ガンダムを彫る

歌手・森口博子さんがガンダムを描いたツイートを見た。

https://twitter.com/hiloko_m/status/1288495136893091842?s=19

ときどき自分も趣味で絵を描くが常々、線の数を少なくするほうに意識を向けている。
それは自分が線をやたら重ねて絵を描く癖がついてしまっているからで、できる限りシンプルに仕上げたいと思っているからだ。

このツイートで描かれたガンダムは最低限の線の量でかなり特徴を捉えていると個人的には思う。
自分の理想とも言える絵だった。

昔からガンダムの絵ばかり描いている。

以前はただ好きだから描いていたのだが、いまは何となく気が晴れないときにただ没頭するために描くことがある。

紙の上に刻み付けるようにいくつも線を重ねる。ほとんど彫っている感じだ。
それでもうまく紙の上に表せたな、と思うことはあまりない。

極力線を減らし、最低限の情報量で表現できないかということがここ数年の自分の考えだった。

ガンダムを描いているとき、仏像を彫る仏師はこんな気持ちなんじゃないのか、とおこがましいが思うことがある。
勝手に出てくる。
自分にとってガンダムが形状ではなくなりはじめていて、描きながらなにか祈るような心持ちになっている。あまりそういう自覚はないが、神格化しているのだろうか。宗旨はガンダムかも知れない。

こういう形にしようとかなく、ただただ腕を動かしていると、大げさだが救われる感じがある。

そうして浮かび上がるのはくずれた絵だ。
以前はもう少し丁寧に描けた気がする。
だからこそ最近は気が晴れるまで書き散らして、書き散らしたら、失ってしまった形をもう一度きちんと資料をみて、把握してから描くことを心がける。
気のおもむくままに描けば、線の集合体にはなるが、めざすものははっきりとした形状をしたものだ。

自分はあのツイートのガンダムの絵を心底すごいと思う。

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