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北海道ASC株式会社(代表取締役社長:三上寿) 

会社名:北海道ASC株式会社
住所:北海道苫小牧市新明町5丁目1-4
代表取締役社長:三上寿
創業年:1988年(創業者:中村敏)

【会社のあゆみ】


苫小牧市に本社を構える北海道ASC株式会社の三上社長に、まず会社の歩みをうかがいました。
1988年(昭和63年)に中村会長(義父)が元々あった北斗鉄鋼というスクラップ屋さんを引き継いだところから始まりました。中村会長は元々岡谷鋼機に入社し、苫小牧に設立された岡谷スクラップセンター初代社長として立ち上げに関わられた方でした。中村会長が苫小牧の岡谷スクラップセンターで13年ほど社長を務め、東京の本社に戻り、その後退職。北斗鉄鋼引き継ぎ後は苫小牧時代に築いた人脈などを活かし、元々いた従業員さんを引き継ぎました。
「当時自分は飛行場で働いておりましたが、中村会長の娘さんと27歳の時に結婚しまして、後継ぎの話をされました。最初は迷いましたが後継ぎになろうと決め、北海道ASCに入社し、18~19年経ちました。私は現在50歳ですが最初の7年くらい現場で、プラズマ・重機・トラックも乗りましたし、現場作業は基本的に全部やりました。当時はめっちゃしんどかったですよ(笑) 何百トンという鉄板をガスで半年間切り続けるとか、プラズマでステンレスを半年間切り続けるというのをやりましたけど、これは本当に相当耐える力がないと続かないです。当然火傷したり、あっち痛いこっち痛いってなりますからね。その後営業と経理を経て、今に至ります。後継ぎという意味では中村会長が2014年に亡くなり、そのタイミングで私が代表になりました」と話してくれました。

【社長としての苦労と目標】

「一番苦労したのは、思いを汲むことです。小さい会社ですし、自分が立ち上げた会社ではないので中村会長の思いだったりお義母さんの思いもですね。お義母さんはまだご健在で非常勤役員みたいな感じでうちの会社にいてくれていて、娘(自分の妻)から父である中村会長に対しての思いも考えながら、そこからあまり外れたことをやらないようにしつつも、そのままではダメなので常に試行錯誤しております。従業員にも僕の幼稚園からの同級生が2人いて、彼らもやる気がなくなってしまったらおしまいですしね。ぶつかった時は、居酒屋でみんなで思っていることはぶつけ合うということにしていまして、その場で解決できることはしますし、変えられることは変えます。【お義父さん(中村会長)の残してくれた以上の会社にする!】そこが僕の役割なのかなと思ってます」

【時代の変化と会社の対応】

創業当時は基本的に鉄のみを扱っていたという北海道ASC。これまで物量や相場も含めて良い時も苦しい時も当然ありました。そんな時代の変化に対する会社の変化については、入社当時からスタッフの人数はほぼ変わっていな中で、仕事量自体は増加傾向にあると三上社長。
「扱うものの売り方一つとっても時代によって変わってきたと思うんですよね。負担も手間もかかりますけど非鉄の方にも力を入れています。みんな今ベテランなので、スキルも上がってきていると思うんです。例えばステンレスの”304”、”316”ってどういうふうに分けるかというのを火花の飛び方ですぐ選別できるような方法を見つけたり、多少の黒字が出たという年があったとしたら大体見込みでわかるので、手のかかるものを徹底的にやるようなスタイルにしていますね。普段できないようなことを細かくやっていって来年度に向けてというような。前半に貯金を作って後半は次の年に向けてという風な方針で頑張っています」と話してくれました。

【プライベートと横つながり重視の営業を】

仕事量が増加傾向にある北海道ASCですが、仕事を取ってくるいわゆる”営業方法”は少し珍しいものです。
「僕は飛び込み営業とかは苦手なので、従業員にもそういった営業は全くしなくて良いと伝えています。その代わりプライベートで付き合って仲良くなる人を増やしていって、そこからの営業だったら良いけど、お客さんのところにいきなりピンポンするような営業はやめようということにしています。趣味など仕事以外で繋がっていくといずれ仕事に繋がるんじゃないかなという考え方です。私もゴルフや釣り、麻雀などみんながやることは一通りやります。みんなとお酒飲むのも大好きですし。どっちかというと異業種の人達と趣味を通じて出会う。うちの従業員にもプライベートで何かやっていて知り合いでも見つかれば良いねという感じの営業方法ですね。実際仕事につながった経験もありますし、仲良くなったらすぐこれお願いしますとスピード感も出ますよね。実は、昔は北海道ASCも営業していたんですよ。鉄を見たら営業に行け!いうスタイルだったんです。自分自身、あんまりそういうのは好きなタイプじゃないので、それは辞めましょうとしました。ゴルフもそうですし、僕より一回りくらい上の方だと麻雀もやるとすごく距離が縮まるなと思います」と関係性を重視した営業を心掛けていると話します。

