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株式会社原田商会(専務:清水浩明)

会社名:株式会社原田商会
住所:札幌市清田区里塚2条7丁目2-20
代表取締役:清水恵
創業年:1970年(創業者:原田弘)

【会社のあゆみ】

「先代がもともと札幌近郊でリアカーで卵を売っていたらしく、それから鉄スクラップの回収ということになったみたいです。そもそも先代は苦労話などを多くする人ではなかったので細かい話やストーリーはあまり聞いたことがないですが、様々な苦労はあったと思います」と清水専務は話します。
専務自身も1984~1987年ころ3年ほど原田商会で働いていましたが、先代の娘(現代表取締役)との結婚を機に退職、別の仕事をしていました。しかし2000年に先代が亡くなったこともあり、ご夫婦で原田商会を立て直そうと戻ってきました。
「社員は自分たち夫婦のほかに2人でやっていました。昔からごひいきにしてもらっているお客さんも、先代が亡くなってからもそのまま原田商会を使ってくれてありがたかったのを覚えています。ただ、現場作業に関しては約10年のブランクがあったので、大型特殊免許なども取り直して、なかなか苦労したのを覚えています。リーマンショック前は多い月で1000トン規模でやっていて多忙でしたし、リーマンショック後は皆さんご存じの通り予想外のことが起こり、本当に経営と現場で大変でしたね」

【会社の現状】

現在は運転手も含め5人態勢でやっている原田商会ですが、近年は従業員の出入りが多い時期もあり人手不足や人員の安定に悩まされることもありました。基本、朝夕のミーティングで作業や安全の確認をします。
「とにかく安全に気を付けてね!ということは常に声をかけつつ、年に一度の忘年会では従業員みんなと楽しく飲み食いをするので、それをとても私も含めて楽しみにしています」と話してくれました。

【現在の取り組み】

「先代から”鉄は日本の宝だ”と言われてきました。とにかく私たちと一緒に働いてくれるガッツあふれる40歳前後くらいの働き手が欲しいと思っています。なかなか作業内容も含めて敬遠されがちな業界かもしれませんが、必要な免許は会社でサポートするなど柔軟に対応していきたいなと考えています」

【今後の展望】

「展望は、とにかく現状維持が大切だと思っています。やはり従業員さんの頑張りで成り立っている会社ですから、彼らの家族や生活も含めてきちんと責任をもって守っていきたいと考えています。とてもシンプルかもしれませんが、今はそれが一番大事だと思っています」

【鉄リサイクル工業会に一言!】

「なかなかこれまで密に触れ合う機会がなかったのですが、今回の取材をきっかけに少しずつ関わりあえるようになっていきたいです」

【鉄リサイクル工業会北海道支部支部長後記】

鉄リサイクル工業会北海道支部 北海道支部会員企業紹介第12弾は札幌で事業を展開しております丸恵原田商会さんの清水浩明専務にお話をお聞きしました。
丸恵原田商会さんは1970年に清水専務の義理のお父様である原田弘氏が創業した会社で、現在の社長は原田前社長の娘さんであり清水専務の奥様でおられる恵氏が就任しております。
清水専務は創業間もない頃に原田商会で3年間働いていた経験があり、一旦会社を離れますが2000年に原田商会に復帰され専務に就任されました。

原田商会は創業から廃自動車の処理をメインに商売を展開されておりました。昔を知る札幌近郊の自動車解体業に携われている関係者の方からは、「原田商会さんに大変お世話になった」とのお話をよく耳にします。
当時を振り返ると、今では中々出来ない処理の仕方も行っていましたが自動車だけで今の扱いの3倍以上の量を処理していたそうです。
清水専務が2000年に再び原田商会に入社されたのは先代が逝去されたタイミングで、会社を存続させるべくカムバックしたわけですが、以前働いていた時と環境が変わりメインで扱っていた廃自動車の処理からは撤退していたそうです。廃自動車処理は時代の流れやリサイクル法の制定などで許認可が必要となっていたため、先代の時代に撤退され金属スクラップがメインとなっていました。
「当時を振り返ると、事務回りの仕事も全く分からず給料の払い方もわからない状況だった」との事で、いかに先代の死が急だったかを物語っています。
そして世の中は資源バブル前夜の逆有償時代で、仕入にお金がかからなかった事でなんとか会社を立て直し、資源バブルによって事業を軌道に乗せたそうです。当時はお金も増えたが扱いも増えて、とても忙しく過ごされていたとのこと。
しかし、処理が追い付かず在庫をヤードに溜めるのが常態化し、さらにリーマンショックにより大きく相場が下落し多額の損失も受けました。
そんな様々な経験から驕らず謙虚に現状維持をしていき、社員の生活を守る事に方向展開されました。

普段は口数の多い方ではない清水専務ですが、ベテランの社員さんとは毎日密にコミュニケーションを図り、恒例になっているその年の最終日には全社員で交流する場を設けて1年の働きの労いの言葉を掛ける日を大切にしているそうです。
社名には”丸恵”とついており、こちらは現社長である清水恵社長の名前が付けられています。先代は娘への深い愛情から屋号に娘の名前を入れ、常々社員に「鉄は日本の宝だ!」と仰っていたそうです。
その愛情と理念を受け継ぎ、夫婦で丸恵原田商会を切り盛りされている清水専務ですが、今後の鉄リサイクル工業会での活動についても「社員も少人数で日々多忙な為、毎回の出席は難しいが時間が許す限り参加したい」と語ってくれました。
今後も、鉄は日本の宝であるという誇りを胸に、地域に根差し社員を大事にする丸恵原田商会から目が離せません。


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