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現代短歌 《小瓶》

深い海のような星が瞬く空のようなブルーがこぼれ落ちる


秋の新色予約注文だなんて自分のためなら多分しない


あなたなら何を描くのでしょうかどんな世界を表すのでしょうか


壊れるなガラスのように繊細じゃないと信じたい私の心


壊れるのならいっそ引くべきか自らの手で破り終わらせるべきか


何もしなければ尚更ガラスの破片は胸を切り裂くのだろう


拾い集めた破片をアッシュブルーの空に並べれば寂しい音色


その色は「名高き青」というようであなたの優しさを見るようで


受け取ってもらえぬかもしれぬ小瓶は今何を想う何を求める


この小瓶を渡せるだろうか私にはそんな勇気があるだろうか

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