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エンジニアが成長するための機会提供をさらに増やしたい|私たちの職務経歴書 ~ 丸山 嘉伸

こんにちは!
マネーフォワード ビジネスカンパニー(MFBC)コミュニケーションデザイン室の塩原です。

「私たちの職務経歴書」シリーズでは、面接の場でみなさんとお会いする社員のこれまでの経歴、マネーフォワード(以下:マネフォ)になぜ入社したか、今の仕事ややりがいなどをお伝えしています!

今回は、カンパニーVPoE・デジタルインボイス本部 副本部長の丸山 嘉伸(まるやま よしのぶ)さんです。

前職で取締役CTO開発本部長を経験したのち、マネーフォワードに入社。XカンパニーやマネーフォワードベトナムでVPoEを務め、23年4月からMFBCのVPoEを務める丸山さんのこれまでの経歴や今後の展望などを聞いてきました!

カンパニーVPoE(Vice President of Engineer)
デジタルインボイス本部 副本部長
丸山 嘉伸
SIer、不動産管理システム企業にてエンジニアとして活躍後、ワークフローシステム企業のエイトレッドにて開発本部長、CTOを経験。2019年マネーフォワードに入社し、金融機関などのパートナーと共に新たな金融サービスを共創するマネーフォワード エックスカンパニーにてVPoEとして活躍。その後、マネーフォワードベトナムでVPoEを務めたのち、2023年4月にマネーフォワードビジネスカンパニーのVPoEに着任。

ーー前職までのお仕事内容について、教えてください。

丸山:私が新卒の頃は、IT系のエンジニアになるならSIerしか選択肢がない時代でした。そこで地元横浜にある二次請けのSIerに就職して、大手SIerのプロジェクトの一員として開発をしていました。しかし、徐々に疑問を持つようになっていきます。SIerでの受託開発は、開発ではあるけれどモノづくりではないなと感じたんです。

というのも、受託開発はお客様の要求通りにつくることがゴールであって、受託開発者側の思いをプロダクトに反映させることはできない性質の仕事です。そして優れたマネージャーに求められるのは、利益率の高いプロジェクトにすること。つまり、どれだけ少ない工数(人数×スケジュール)で仕様に沿ったシステムを作るかが重要で、結果ギリギリ検収をクリアできるシステムをつくることになるわけです。

その考えには全く共感できませんでした。そして、次は思いを持ってモノづくりができる環境で働こうと、自社プロダクトをもつ会社に転職しました。

2社めはクラウドサービスを展開している企業でした。エンジニアとして入社し、3年後に開発部長を務めることになりました。それまでは、一生モノづくりをしたいと思っていたので、開発部長として声をかけてもらった当初は正直あまり乗り気ではなく、仕方なく引き受けたんです。

ただ、実際にやってみると、段々とマネジメントの面白さに気づいてきました。そして、「マネジメントも結局のところモノづくりなんだ」と思うようになりました。

その理由は2つあり、1つはマネジメントしているプロジェクトマネージャーやエンジニアがモノづくりをしているので、間接的に自分もモノづくりをしていること。2点目はメンバーを育てること自体がモノづくりだと感じたからです。

例えば、新卒のメンバーであれば、就活イベントで出会って入社してもらい、将来のキャリアプランを聞きながら成長できる環境を提供することで、エンジニアとして成長していく。おこがましいかもしれないけど、自分が育てたメンバー一人ひとりが自分の作品なんだと思うようになったんです。

塩原:作品と思えるほど、一人ひとりと丁寧に向き合ってこられたんですね。でもそんな方々が転職してしまったりしたら、悲しい気持ちになりそうです。

丸山:たとえ引き抜きがあっても、自分の作品が認められた感覚がありました。

そして「作品」と思えば思うほど、採用責任に対して重く受け止めました。新卒であれば、最初にどの会社に入って誰の下で働くかで、社会人としての方向性が半分くらい決まってしまうと思うんです。だから、1人目の上司として責任を持たなきゃいけない。どうやって一人前にするかを一人ひとりに対して考えました。開発部長を経験したことによって、これまでとは違った視点を身につけられ、立場が変わると視野が広がることを実感しました。

