25 パーソナルスペース

◆ 25 パーソナルスペース
両腕を真横に上げた状態で、くるっと一回りして画く円が、「パーソナルスペース」です。他人に立ち入られたくないと感じる境界線です。
もともと日本人は、この「境」を重んじてきました。畳は、まさにこの「文化」です。畳は、自分の場所と相手の場所を、その一枚で区切りながら、互いに相手のスペースに入る作法を重んじてきました。
襖、障子など、空気は遮断されずに、境界をつくる文化というのは、独自のものなのです。気配りとか、作法は、ほとんどこの「境界」をベースに成り立っています。
このごろは、核家族化が当たり前になり、日常生活でも、他人との「境界」を学ぶことがめっきり減りました。自分の都合、権利ばかりを主張します。
これはあまりよろしくない傾向です。接客という仕事の場では、よろしくないどころか、とても危惧すべきことです。
日常生活の中で、パーソナルスペースということをすこしきちんと意識しましょう。相手の領域に入るとき、交差してしまうときに、「すいません、失礼します」の一言をかける習慣。そして、「ありがとう」を添えることを忘れない。
子供はシェアの天才です。初めて会った子供たちでも、10分もすれば仲良く遊び始めます。最初は、自己主張のぶつかり合いからです。そうやって、自分を伝えることから始めて、相手との距離のとり方を学習していきます。この、「相手との距離」のとり方のトレーニングの機会が減っています。人に向かい合うことに時間を費やしていない、「子供な大人」が増えています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?