見出し画像

ネタバレあり 君たちはDO生きるか その4 メーヴェに乗った全裸の監督

◾️こんなにも曝け出すことが出来るのかと驚愕した。創作者はここまで徹底することができるのかと恐ろしくなるくらいである。もはや自分のことでもないのに共感性羞恥心が湧き上がるほどの作品「君たちはどう生きるか」。

◾️自己を知ってもらいたいという渇望は、監督が全裸でメーヴェに乗り、王蟲の幼生を助けるために無抵抗で両手両腕を広げ銃口に向かう姿に重なった。自己承認の究極系を見た。

◾️自分のことだけでなく関係する全てから嫌われることを厭わないその覚悟。私には出来ない。モノづくりとは曝け出すこと。流行りのDIYですら外気に晒せば自らの発露に他ならない。

◾️それでも創作は魅力的である。文章もそうだ。脳内の欠片の曝け出しなのだから。

◾️映画について最後に。

父はキムタクでなければならなかった。
父は金、つまりはパトロン、スポンサー、金のある経済界、芸能界にあたる。その象徴がキムタクなのだ。アテレコが上手いとか下手とかそういったことでこの起用はなされていない。

対となる没落しつつある旧家は、ジブリ(あるいは創作スタジオ、創作者)である。

父は傲慢で我が強く土足で人に絡んでくる。
旧家の間に戦闘機のキャノピーを持ち込んだのは、ナウシカ王蟲を暗喩しているだけではない。自分たちの考え、行い、押し付けたい事、権力の誇示そのものを旧家(創作者)に持ち込む厄介なパトロンの姿に見えてはこないか。

だからヒメとナツコは父を愛してはいない。むしろ嫌悪を感じるほどだ。マヒトはヒメの子であり、旧家の血が半分入っていることから半分は愛されるべき対象であり、半分は憎しみの対象である。

ナツコを母と呼んだ時、ナツコの中で彼の存在が愛50:憎50の存在から愛が51側に振れた。

旧家は外(世間)から見たジブリの姿であり、旧家の裏手にある塔はジブリの内面。ジブリ自身が隠しているジブリの内情。

また映画を見たくなった。
君たちはどう生きるかを見たくなった。

違ってたらごめんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?