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「ニューオーリンズ紀行2007」の巻(その3)

 緑色の路面電車、蘇鉄のような木(本当は椰子の木)を見て、これを堺市宿院付近を走る阪堺電車だと思ったら大間違。これは、ニューオーリンズの市電である(電車は全て2007年4月30日撮影)。
 欲望という名の電車 映画『欲望という名の電車』で、ヴィヴィアン・リーが降りてくるシーンが印象的だった古風な顔つきの電車は、カトリーナのあとも健在だった。よかった。

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 24年前に行った時には、どちらかというと近代的な建物が並ぶ地域には足が向かなかったが、今回そちらの方に宿をとり、コンベンションセンターまで歩いてみると、ミシシッピ河沿いには、赤い電車の専用線もあった。ライトレールのような駅ではあったが、同じ古めかしい顔をした電車が走っていた。よかった。
 ちょうどその専用線に沿って、昔はなかったモールがある。昼飯を食いにフードコートに行ったところ、こういうところにしては珍しく、夜だけ営業という店が多く、しかも酒を出す(カリフォルニアのフードコートではまずない)ようだ。窓からはミシシッピ河が一望でき、この日はヘリを搭載したクルーザーが。誰が来ているんだろう(2007年5月2日撮影)。 

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 ユニオンジャックをあしらった旗が船尾にあったので、「英領××」とか「元英連邦××」の船籍か? そういえば、参加しているコンベンションの展示場には、キャプティヴの誘致に、そういう国のブースもあったっけ。そんなところからこれで? それにしても、ヘリはいらないのでは?
 路面電車に戻ろう。
 路面電車はやはりこういう「いかつい顔」をしていてほしいモンだ。今回は乗る機会はなかった、というか、乗るほどの距離を移動することはなかった。クライアントを連れてバーボンストリート近くの日本料理店へ繰り出した時に、「話の種に」ということで乗せようかと思ったのだが、待てど暮らせど電車は来ず、断念した。タクシーの運転手の話によると、夜中まで結構運行しているということだったが、見ていたところ、閑散時は20分に1本がいいところのようだ。

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 夜の電車の写真を見ると、この電車が「欲望」のイメージによく合っているような気がするのは、飛田新地付近を走っていた南海電車の平野線を思い出すからだろうか。

 (この項続く)

拙ブログ『無闇にアメリカに来てはいけない』より「新奥爾良紀行(その3)」(2007年05月23日 10:35)に加筆修正した。

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