37 商品の取り扱い

◆ 37 商品の取り扱い
経費の削減が叫ばれた時期に、あるブランドの店頭をみて、驚いたことがあります。メーカーハンガーにかけた状態で納品され、スタッフが、そのまま売場にハンガリングしていたのです。
きちんと感を大切にするエレガンス系のブランドでしたから、びっくりしました。せめてハンガーは換えてほしいと思いました。気になって、売場を覗き、他の商品の状態をチェックしました。畳みの状態で入荷した商品は、畳みジワ(折ジワ)が入ったままです。
支度途中で舞台に上がってしまった役者のようなもの。
盛り付け途中でテーブルに出された料理のようなもの。
他のページにも書きましたが、パリにあるブラウス、シャツの専門店は、スタッフが一枚、一枚丁寧にアイロンをかける作業が、店頭からきちんと見えます。
アイロン掛けの手際、丁寧さに、商品への愛着を感じるお店です。目が合うと、とても心地よいアイコンタクトで迎えてくれます。こういう店なら、商品も間違いないと思うでしょう。
商品に付加価値を付けるのは、結局、スタッフの細やかな気遣いであったりします。とくに、商品の取り扱いには気をつけたいものです。
お直し上がりをお客様にお渡しする際も、事前にきちんと確認をしておくのは当然です。お渡しする際に、もう一度チェックします。お直しの基本を知っているスタッフと、無知なスタッフでは、チェックの仕方に違いが生まれます。だからこそ、商品の知識は大切です。
どのように持てば型崩れしないか?
どのように畳めば、ラインを崩さないか?
そして、どのように手を動かせば、きれいに見えて、スピーデイになるか?
となれば、やはり勉強とトレーニングは欠かせません。

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