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俺の屍を越えてゆけ

※この記事は2005年に書いたものを加筆修正したものです。
 古いと感じる部分についてはその当時のノリとしてご了承ください。

タイトル:「俺の屍を越えてゆけ」
プラットフォーム:PlayStation
発売元:ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元:アルファシステム、マーズ
発売日:1999年06月17日
標準小売価格:税込6090円
ジャンル:世代交代RPG
備考:メモリーカード6ブロック

「俺の屍を越えてゆけ(PlayStation the Best)」
発売日:2000年07月06日
標準小売価格:税込2940円

「俺の屍を越えてゆけ(PS one Books)」
発売日:2004年10月28日
標準小売価格:税込1890円

百聞は一見に如かず

毎度のことですがこのゲームも体験版をプレイして購入を決定しました。
『俺の屍を越えてゆけ(以後「俺屍」)』は
私が「100時間以上遊んだゲーム」の中の1本です。
もともとロールプレイングゲーム(RPG)は時間がかかるものですが、
「そんな時間はありません。」
というあなたのために「俺屍」にはRPGでは珍しい
「難易度設定」が存在します。
「あっさり」「しっかり」「じっくり」「どっぷり」の4段階で
クリア時間は約20時間~100時間以上まで選択することが出来ます。
しかもこの設定はゲーム中いつでも変更することができます。
なのでお好みでどうぞ!
わたしは「どっぷりモード」を選択です。

千里の道も一歩から

このゲームの目的は「朱点童子を倒す」ということです。
メインストーリーもちゃんと用意されていますが
本当のドラマはゲームをプレイすること自体にあります。
キャラクターたちには寿命があり、しかも恐ろしく短命です。
そして決して生き返ることはありません。
次の世代に望みを託し次々と死んでいきます。

天は自ら助くる者を助く

「じゃあキャラクターが死ぬ度に育て直すの?なんか面倒そう。」
と思ったあなた!
大丈夫です!
このゲームは一人のキャラクターを育てて強くするのではなく、
「血統」を育て強くしていくのです!
子供は「交神の儀」によって授かることができます。
いつでも好きな時に実行できますが「屋敷」が狭かったり、
「奉納点(神様と子供を作る為に必要なお金のようなもの)」
が足りないと実行できません。
子供は「交神の儀」の1ヶ月後に家にやってきます。
それから2ヶ月は修行期間です。
自習するか家族の誰かが指導者となって訓練します。
指導者の能力が高いほど子供の能力もアップします。
そして4ヶ月目から戦列に参加できます。
7ヶ月になると「交神の儀」ができるようになります。
それから、戦い、交神、を繰り返し1年7ヶ月~2年で永眠します。
強い親から生まれた子供はより強くなり、
「奉納点」の高い神様の子供も強くなります。
遺伝子が強化されていくのです。
レベルアップの間隔も早く気持ちいいです。
RPGで楽しい瞬間の1つがレベルアップの時だと思いますが、
初陣では1回戦闘が終わるごとにレベルアップするぐらいの勢いで
どんどんレベルが上がります。
周りの家族が気をつけてやれば安全に強くすることができます。
しかもすぐに親を追い越して、親より確実に強くなります。
家族が逞しく成長していく姿をみるのは頼もしいかぎりです。
しかし・・・

始めあるものは必ず終りあり・・

その子には必ず寿命が訪れます。
それは病死かもしれませんし、戦死かもしれません。
この世界での「死」は「消滅」を意味します。
「アイテム」や「呪文」や「教会」などで生き返らせることは出来ません。
どんなに強く逞しく育とうと必ず死にます。
戦う為に生まれ、戦い続け、
そしてまた戦う為の子供を残して死んでいくのです!

これが物悲しく、そして熱いのです!
まさに自分の親兄弟の屍を越えていくのです。
しかしだからといって「死」が軽く扱われているわけではありません。
キャラクター達はそれぞれ個性的な容姿を持ち、
死に際には一言いい残して死んでいきます。
その一言一言が重く、せつなく、心に響くのです。
そしてこの「世代交代」こそがこのゲームの「肝」であり、
紡がれていくストーリーなのです。
この部分にグッとくれば間違いなくハマれます。
父の、母の、兄の、姉の、先代達の意思を受け継いで朱点童子を倒す為、
自分たち一族にかけられた忌まわしい呪いを解く為、
戦い続けるのです!!

天上天下唯我独尊

人にゲームを説明したりするときに「○○みたいなゲーム」
という言い方がありますが、
私は「俺屍」に例えられるゲームを思いつきません。
そして「俺屍みたいなゲーム」というゲームも思いつきません。
その理由は「俺屍」が「俺屍」だからだと思います。
このゲームでしか味わえない遊びがあるからこそ
いつ遊んでも面白いのだと思います。

時々棚から引っ張り出して遊ぶのですがやっぱり楽しいです。
古いゲームは「懐かしい」という感情で美化されることも多いと思うのですが
「俺屍」は「懐かしい」だけではなく、
いつ遊んでも「面白い」と思わせてくれます。
決して時代に流されない、
オリジナリティーのあるゲームだけが持つ魅力を感じさせてくれます。

虎は死して皮を留め人は死して名を残す

いつかみんなで撮った「家族写真」を見て思うのです。
「あなた達の子供はこんな立派になりました。
あなた達の悲願は必ず達成してみせます。」
と。

そしてエンディングを迎えて思うのです。
「私達の命はあなた達の屍の上に生きています。
ありがとう・・・。」
と。

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