#15 スカーレット

今回は1997年1月29日に発売されたスピッツの15thシングル『スカーレット』を見ていきたいと思います。


「スカーレット」とは日本語で言うと「緋色」です。
シャーロック・ホームズシリーズの第1巻も『緋色の研究』と言いますね。

緋色とは茜色に分類される中で最も明るい色らしいです。
ちなみに茜色とは濃く暗い赤色のことを言うみたいです。

濃く暗い色の中で最も明るい色……よくわかりませんがとりあえず赤です。



確かに、歌詞を見てみると、赤いものが1つ出てきます。

ひとつだけ 小さな 赤い灯を
守り続けていくよ

この”赤い灯”がスカーレットってことですね。

で、”赤い灯”って何のことでしょう?



ずばり言うと、この曲の解釈として最もよく通るのは「プロポーズ」だと思っています。

「告白」というよりは、すでに長い間こういう関係を築いてきたうえで、さらにもうワンステップ上に上がろうという「プロポーズ」の方がぴったりかな、と。


ただ、長い時間をかけて少しずつ築いてきた関係だからこそ、「もしかしたらこれによって関係が崩れてしまうかもしれない…」という不安を感じずにはいられない、と。

そういう心情が表れているのがこちら。

誰にも言えずに 夢見ていた
くずれ落ちそうな 言葉さえ
ありのまま すべて ぶつけても
君は微笑むかなあ…


まさに、ですよね。

言ってみればここまで安定して続けてこれた関係に変化をもたらす行為ですし、特に女性にとっては置かれる環境が大きく変わることですから、そんな簡単に「いいよ~」で済むことではありません。

それだけ責任を伴う行動を前に、”僕”(記述はありませんが)は”君”が安心してYesと言えるような言葉を用意できていないんですね。

ただ、心のどこかに「”君”なら僕の想いを受け取ってくれるはず…」という確信めいたものがあって、そのポジティブな想像とネガティブな想像がせめぎ合っている状態なのが今の”僕”というわけです。



そうして”僕”が選んだ言葉は、

ひとつだけ 小さな 赤い灯を
守り続けていくよ


改めて、”スカーレット”とは、”僕”が守りたいものだったんですね。


MVはYouTubeで見れますし、サブスクでも聴けるのでぜひ。


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