また、開発部長になって1年後に会社の上場を経験しました。上場前には、開発プロセスや内部統制についてドキュメントに落とし、証券会社からのインタビューに対応しました。この会社でマネジメントと上場を経験したことは、キャリアの大きな転換点になりました。

その後、上場を考えている企業の開発担当役員にならないかというヘッドハンティングを受けました。

2社目ではじめてマネジメントを経験して、実際にポジションについてみないと、その立場の気持ちや意思決定は分からない。だから、現場もマネジメントも一通り経験するのが大事だと気づいたんです。

もともと経営に興味があったわけではないのですが、「現場とミドルマネジメントを経験したので、経営層になれば一通りの立場を経験できる」と思って、エイトレッドに転職を決めました。

ーーエイトレッドでのお仕事内容について、教えてください。

丸山:エイトレッドは、社員数50名程度でそのうち開発は10人未満の組織でした。本部長として入社し、1年で執行役員、2年で取締役に就任しました。

入社後は、まず人と組織の課題に着手しました。開発部長がいない状態だったので、組織とマネジメント体制をつくり、能力のある即戦力の人材を中途で採用。優秀なエンジニアにはどんどん権限委譲し、開発プロセスも整備して、組織内のコミュニケーションの取り方を変えるなど課題を1つずつ解決していきました。

塩原:取締役の立場というのは、これまでの経験とは違うものでしたか?

丸山:全然違いましたね。

社員のときは上司や担当役員、最終的には社長が評価をしますよね。でも、取締役を評価するのは株主です。株主が重視するのは株価ですから、役員になると「どうやって株価、時価総額を上げるか」を重視するようになります。この視点は、役員になって初めて気づきました

そして、利益率、つまりコスト意識が強く必要になりました。組織を拡大させずに生産性を上げながら、どれだけいいものをつくるか、それが取締役として求められた一番のポイントです。

結果として、在籍の7年で生産性が数倍になり、自社プロダクトのユーザーも圧倒的に増加。プロダクトの月次平均解約率は5%から1%未満に低下しました。組織規模を変えずに運用保守を行い、顧客満足度も上げることに成功しました。

塩原:求められた素晴らしい結果を残されたんですね!ただ、その後はこの会社を辞められています。

丸山:はい、無事に東証一部に上場した次の日に、会長に「次の株主総会で役員として再任しないでほしい」と伝えました。

私はもともと上場のために呼ばれて来たので、上場をやり遂げたからというのが一番の理由です。できることはすべてやり終えていて、私がいなくてもまわっていく組織になっていました。

会社の方針として、大きな投資をする会社ではなかったので、規模を大きくしないまま生産性を上げるという観点では、やりきった感覚でした。そして、この組織で自分が貢献できることはもうない、貢献できるとすれば、私の人件費を削ることだと思ったんですね。新たな人が役員になれば、新たな何かを生み出すかもしれないですし。次の会社も決めずに、辞めることを決めました。

塩原:強い思いで、自分から解任されにいったんですね!

ーーマネフォに入社したキッカケは、何だったんでしょうか?

丸山:後任の引き継ぎの挨拶にまわると、辞めるんだろうなと気づかれてお誘いを受けることもありました。しかし、コネや経験など何もない会社に飛び込んでみたいと思い、エージェント経由で5社ほど面接に行きました。その中で働きたいと思ったのは、マネーフォワードだけだったんです。

塩原:何が決め手でしたか?

丸山:一次面接がCTOの中出さんで、面接というより上場企業取締役CTOの苦悩をお互いに話す場といった感じでした。役員は立場があるから社内の人にも話せないことがあり、どんどん孤独になっていくんですよね。でも、同じ立場を経験していると具体的な事例を話せなくても苦悩を共有できます。そんな話を2時間くらいしました。次の面接では、当時のVPoE4人全員と話をしました。

5名に会って感じたのは、とても優秀な人たちなのに現状にまったく満足せず、成長を追い求めていること。「開発組織にはこんな課題があって解決しないといけない。どうしたら、解決できるのか」という話をずっとしているんです。面接というより壁打ちのようでした。ここで働けば今までとは違うタイプの成長ができそうだと思い、入社を決めました。

ーー入社してからこれまでのご経験について教えてください。

丸山:マネーフォワードのエックスカンパニーでVPoEを2年経験した後、2021年8月からマネーフォワードベトナムに赴任しました。マネーフォワードベトナムは2018年に設立されていて、開発拠点としての存在感も大きくなっていた頃です。

塩原:これまでのキャリアで、海外関連のお仕事の経験はお聞きしていないですが、ベトナム赴任に不安はなかったですか?

