α9 Ⅲを見てきました
11/7 夜に発表されたSONYの新しいカメラ、α9 Ⅲ。グローバルシャッターを搭載し、発表された時点から話題になっているカメラを触るイベントに行ってきたので、感想を書いてみようと思います。
※ 最初にあらかじめ断っておきたいのですが、実際に触れる時間がそんなに多くなく、がっつりレビューできるほどの情報は無いので、印象を話す感じの内容になります。
また、データの持ち帰りはできなかったので、α9 Ⅲで撮った写真の掲載はありません。
なお、筆者はα1、α9Ⅱユーザーで、普段はバスケットボール、サッカー、飛行機を主に撮影しています。
バスケットボールに関しては、沖縄バスケットボール情報誌 OUTNUMBER のフォトグラファーとして主に関東の試合で活動させていただいており、その他には B リーグ、Wリーグの撮影を行っています。
サッカーに関しては、川崎フロンターレのアカデミーの活動を主に取り上げる川崎そだちという Web 媒体にたまに写真を提供させていただいております。
外観
割と大きいなという印象でした。
α9Ⅱよりは厚みがあるな、と。
エルゴノミクス デザインで握りやすくなったグリップが深くなった分ですかね。
上部のダイヤルの配置はα1とα7Ⅳを併せたような感じでした。
シャッターボタンは少し前のめりに角度が付けられており、押しやすくなった印象でした。
背面は見かけは大きく変わったところは無いですが、大きなところでは背面液晶が4軸マルチアングルモニターになった、というところでしょうか。
(α7RVで搭載済み)
α9Ⅱからのアップデートという観点ならば、右ダイヤルはカスタム可能っぽい、というところでしょうか。
(α7Ⅳでは搭載済み)
背面液晶が4軸マルチアングルモニターになったこと、および、グリップが変わったことの影響だと思いますが、全体的にはα9Ⅱよりは一回り大きくなった印象でした。
AF の精度について
バドミントンを撮影するブースがありましたので、ここでまずは AF の精度を試そうと思い、あえて片膝立ちの体勢でネット越しにバドミントンをやっている人の撮影を試してみました。
(α9Ⅲ と FE 300mm F2.8 GM の組み合わせで撮影)
結論から言うと、凡そネットにピントを持っていかれることなく、人物を捕らえ続けてくれました。
SONY の方と話しながら撮影していたのですが、人物に合わせ続けてくれたのは、AI プロセッシングユニットの効果も大きいと仰ってました。
とはいえ、ピンを全く外さないというわけでは無く、たまに外してましたが、2回ぐらいAF-ONボタンを押し直すと、合わせ直してくれました。
ただ、この精度はカメラ本体の性能なのか、FE 300mm F2.8 GMも相まっての性能なのかが、個人的には判別できなくて、自分が普段使っている FE 70-200 mm F2.8 GM2 を付けて試したかったのが正直な感想ではあります。
あと、AF エリアですが、スポット XS という従来の S よりもさらに小さいエリアが増えてました。
さらに、AF エリアはカスタマイズモードも追加されており、横長とか、縦長のエリアの設定も可能になっていました。
秒間 120 コマについて
速いとは頭で理解していましたが、想像を超えるレベルでしたね。
α9Ⅱで秒間 20 コマ、α1 で秒間 30 コマですが、これを遥かに凌駕するわけで、120 コマだと、シャッターさえ押せば、ここぞの瞬間は必ずとらえてくれるんじゃないか、と十分に感じさせてくれました。
(α1で撮ったコマとコマの間にさらに3コマ増えるわけですから。)
ただ、秒間 120 コマですから、それだけデータの記録にも時間はかかり、秒間 120 コマが終わった後 (1 秒ちょっとぐらい) も連写を続けると、流石にめいっぱいになり、バッファーがクリアされて、撮影したデータの記録が完全に終わるまで 30 秒程度かかった感じでした。