【臨機応変な対応でクレームゼロ達成】

三上社長が常にお客様や社員の皆様に対して大切にしていることに”臨機応変”があります。「例えばお客さんが営業時間外の日曜日の朝7時にきてくれとか、夜10時に引き取りにきてくれとかの要望があったら、それは全部応えましょうと従業員には言っています。会社は通常8時半からですけど6時にトラックから荷物を下ろさないと次の現場に行けないんだという事情もよくわかるので、対応します。なかなか大変ではありますが、社員やスタッフのみんながすごく頑張ってくれていて僕から何も言うことはないですね。本当に感謝ばかりです。この甲斐あって取引先からのクレームも昨年ゼロでした。会社の代表としてはもちろん会社を任されているので、自分の采配でお客様だったり従業員を喜ばせたりすることもできるので、うまくいった時の達成感はありますね」と笑顔で答えてくれました。

【今後の展望と採用】

今後の展望や後継ぎなどについて三上社長は現状維持で良いと話してくれました。「大きくしたいとかもないですし、当然ですけど今付き合ってくださっているお客さんには喜んでもらえるようにやる。想いとしては娘が入社してくれたら嬉しいというのはありますし、良い夫を見つけてくれればもしかしたら後継者とは考えます。今後の色々なことに対応するべく、会社の隣の土地を去年買って扱える量を増やしました」
また、新規採用に関しては現在行っておらず「うちの場合は外注で作業をまかなっています。例えばステンレスを切らないといけないとなって人手が足りなくなったら外注でお願いしています。その外注先も僕の知り合いが苫小牧でやっていたりするのです。本当にこの仕事に志があって高校卒業して自分からやりたという子だったら良いですけど現実問題、結構難しいんじゃないかなと思うんですよね。いつかそういう人がいたら雇いたいなとは思います」と話してくれました。

【鉄リサイクル工業会に一言!】

「みなさん頑張っていただいているので僕からは何も言える立場じゃないですから(笑)タイミングがあったらみんなと交流の場を持ちたいです。居酒屋とかで話しやすい感じで、みなさんから色々聞きたいです。大先輩ばかりなので勉強したいなと思います」

【取材後記】鉄リサイクル工業会北海道支部 支部長

日本鉄リサイクル工業会北海道支部会員紹介第11弾は苫小牧の北海道ASC・三上社長にお話を伺いました。
北海道支部の会員企業である岡谷エコアソートの初代社長が、北海道ASC創業者である故中村会長である事を伺い、苫小牧地区における鉄スクラップ業界の歴史を知る事が出来ました。
三上社長は他の会社を2社経験し、義理のお父様が経営される北海道ASCに32歳の時に入社されました。最初の7年間、現場作業に従事され、30代後半に営業、経理の仕事も経験されました。
創業者の故中村会長が2014年に亡くなられた際に代表に就任されました。
代表になって考える事は、「創業者の思いや創業家のご家族の思いに沿った経営が出来ているか、ということですね」とお話されていた事が印象的です。
創業者の作った会社以上にしていく事も意識して経営されており、三上社長が入社した当時より扱い量は増え、非鉄の取り扱いも強化されました。
扱い量が増えても人員は増えておらず効率よい作業を常に追求しておられます。
全社員8名の少数精鋭でスキルの高い経験者が多く、問題が起こると社員と直接正面から向き合いとことん話あって解決されてきました。
1人1人と直接向き合い長年一緒に働いてきた方が多いのも、会社に一体感がある最大の理由であると感じました。
ユニークな取組として営業活動はほとんどしていない事です。三上社長は多趣味でゴルフ、釣り、麻雀など色々な事に興味を持たれております。
特にゴルフはプロ級の腕前!
そんな趣味で出会った多くの方たちを通じて仕事に繋がるケースが多々あるそうです。
お互い同じ趣味を通じて意気投合する事によって、仕事だけの付き合いではなく人間としての付き合いから仕事に繋がっていく。趣味を通じてどのような人間であるか理解する事がスタートなので、仕事に繋がった場合も相手の性格をわかっているので信用も高いと思います。
社員の方にも仕事以外の趣味で人と繋がる必要性を説いていらっしゃるそうです。

今後については、規模の拡大を追うのではなく現状のお客様に喜んでもらえる事を追求していき今以上に魅力的な会社となり、後々は娘さんに「入社したい」と思われるような会社にしたいと力強く語って頂きました。
非常に人間としての繋がりを大事にされる三上社長。
北海道ASCのお客様との信頼の強さの基本を学ばせて頂きました。

鉄リサイクル工業会北海道支部の活動として、VS三上社長でゴルフコンペを開催しプロ級の腕前の三上社長に挑戦しましょう!
是非ゴルフコンペにも参加を宜しくお願い致します。。



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