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82年生まれ、キム・ジヨン

82年生まれ、キム・ジヨン チョ・ナムジュ

出版社 ‏ : ‎ 筑摩書房

ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかのようなキム・ジヨン。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児…彼女の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。女性が人生で出会う困難、差別を描き、絶大な共感から社会現象を巻き起こした話題作!

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本を読んだ後、インスタやAmazonのレビューを見るんですけど、Amazonのレビューに「1★のレビューがこの本のリアルさを裏付けます」と書いてあって、まさにその言葉通りだと思った。口コミに共感する★5と共感できない★1が極端に分かれていることがまさに根深い思想があるということの表れだと思った。

幸い、自分の性格上、苦しんだり悩んだりということはなかったけど、日本で生まれた私でも、こんな気持ちあったな、こんな経験あったな、そんな考え方の人いたな、女の人もあきらめてるよなって共感するところがたくさんあって、そしてこの本が韓国で社会現象になったということがこんな思いをして生きている女性が多くいるということの証なのかなと思った。ぜひ、男性に読んでもらいたい小説です。

私は女として生まれて良かったと思ってるけど、やっぱり危ない目にあってきたことはある。夜道で男性に追いかけられたり、後付けられてたり、痴漢もどきにあったり、盗撮されたり、恐いおもいや嫌なおもいをしてきました。この本を読んでそんなことを思い出し、彼にこんなことあったこと思い出したと話した時に、そんなことあったの!?と驚いていました。男性はこんな被害経験をしたことない人の方が多いと思います。だからこそ、女性がこんな経験をしているという事実を知らないと思います。

高校生の時、夜道で男の人に付けられてると気付き、走って逃げても走って着いてきて、叫んだら逃げていきましたが、今でも大きなカバンを持った大柄の男の人のシルエットを覚えています。この時にいつも母が迎えに行くよと言ってくれていた言葉の意味が分かりました。被害に遭って以降は夜道を1人で歩かないようにしています。

自分の身は自分で守るほどの安全な策をとっておくことはもちろん大事ですが、周りが助けるということも大切だと思っています。この文を読んだ人はぜひ、被害に遭ってる人を助けて欲しい。少しでもそういう可能性が低いようにしてほしい。私も彼に言いました。「女として生きてるだけで、被害に遭うことってあるんだよ。夜、女性を1人で帰したらだめだよ!もしそんな状況になった時には女性の帰宅まで気を掛けて欲しい。タクシーに乗せるでもいいから」と。人は「気を付けてね」という言葉を掛けられるだけでも事故率が低くなるということを目にしたことがあります。「気を付けて帰ってね」という言葉をかけるだけでもいい。自分のようなこわいおもいをする人が1人でも少なくなってほしいです。

そんな話を彼とした数日後に、なんのタイミングかわからないんですが、のぞきの被害に遭いました。職場で起こった事件だったので、会社で対処してもらいましたが、普通に生活しているだけでなんでこんな思いをしないといけないんだろう?私が悪いことをしたわけでもないのに、なぜまたのぞかれるかもと無駄な心配をしながら生きないといけないのか?そんなことも思いましたが、でも、そんなとき、迅速に対処してくれた上司がいてくれることにも感謝しました。

この本にもあった「でもね、世の中にはいい男のひとの方が多いのよ」ということば。キムジヨンはこの言葉にどれだけ救われたか。私も出会ってきた人たちは、いい男のひとばかりです。だから、男性に対して恐怖心を持つことなく接することができています。あなたの一言、あなたの気遣いで救われる人がいることを知っておいてほしいです。


#82年生まれキムジヨン #チョナムジュ #筑摩書房 #萌本棚

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