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バスケの撮影に使う機材について(2023-2024シーズン版)

最近は毎シーズン書いているバスケ撮影時の使用機材に関する記事ですが、実は前回書いたのが2月なので、7ヶ月ほど前になります。

変わってない機材もありますが、変わってるのもあるので、Bリーグ 23-24シーズンを前に書いてみたいと思います。

カメラ

現在は SONY の 2 つのフルサイズ機を使用しています。

α9Ⅱ


α9 Ⅱ
(縦グリップを付けています)

昨シーズンまでのメイン機です。
秒間 20 コマ、ブラックアウトフリー、AFの追従精度、アンチディストーション シャッター等、暗い場所で速い動体を撮るには頼りになるカメラです。

機種の癖に慣れてることもあり、今シーズンもお世話になることは確実ですが、今シーズンは後述の機材の使用頻度を上げようと思ってるので、サブ機に回ることが多くなるかもしれません。

最近は後継機(α9Ⅲ?)も噂されてますが、もし出るなら、画素数は3000万画素台にして、クロップ時に1000万画素以上残るようにはして欲しいですね。
あとは、α7RⅤ などの搭載されている、AIプロセッシングユニットと秒間 30 コマとかでしょうか。
(α1 との兼ね合いから、秒間 30 コマは乗らないかなぁ・・・。)

α1

α1

秒間 30 コマ等、速い動体を撮影する際にも頼もしいカメラになります。
実は昨シーズン終盤から導入しており、飛行機の撮影では主力機材として使用していたのですが、今シーズンはバスケでの使用頻度を上げようと考えてます。
α1 の頻度を上げる理由としては以下の通りです。

・70-200mm F2.8 のレンズでクロップを行った場合、望遠端で300mmを稼げて、かつ、2000 万画素程度で撮影できる。
・秒間 30 コマを使える。

コートエンドで撮影されている方ならおわかりいただけるかもしれませんが、逆側のエンドでのプレーは 200mm でも少し遠いんですよね。

でも、300mm あれば逆側のエンドのプレーを引き寄せて撮影できるので、今シーズンはクロップしての撮影も使ってみようかな、というところです。
(α1 ならば、クロップしても 2000 万画素程度で撮影可能)

高画素になるので、暗所での撮影はノイズが乗ってきますが、そこはソフトでカバーできるので、自分は気にしてないですね。
(アリーナでプレーを撮影する際は基本的に ISO 6400 を上限にして撮影してます。)

α1 の扱いが少し難しい点としては、ストレージの容量管理で、RAW で撮影すると 1 ファイルが 50MB 程度になります。
PC のストレージをあっという間に食いつぶすので、外付けのHDD 等への速めの退避が必要になりそうです。

また、1 ファイルあたりのファイルサイズが大きいと、撮影後の後処理で時間がかかることになります。
撮影後のワークフローの時間が肥大化するため、セレクトにかける時間を少なくする等、対策を考えておく必要はありそうです。

ちなみに飛行機撮影の際は、α1 をメイン機として使用しています。
こちらもクロップすると、焦点距離が 1.5 倍になって、かつ、2000万画素程度で撮影できるので、非常に助かってます。
(100-400mm のレンズなら、クロップすると 600mm、200-600mm のレンズなら、クロップすると 900mm!)

飛行機は背景の風景と併せての撮影になるので、できるだけ高画素で撮りたい、というのもあります。

ファームアップで、AF で飛行機認識を追加してくれると嬉しいですが、AIプロセッシングユニット積んでないし、厳しいかな?

レンズ

SONY FE 70-200mm F2.8 GM OSS II

FE 70-200mm F2.8 GM OSS II

バスケを撮影する際の主力レンズです。
旧型の FE 70-200mm F2.8 GM OSS から買い換えて、それ以来、バスケ撮影の主力レンズです。

前回も書きましたが、旧型のFE 70-200mm F2.8 GM OSS と1番の違いは、その軽さ。旧型の1480gから1045gになり、撮影時の取り回しがものすごく楽。そして、撮影後の疲労度も軽減しますし、そもそも、持ち運びの際も随分と楽になりました。

AFの精度は旧型に比べると少し上がったかな?という感じでしょうか。

いずれにしても軽くなった、という1 点でも買いに値するレンズですね。
写りは言わずもがな、素晴らしいです。

琉球ゴールデンキングス クーリー選手
α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
宇都宮ブレックス 比江島選手
α1 + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
サンロッカーズ渋谷 ベンドラメ選手
α9 Ⅱ + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
川崎ブレイブサンダース 納見選手
α9 Ⅱ + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II

SONY FE 24-70mm F2.8 GM II

FE 24-70mm F2.8 GM II

いわゆる標準レンズと言われる焦点距離のレンズですが、前回の記事の時点では TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063) を使っていましたが、買い換えました。

使用シーンとしては、選手が間近まで近付いてきたとき、ベンチを撮るとき、コート全体の雰囲気を撮りたいとき、などです。
(バスケ以外だと、物撮りに便利な焦点距離です。)

TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063) から、SONY の FE 24-70mm F2.8 GM II に買い換えた理由ですが、ズームイン、ズームアウトした際に追従していた AF が外れてしまう、という点ですね。

基本的にプレー中の写真は70-200mmで撮影しますが、時々、標準レンズも使います。その際、ゴールに近づいてくる選手をズームアウトしながら撮影することがあります。

AF 追従せずに1 カットを撮りきる、あるいは、焦点距離を替えずに AF で追従して撮影する場合には、TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063) で十分だと思うのですが、エンドで撮影している際、私は、AF で追従しながらズームアウトして撮影する場合があり、その際、ピント を外して、撮影機会を逃すことになるのは避けたかった。

