現代短歌 《襟足》
帽子からはみ出た襟足が誘う柔らかな風夕焼けの街
やさしさで霞んでしまう何もかも裾野に広がるあの景色さえ
大人でも舐めていいのだドロップス甘さと引き換え思い出ごと溶け
何度でも間違い電話で構わない耳元に咲くミモザの花よ
明るさと口調で隠したその奥の洞窟の中をわたしは知りたい
坂道を下るあの子の急ぎ足追いつけ追い越せ日没までに
君の絵に見たしつこさが脳内にこびりついてる寝ても覚めても
きらきらと輝く夜空を眺めては星をつなげて盗んだ口実
夢を待つ目を瞑る時間が惜しい一瞬でさえ逃すな奪え
遠くから想い馳せるよどこまでもあなたの瞳が綺麗だったから
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