見出し画像

「アメリカの道の名前」の巻

 サクラメント郊外でたまたま、「Okinawa Street」を発見した(2009年8月1日撮影)。
 アメリカでは全ての道に名前がつけられている。ブロードウェイ(Broad Way)といえばニューヨーク!と短絡するが、多くの街にはブロードウェイが存在する。どこが「Broad」なんだ? と首をかしげるようなところもある。メインストリートもたくさんある。
 都市の中心部では、単純に数字が並んでいたり、アルファベットだったりして興覚めだが、あのティファニーがあるフィフス・アヴェニュー(5th Avenue)も、NYだけでなく、いろんな街にあるのだ。ただ、同じ「5」でも、ストリートのこともあるし、5th Ave.と5th St.が一緒にあることもあり、ややこしい。
 全ての通りに名前をつけなければならんので、結構へんなネーミングもある。LAからラスベガスを目指してハイウェイ15を走っていると、「Zzyzx Rd.」出口が現れる。もはや読み方もわからない(ちなみにZzyxxは山火事で有名なサンバナディーノ郡の村で、炭酸泉があるらしい)。
 州の名前や都市の名前が通りにつけられているところもある。ロサンゼルスにはロサンゼルス通りがある。外国語、特にスペイン語の名前は山のようにあるし、日系人ゆかりの地では、日本人の名前の通りもある。LAの旧日本人街リトル・トーキョーには、日系人初の宇宙飛行士で、チャレンジャー号の事故で殉職した故エリスン・ショージ・オニヅカの名前をとった通りがある。
 さて、この写真のオキナワ通りの近くには、軍関連の組織……こう書くと怪しげだが、退役軍人の福祉関係か何かの建物があり、その関係でついた名前のようだ。カリフォルニアの有名観光地のひとつであるモントレーの近郊には、何と「イムジン(Imjin)・ロード」が存在する。もちろんこれは、フォークルが歌った『イムジン河』(臨津江)のイムジンだ。その通りが存在する地域は、陸軍の広大な基地だった場所で、やはりその関係=朝鮮動乱との関係でこの名前がついたのだろう。近くには、軍人の名前を冠した通りもあるし。
 通りに名前がついているのは、ことのほか便利だ。日本では通りの名前どころか、交差点にも名前がないところが多い。ただ、アメリカみたいに、開拓者が切り開いた町は少ないので、道そのものが複雑だから、ただ単に通りに名前をつければ何とかなる、というものでもなさそうだが、せめてバスが通る通りぐらいは、名前があってもよいのではないだろうか。

拙ブログ『無闇にアメリカに来てはいけない』より「ここは沖縄」(2010年05月30日 10:45 10:42付)に加筆修正した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?