その点、SONY FE 24-70mm F2.8 GM II はAF で追従しながらズームアウトしても ピント が外れません。
不安なく撮影することを重視して導入を決めた、ということになります。

ちなみに、写りはこちらも純正大三元レンズですので、言わずもがなの素晴らしさです。

※このレンズはまだバスケの作例が無いので、飛行機、風景を載せます。

α1 + FE 24-70mm F2.8 GM II
α1 + FE 24-70mm F2.8 GM II

SONY FE 135mm F1.8 GM

FE 135mm F1.8 GM

135mm という焦点距離でかつ、単焦点レンズなので、エンドの1列目で撮るには少し難しい焦点距離ではありますが、ポートレート用レンズとして、人物を撮ると素晴らしい画を映しとってくれるレンズです。

東京羽田ヴィッキーズ 尾崎選手
α7 Ⅳ + FE 135mm F1.8 GM

単焦点で画角が限定される、割と重い、大きい、という心理的には持ち出し時に障壁のあるレンズですが、被写体を背景から浮かび上がらせるような素晴らしい画が撮れるので、覚悟を決めて撮影すると、良い画が撮れる(気がします)。

α7 Ⅳ + FE 135mm F1.8 GM

単焦点で、様々状況に対応しにくい、というデメリットがあるので、OUTNUMBER の撮影では使ってきませんでしたが、今シーズンは、明るさが少し足りないアリーナでの撮影があるので、そこでの使用を考えています。

川崎ブレイブサンダース 兼 サポートクリエイター
村島未悠さん
α7 Ⅳ + FE 135mm F1.8 GM


SONY FE 85mm F1.8

FE 85mm F1.8

私がSONY のカメラを初めて買った際に、一緒に買ったレンズです。

エンドからゴール下あたりを撮るには良い焦点距離で、ゴール下あたりだけを撮るなら、お値段の割に良いレンズだと思います。
(通称 "撒き餌" レンズ)

トヨタ紡織サンシャインラビッツ
東藤なな子選手、平末明日香選手
α7 Ⅳ + FE 85mm F1.8

SONY FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS

FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
三脚座にアルカスイス互換プレートを付けています

基本的に飛行機撮影、サッカーの撮影のために使うレンズで、少し大きいですし、F値も高めなので、バスケの撮影で使うことは少ないですが、席の周りに空間的な余裕があり、他のお客さんに迷惑をかけなさそう、照明が割と明るいアリーナ、という条件が揃っている場合はバスケの撮影でも使うことがあります。

望遠端で400mm、クロップすると600mmまで確保できるので、とにかく遠くを撮りたい時は重宝します。
(ただし、F 値は暗めなので、明るいアリーナ限定で使います。)

横浜ビー・コルセアーズ 河村選手
α1 + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS

ちなみに飛行機、サッカーの撮影では主力レンズになります。

α1 + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
α1 + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
川崎フロンターレ U-18 矢越選手
α9 Ⅱ + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS

その他

たまに SONY FE 50mm F1.8も使ったりします。
ポートレート用に買ったレンズで、小さく、軽いので、単焦点で少し広めになるけど、とりあえずカメラバッグに入れていくか?的な使い方です。

SONY FE 50mm F1.8

広く撮れるので、横構図で撮ると周りの情報も写し込めますね。ただ、選手がだいぶん手前に来ないと、迫力は出にくいです。

トヨタ紡織サンシャインラビッツ 東藤選手
東京羽田ヴィッキーズ 水野選手
α9 Ⅱ + FE 50mm F1.8

男性の試合の場合だと、被写体が大きいので、このレンズで縦に撮ると、ベースライン沿いのドリブル、ゴール下は割と迫力は出ますね。

※ FE 50mm F1.8で撮影した縦構図の写真については、OUTNUMBER で撮影した以下の記事内、今村選手の写真を参考にしていただければ。

とはいえ、50mmなので、ゴール下だけしか撮らない、という割り切りは必要です。

あとは、ごく稀に TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD もバスケの撮影の際に使います。
このレンズは、かなりアリーナ内を広く撮るとか、ゴール下を横で広く撮る、とかそういう場合ですね。

TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD
α9 Ⅱ + TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD
α7 Ⅳ + TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD

まとめ

今シーズン使う予定のカメラ、レンズを書いてみましたが、前回同様、バスケを撮るにはこれらの機材がないとダメとか、フラッグシップ級の機材がないとダメ、とか言うつもりは一切無いです。

私も最初はマイクロフォーサーズのカメラで撮り始め、その後、α7Ⅲ、α7Ⅳを経て現在の機材にたどり着きました。

何をどう撮りたいか、によって使うカメラもレンズも変わってくると思います。

私はコート上の動きの速いプレーを逃さず撮る、ということを最重要としており、あとは、チアさん、マスコット、ベンチという順番です。
(OUTNUMBER の取材で撮影する際は、ベンチが 2 番目に重要ですが。)

先ずは何を最重要視するのか、どういう場面を1番撮りたいのか、それをはっきりさせて、機材を選んでいただくのが良いのかな、と思います。

この記事がバスケの試合を撮影される方の少しでも参考になれば嬉しいです。

今シーズンも

今シーズンも沖縄バスケットボール情報誌 OUTNUMBER さんからお声がけいただき、フォトグラファーとして活動をさせていただきます。

琉球ゴールデンキングスが関東で試合をする際は撮らせていただくことがあると思いますので、今シーズンもよろしくお願いします!

私が昨シーズンに撮影した写真が掲載された記事は以下の通りです。お時間のある方は是非、ご覧ください!


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