(この時、JPG で撮影してたのか、RAW で撮影してたのかを確認するのを失念してました。が、アルファホビー部さんの動画を見ると、JPG での記録はあっという間に終わったとのことだったので、おそらく RAW で撮影していたかと思われます。)
秒間 120 コマは、2 秒間も出せない「究極奥義」みたいな扱いですが、秒間 60 コマは常用できるので、そうなると記録媒体への書き込み速度が求められるわけです。
となると、α9ⅢはCF-Express card を使用することが前提になることは、購入を検討する場合は念頭に置く必要があります。
(私はCF-Express cardを持ってないので、α9Ⅲを買うなら、CF-Express card2枚とカードリーダーも買う必要があります。)
プリ撮影機能
グローバルシャッター、秒間 120 コマに次ぐα9Ⅲの売りっぽいのが、このプリ撮影機能。
ティーバッティングの撮影ブースにて、グローバルシャッターの威力と共に試してきました。
機能的には、シャッターボタンを半押し、あるいは、AF-ON ボタンを押しっぱなしにしている間はプリ撮影機能が有効となり続けて、シャッターボタンを実際に押し込んだ瞬間から最大 1 秒前の画にさかのぼって記録することができる、というものです。
プリ撮影でさかのぼれる期間は0.01秒 ~ 0.1 秒までは0.01秒単位で設定可能で、0.1 秒 ~ 1.0 秒までは 0.1 秒単位で設定可能なようでした。
そして実際にシャッターボタンを押し込んだ瞬間は撮った画にて、レーティングの★マークで記録されているので、自分がシャッターボタンを押し込んだ瞬間の把握も可能です。
私はティーバッティングのブースで、わざとゆっくり目 (バットにボールが当たった後)にシャッターボタンを押し込みましたが、ちゃんとバットの振り始め (1 秒前) から記録されていました。
また、バッティングのような速く移動するような動体の撮影は歪みがでがちですが、全く出ないのはさすがグローバルシャッターでしたね。
ただ、見せ方の点で言うならば、何かと比較して、「ほらこっちなら歪むけど、α9Ⅲなら歪まないよね?」とした方がわかりやすかったと思いました。
最初から歪まないものを見せられても、まあ、そうだよね、としか言えないわけで。。。
画質、ノイズについて
撮影した画像の持ち帰りができなかったので、
画質やノイズについてα9Ⅱで撮影したものとの比較はできませんでした。
α9ⅢでISO6400〜12800で何枚か撮影して、背面モニターやEVFで拡大しての確認しかできなかったので、十分な確認はできず、印象にしかすぎませんが、ISO6400までなら、まだ許容範囲かなぁ、という感想です。
自分の場合は基本的に撮影後にソフトでノイズ処理を行うので、撮って出しの時点でのノイズについてはそこまでシビアにジャッジしていません。
※実際の画質はプロ枠でイベントに参加されている矢沢隆則さんのツイートを参考にしていただければ。
まあ、この点は、実際に撮った画を手元で見てみないと何とも言えないですね。
結局?
買うの?買わないの?って話になると思うんですが、α9Ⅲって、買う人は秒間120コマが必要なの?って話になると思うんですよね。
技術的な観点では、グローバルシャッターの搭載が大きいと思いますが、それは秒間120コマを実現するためのもの、と私は解釈してるので。
秒間120コマというのは、「逃さず撮りたい」という思いを技術的に現段階の最高レベルで実現させようとしたもので、プリ撮影も、その想いの具現化の機能だと感じてます。
要は、秒間120コマ、プリ撮影などを駆使して、あなたは、
「撮りたい瞬間がありますか?」
「撮りたい被写体がありますか?」
という問いかけを数日間、自分にすることになりそうです。
単に写りの良さ、綺麗さを求めるなら、同日に発表された FE 300mm F2.8 GM を買った方が幸せになれそうです。
おまけ
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