現代短歌 《寂しさと友達でいれば》
毛糸玉小さくなるのを目で追って編み込まれる日々数えて待つ夜
夢心地想うだけでも幸せな愚か者ならいつでも飛べる
雨降りは好きになれぬが嫌いにもなれない虹の橋を眺めれば
寂しさと友達でいれば寒さとも仲良くできるかそうでありたい
孤独なら退屈しのぎも悪くない神様の嘘聞く地獄耳
赤い糸見えるか見えぬか目を凝らし鋏で切ったよ血が滲んでる
鳥籠に楽しさだけを詰め込んで鳴かせて眺めて時は過ぎゆく
空っぽな時が去っても虚しさがずしりと残る誰か捨ててきて
目の前に出された酒を飲み干すも解けぬリボンにきつく縛られて
冷め切ったスープに浮かんだ夢一つすくって口まで運ぶフリして
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