。
もちろん犯人のやったことは悪いことだけど、
そう思わせてしまった就活の仕組みに問題がある気もした。
けど、採用も難しいんだろうなぁ。と思う。
大企業になるとさらに。


日本で教育を受けて、なんとなく生きていってたら、
自分に向き合う機会はなかなかなくて、
いきなり就活になって自己分析だと言われても分かんないよ!とも思う。
けど、私も昔自分迷子だったからこそ、自己を知る、
自己を満たすことを知ることを早く知るに越したことはないと思う。

実際に私の同級生は、就活が原因で精神をやられてしまったということあるし、犯人も正常な判断ができないほどに追い詰められていたんだろうなぁ。
就活から見る社会の問題、人の本質の見抜き方のお話しでした。

#読書記録 #萌本棚

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