現代短歌 《虚しさの色》
いつまでも降り続けるその雨は過去 どこかへ連れ去られてしまった君
美しき夢は心地良い場所だけど いつしかそれも消えて無くなる
人間は時間と記憶に支配され「生きられるよう」できているのだ
夕闇に隠れた手足は薄汚れこちらへ来るなと合図を送る
夜風から浮かび上がった線なぞりどこまでもつづくここに無い国
あまりにも夢を見すぎてしまったかフワフワと浮く地上3センチ
甘口のホイップの上に溶けた蝋 重なる時間のスポンジケーキ
カーテンの揺れる窓から差し出したあの子の勇気は何処かで途切れ
寂しさと虚しさは行方知れずでも残された重み背中にずしりと
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