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「アメリカ郵政公社のサービス」の巻

 アメリカの郵政事業もかっては国営企業だったが、現在は「公社」化されている。
 今は昔、郵政長官といえば、アメリカでは上位にランクされる「大臣」だったという。だからこそ、大東亜戦争直前に、ウォーカー郵政長官に関係する人物からの日米国交正常化案が、日米交渉に発展するという話だ。
 アメリカでは民営化の話はない。独占禁止法との絡みもあるかもしれない。
 公社だから、職員は「親方星条旗」根性の人が多いような気がする。気のいいおばさん、おじさんがいるのは確かだが、仕事はのろい。
 そんな中で、日本が見習うべきサービスも存在する。

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 最初の写真(2007年4月23日撮影。以下同じ)は私書箱だ。アメリカでは、郵便物が盗まれることも多いし、見知らぬ人に住所を教えたくない人も多いということから、一般家庭でも私書箱をよく使う。料金は安い。小さい私書箱なら半年で$50だ。私書箱に入りきれないものが届いたら、ちゃんと保管して、そういうものが来ているよ、という通知を私書箱に入れておいてくれる。場所にも寄りけりだが、治安の良い場所では24時間私書箱を開けることができる。私も使っていた。取りに行くのは不便だが、これもリスクマネジメントだ。また、ハワイに住んでいたころは、郵便配達をしてくれない地域(!)だったので、私書箱を使わざるを得なかった。
 日本でも近年はずいぶんあか抜けたが、アメリカの切手はとてもカラフルで、収集家の心をくすぐる。毎年デザインが変わる恒例のディズニーキャラクター、スターウォーズやアメリカンヒーローなどのテーマ切手など、柔軟性に富むデザインの特殊切手は貼るのが楽しくなる。プレゼント用に、オリジナルデザインの切手を作るセットも通年で販売されている。
 あとは、窓口でクレジットカードを使うことができることはありがたい(日本でも最近はクレジットカードが使えるようになったようだ。これは民営化の恩恵だろう)。切手でさえクレジットカードで買える。だめなのは、マネー・オーダー(為替)を作るときだけだ。
 2枚目は、郵便局の外にある、ドライブスルーのポスト。

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 車から降りなくても投函できる。アメリカらしいといえばそれまでだが、実際これは便利だ。仕事に行く途中で、アサイチの収集に間に合うようにポストに投函したいことはよくあるが、イチイチ車から降りなくても良いのは思いのほか便利だ。駅前にポストがある日本とは訳が違う。もっとも、アメリカの場合、駅の周りは治安が悪いと相場が決まっているから、駅前にポストがあっても誰も投函しないだろう。空港にもポストはない。テロの危険性が高いからだ。空港に郵便局がある日本は、本当に平和なのだ。
 最後は、冒頭に掲げた写真をもう一度見てもらおう。
 アメリカの郵便集配人。Mr. PostmanならぬMs. Postwomanだ。しかもややミニ気味のスカート着用だ。
 アメリカでは、スカートの女性は少数派だ(ヒスパニックのおばさんは例外。ほとんどスカートをはいている)。
 勿論、女性郵便局員が必ずしも皆がこういう格好をしているわけではない。それどころか、郵政公社の末端の社員はアルバイトなので、制服はないし、自分の車で集配する。ベネフィットが良い郵政公社にもぐりこむために、まずはこのアルバイトから入るという人も多い。
 この女性局員の制服が気に入ったからとて、どこででも見られるというわけではないので念のため。私の経験上、かなりレアだ。

拙ブログ『無闇にアメリカに来てはいけない』より「郵政公社のサービス」(2007年11月11日 13:51付)に加筆修正した。

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