丸山:実は、CTOの中出さんからベトナムに行く打診があったのは、就任2日前だったんです(笑)。とはいえ、その頃、中出さんやVPoE陣で日本の誰かがベトナムに行った方がいいよねという話はしていたので、自分かもしれないなというのは薄々感じていました。

ただ正式に言われたのは2日前だったので、就任時には英語が全くできない状態でした。それでも不思議と不安はあまりなく、「頑張れば何とかなる!」と思っていました。

就任当時の2021年はコロナ禍だったので、すぐにベトナムに行くことはできず、オンラインでの業務開始になりました。

最初のうちは通訳を入れてやり取りをしていたのですが、通訳を通じて評価や開発プロセスの話をするのは難しいと感じました。というのも、前提となる開発スキルや経験が違うので、ただ英語と日本語の変換をするだけだと、意思疎通がうまくできなかったんです。だったら自分が英語を話せるようになったほうが早いと思い、オンライン英会話で3ヶ月間、1日最低3時間勉強し続けました。すると、徐々にコミュニケーションがスムーズに取れるようになっていきました。

現地のマネージャーとの1on1は1ヶ月でなんとかできるようになり、採用面接は苦労しましたが、それでも3ヶ月で対応できるようになりました。

塩原:すごい!全くできないところから3ヶ月で本当になんとかしてしまったんですね!

丸山:そうですね、英語は気合いの部分も大いにあります(笑)。

ベトナムでの経験で、英語でコミュニケーションができるようになったのも良かったことの一つですが、もう一つは、ベトナムの非常に早い成長スピードを肌で感じられたことです。街の様子は1ヶ月で変わるし、いいと思ったサービスがどんどん浸透していく。私がいた2年間でも大きな変化がありました。日本もがんばらないとという思いを強くして帰ってきました。

ーー丸山さんが働くうえで大事にしていることはありますか?

丸山:マネフォのMVVCと重なる部分でいえば、「ユーザーフォーカス」と「リスペクト」です。ユーザーフォーカスは、自分たちが提供するプロダクトによって、どれだけユーザーが便利になっているかを重視しています。

リスペクトは人によって解釈がさまざまですが、私にとっては「どれだけ相手の立場に立って物事を考えられるか」です。

例えば、同じ会社にいても職種が違えば対立することはあります。営業と開発の関係なら、営業は実績を上げたいから早くプロダクトを売りたい。お客様に「●●という機能がついていたら契約するのに」と言われたら一刻も早くその機能をリリースしてほしいと考えます。

一方、開発は新たな機能を世に出すときには、不具合が少なくクオリティの高いものをリリースしたい。そのためには時間がかかるので、営業の要望とは相反します。

こんなとき、お互いが相手の立場を理解してコミュニケーションをとれるかどうかで、仕事の進み方はまったく変わります。

営業がストレートに開発に要望を言うなら「実績を上げたいから早くリリースしてほしい」となりますが、開発の気持ちは動きません。このときに、「十分なクオリティを担保するために時間がかかることは理解できる。でも、この機能がないとユーザーの業務が効率化できない。一刻も早くユーザーに価値を届けたいからできるだけ早くリリースしてほしい」と言えたら伝わり方はまったく違います。こんな風に、相手の立場を理解したコミュニケーションを大事にしています。

ーーエンジニアにとって、マネーフォワードで働く魅力は何でしょうか?

丸山:エンジニアにとってさまざまな機会があり、成長しやすい環境であることです。

エンジニアが成長する環境や機会は普遍的なひとつではなく、新卒と2〜3年目、中途など人によって、その最適な中身は異なります。

マネフォの場合、プロダクトはBtoBもBtoCもあり、日本だけでなくベトナムやインドで働ける可能性もあります。まわりのエンジニアも多国籍です。そういった、さまざまな機会が今もありますし、今の自分からレベルアップしてさらなる成長を求めたときの機会もあるという状況です。

塩原:プロダクトのフェーズも様々ですし、採用している技術もいろいろとありますよね!

