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「にごりえ」樋口一葉

銘酒屋の遊女と、それに入れ込んだ妻子持ちの男の破滅的な顛末を描く。

文語体である。口語文しか知らない自分には読みづらい。言文一致の動きは始まっていたが、まだ黎明期にあったようだ。主語もわからぬままなぞるように文字を追っていく。

二十歳そこそこの女性の観察眼と筆力に驚く。今の我々と比べて当時の人々は、殊に一葉は、一瞬々々を濃密に生きていたに違いない。

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