ーー今後の展望についても教えてください。

丸山:まずデジタルインボイス本部としての展望をお話しします。

組織内にある開発組織は福岡拠点のみですが、本部として担当するプロダクトを手がけている開発拠点は日本にグループ会社が2社あり、ベトナムのホーチミンやハノイの拠点、インドにもあるなど、多国籍で多拠点です。

組織マネジメントは大変な部分もありますが、働くエンジニアにとっては、多拠点で働くチャンスを得やすい環境です。各拠点の技術的な強みが違うので、可能性にあふれている組織だと思っています。

現在は拠点同士の横のつながりがあまりないので、横の連携を強めていきたいですね。そのために、来期は日本とベトナムのエンジニアがそれぞれ行き来することも予定しています。

また、ビジネスカンパニーのVPoEとしては、ビジネスカンパニーのエンジニアが成長するための機会提供を増やしていきたいと思っています。大胆に意思決定をしたり、意思決定のスピードを早めたりすることによって、成長を促せる組織にしていきたいですね。

ーー最後に、丸山さんのプライベートについても教えてください!

丸山:中学生と小学生の子どもがいるんですが、よく一緒に出かけています。今年の夏には海に行きました。あとは最近、中学生の子どもが行きたい高校があると聞いて、コーチングを始めました。

塩原:丸山さんがコーチですか?

丸山:そうですね。息子自身に目標設定をしてもらって、毎週1on1をしています。うまくいくかは分かりませんが、チャレンジ中です。

塩原:そういえば、丸山さんのEnglish Nameは、"Bothroyd"ですが、どんな由来なんですか?

丸山:”Bothroyd”は元イングランド代表のサッカー選手です。日本でもプレーしていた時期があり、好きな選手なので名前を拝借しました。

マネーフォワードベトナムのみんなからは、”Bothroyd”と呼ばれているので、”Maruyama”という名前を知らないメンバーの方が多いかもしれないです(笑)。

ちなみに、ベトナムには2021年12月から2023年3月までの1年4ヶ月ほどいたんですが、マネーフォワードベトナムのメンバーとも、日本のマネーフォワードから出張できた仲間とも、いろんなところに行きました。

日本から出張で来越したCQOの池田さんとはメコンデルタツアーに
日本に帰国する前に開催してもらったfarewell party
合成写真ではありません(笑)

帰国後も、ちょこちょことベトナムに出張しては、現地のみんなとご飯を食べに行ったり飲みに行ったりしています。

ーー編集後記

社内のメンバーに、丸山さんの印象を聞いてみると、

  • いつも冷静に、的確なアドバイスや意見をくれる。

  • いつでも考えが一貫してるし、ブレない。

  • ロジカルさとエモーショナルさのバランスが素敵。

  • やさしい。気遣いがすごい。

  • 意外と人懐っこい。

という声がありました!

インタビューをしていて印象的だったのは、何を聞いても、バシッとお返事が返ってくること。慣れないインタビューとなると、悩みながら考えながら答える人が多いと思うのですが、丸山さんからは、「それは、こうですね。」という答えがつねにスピーディーにストレートに返ってきました。

そんな様子からも、これまでにいろいろな立場・役割でいろいろな経験をされた丸山さんだからこそ、ブレない軸を持っていて、だからこそ安心感というか信頼感があふれ出る方なんだろうなと感じました。

また、メンバーの声としても「やさしい」「人懐っこい」という声があるように、会ってすぐはクールな人なのかな?と思うものの、相手の気持ちにスッと寄り添ったり、相談に乗ったり、一人ひとりのメンバーにリスペクトを持って向き合ってくれる丸山さん。これからベトナム出張に行く仲間にも、ホテルの様子やタクシーの乗り方、ベトナムでの支払い事情など、本当に細かく共有されていて、みんな感激していました!

そして、マネフォに入社したときのエピソードや、ベトナム赴任が決まって英語学習を始めた話などからは、多くの経験や知識を獲得したあとでも、いつも新しいことにチャレンジし続けていることを改めて知ったインタビューとなりました。

そんな丸山さん率いるデジタルインボイス本部で、ともに働く仲間の力を求めています。ご興味のある方は、ぜひご連絡ください!